208 修学旅行2日目です 1
ここは飛行島のコテージです。
修学旅行2日目の朝です。
わたしは日課のトレーニングを終えて、シャワーを浴びました。
着替えてリビングに入るとローラがいました。
女子生徒に囲まれながらゲームをしています。
女子 「ローラちゃん、かわいい」
女子 「お人形さんみたい」
ローラ「おはよう、アンナ」
アンナ「おはようございます」
昨日の夜にローラが「また明日」と言ったのを思い出しました。
ローラ「一緒に朝ごはん食べてもいいかしら?」
アンナ「いいですけど・・・」
先生方も、ダメとは言わないでしょう。
ローラ「それと・・・ツアーに同行してもいいかしら?」
アンナ「ツアーに同行ですか・・・聞いてみます」
ローラはゲーム機をアイテムボックスに収納しました。
ん? アイテムボックス?
アンナ「魔法を使っても平気なんですか?」
ローラ「魔道具を作ったわ。魔力を大量に込めてあるから、
下界に長時間滞在することも出来るわ」
ローラは長時間下界にいるつもりです。
わたしはローラの手を引いて窓際のテーブルに案内します。
窓際に陽子さんとマオがいます。
ローラ「陽子ちゃん、マオちゃん、おはよう」
陽子 「おはようございます」
マオ 「みゃー」
言葉が通じているようです。
アンナ「陽子さん、マオにフードとお水をあげてください」
陽子 「はい」
わたしは、アイテムボックスから子供用のイスを出しました。
アンナ「座ってください」
ローラがイスに座りました。
生徒が1階に次々と降りてくるので、朝食の準備をします。
朝食には保温の結界を張ってあります。
座る場所はA組がテラス、B組がダイニングです。
先生方が来ました。
アンナ「おはようございます」
先生方「おはようございます」
アンナ「ローラも同席してもいいでしょうか?」
志村 「どうぞ」
加藤 「かわいい」
朝食の用意が出来ました。おかわりコーナーもあります。
生徒は全員着席しました。
*
今日の朝食は台湾料理です。
鹹豆漿、蛋餅、油條です。
鹹豆漿
お酢で半凝固させた豆乳のスープです。
作り方
器に醤油とお酢を入れて、温かい豆乳を注ぎます。
すると、お酢の凝固作用で豆乳がトロトロのおぼろ豆腐のようになります。
その上に、干しエビ、ネギ、ザーサイ、切った揚げパンをのせます。
最後にラー油を適量垂らせば完成です。
台湾では朝食の定番です。
蛋餅
台湾式の甘くない玉子クレープです。
蛋餅は、パリパリとモチモチの二種類がありますが、今回作るのはモチモチです。
ちなみに餅とは、小麦粉で作るパンの総称です。
総菜パン、パンケーキ、クレープ、月餅などの料理は餅と呼ばれます。もち米は使いません。
作り方
小麦粉、塩、水で生地を作り、フライパンで両面を焼きます。
焼き上がった皮を皿に移します。
次に、塩入りの溶き玉子、ネギ、ハムをフライパンで焼きます。
玉子の表面が固まる前に、皮をのせます。
そのあと、ひっくり返して玉子に火が通ったら、チーズをのせて三つ折りにします。
火から下ろして、食べやすい大きさに切り、タレをかければ完成です。
タレは、台湾醤油とスイートチリソースで作った、甘辛い味です。
油條
カリカリふわふわの中華風揚げパンです。
そのまま食べたり、豆乳スープにつけて食べます。
今回は、甘い揚げパンが好きな人のために練乳も用意しました。
*
わたしは料理の保温結界を解除しました。
アンナ「飲み物は各自出してください・・・いただきます」
全員 「いただきます」
ぱくぱく・・・
女子 「美味しい」
男子 「うまい」
わたしは料理の説明をしました。
加藤 「この豆乳スープ、美味しい」
志村 「揚げパンと相性がいいですね」
高木 「この玉子クレープ、食感がチヂミみたいですね。
モチモチしていて美味しいです」
志村 「甘辛いタレが美味しいです」
*
アンナ「先生方にお願いがあります」
志村 「なんですか?」
アンナ「ローラをツアーに同行させてもいいでしょうか?」
志村 「いいですけど、連れて行かないと、
その子はどうなりますか?」
アンナ「ひとりぼっちになります」
高木 「それはダメです」
加藤 「はい、連れて行きましょう」
アンナ「ありがとうございます」
ローラも同行出来るようになりました。
*
ローラ「ところでアンナが飲んでいるものは何かしら?」
アンナ「冷たいウーロンミルクティーです。飲みますか?」
ローラ「飲みたいわ」
アンナ「わかりました」
わたしはウーロンミルクティーを出しました。
アンナ「どうぞ」
ごくっ。
ローラ「甘い・・・美味しいわ」
加藤 「甘いお茶?」
アンナ「はい。台湾では紅茶以外に、緑茶やウーロン茶も甘くして
飲むのが普通です。無糖のお茶もありますが、日式
と呼ばれています。日本式の飲み方という意味です」
アンナ「ウーロンミルクティー、飲んでみますか?」
加藤 「飲んでみたい」
高木 「私も」
わたしは、二人にウーロンミルクティーを出しました」
ごくっ。
加藤 「美味しい」
高木 「ウーロン茶のミルクティーね。美味しい」
アンナ「ウーロンミルクティーには、練乳をかけた揚げパンが
合いますよ」
わたしは2本の揚げパンを半分に切り、練乳をかけました。
ぱくっ。
ローラ「美味しいー」