表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
197/243

197 修学旅行初日です 5

 ここは飛行島のファームです。


 私たちは、熱帯ファームにいます。

 バナナの収穫を見学したあと、別の場所に転移してきました。


アンナ「皆さんは、あれをご存知ですか?」

女子 「あれってカカオ?」

アンナ「はい。そうです」


 わたしは30cmくらいの熟した実を二つ、木から採りました。

 アイテムボックスから小さなテーブルを出してカカオをのせます。

 二つのカカオは、魔法で皮をたてに切りました。


女子 「中って、こうなってるんだ」

女子 「初めて見た」


 何人かの生徒はスマホで写真を撮っています。


 わたしは結界でバケツを作りました。


アンナ「皆さん、スプーンですくって食べてください。

    種はバケツに入れてください。」


 ぱくっ。


女子 「あまーい」

女子 「美味しいね」

女子 「チョコとは全然味が違う」


 カカオの果肉は、ライチに似た甘酸っぱい味がします。


アンナ「ちなみに今バケツに入れた種がチョコレートの原材料です。

    カカオ豆と呼ばれていますが、豆科の植物ではありません」


志村 「いい体験ができた」


 食べ終わったので、テーブルなどを収納しました。


     *


 そのあと、サトウキビや香辛料などを見学して、中央の集積所に戻ってきました。


アンナ「それでは、別のファームに移動します。

    次は青い魔法陣に入ってください」


 わたしは青い魔法陣に入りました。


     *


 転移先は亜寒帯ファームです。


 生徒が次々と転移してきます。最後に志村先生が転移してきました。

 全員揃っています。


女子 「涼しい」


アンナ「ここは亜寒帯ファームです。日本の北海道に気候が似ています。

    ここでは、ジャガイモ、大豆、リンゴ、トウモロコシ、

    乳製品などを作っています」


アンナ「まずは、皆さんに食べてほしい作物があるので、

    その場所に転移します」


アンナ「転移」


     *


 転移しました。


アンナ「この作物が何か、わかりますよね」

男子 「トウモロコシ」

アンナ「はい。そうです。普通は茹でて食べると思いますが、

    今回は生で食べていただきます」

女子 「トウモロコシって、生で食べられるの?」

アンナ「はい。美味しいですよ」


 わたしは空き地にテーブルと大皿を一枚出しました。


アンナ「8本採ります。どなたか収穫を手伝ってください」


 わたしは、鑑定魔法で食べごろのものを探し、収穫してもらいました。

 8本のトウモロコシはテーブルの上に置き、転移魔法で皮とヒゲを除去して大皿にのせました。

 そして魔法で、たてに4等分にします。


アンナ「食べてください」


 生のトウモロコシを食べるのは、皆さん初めてだと思います。


女子 「あまーい」

男子 「なにこれ」

男子 「うまい」

女子 「果物みたい」


志村 「トウモロコシは生で食べると青臭いと思っていたけど、

    これは美味しい」


アンナ「生で美味しく食べるには条件があります。まず糖度が高いこと。

    次に完熟前であること。そして、もぎたてのものに限ります」


アンナ「食べ終わった芯は捨てずにアイテムボックスに入れてください。

    あとで使い道があります」


     *


 そのあと私たちは、他の畑やリンゴ園、乳製品の加工を見学しました。

 いま牛の放牧地にいます。


アンナ「あの牛はオーロックスと言います。地球では数百年前に絶滅した牛です。

    ラスコー洞窟に描かれている牛と同じです」

男子 「そうなんだ」

志村 「絶滅した動物を見学するのは、地球では出来ない体験だ」


 珍しい牛とわかり、皆さんは写真を撮っています。

 わたしも写真を撮りました。


 そのあと私たちは、放牧地を少し歩いて畜舎の近くに来ました。

 そしてテーブルとイスをアイテムボックスから出します。


アンナ「休憩にしましょう」


 生徒達はイスに座り、アイテムボックスから飲み物を出しました。

 わたしは、スリングからマオを出して芝生に降ろしました。

 マオは前足を突き出して、伸びをしています。


 畜舎ではゴーレムが扉を開き、中から羊が出て来ました。


女子 「なにあれ、かわいい」

男子 「なんだあの羊」

女子 「小さいのもいる。かわいい」


生徒達はイスから立ち上がり、羊に近づきました。


女子 「もふもふしてる」

女子 「異世界の羊かわいいね」

アンナ「この羊は地球にもいます。スイスの固有種シュバルツナーゼと同じです」

男子 「地球にもいるんだ」

女子 「この羊、顔どうなってるの?」

アンナ「トウモロコシの芯をあげてください。食べますよ」


 皆さん、トウモロコシの芯を出しました。

 羊は、それを食べています。


男子 「そこが(くち)か」

女子 「かわいい」


 トウモロコシの芯はすぐになくなったので、わたしはアイテムボックスから牧草を出しました。


アンナ「この牧草をあげてください」


 皆さん、牧草をあげたり、スマホで撮影をしています。

 わたしもカメラで撮影します。


女子 「ずっと見てられる」


 さすがにそう言うわけにはいきません。


 しばらくすると・・・


 ポロロ、ポロロ、ポロロ・・・

 陽子さんからの電話です。


陽子 「B組は魔法射撃が終わりました」

アンナ「A組は羊のところにいます。A組が戻るまで休憩していてください」

陽子 「わかりました」


 通話終了です。


アンナ「あと5分で飛行島に戻ります」

女子 「えー、あと5分か」


     *


 わたしはマオをスリングに入れて、たすき掛けにします。

 5分が経過したので、私たちは中央の集積所に転移して、そこから白い魔法陣に入りました。




 飛行島に戻ります。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ