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173 街の案内です 3

 ここは、ワウラの街です。


 私たちは猫耳亭の従業員用ダイニングにいます。


 昼食の準備ができました。


ザック「アンナさん、紹介してくれ」

アンナ「はい。この子はわたしの妹、陽子です。

    わたしの代わりにここに来ることがあるかもしれません。

    その時はよろしくお願いします」

陽子 「陽子です。よろしくお願いします」

アンナ「この子は友達のローラです」

ローラ「ローラよ。よろしくね」

アンナ「この子はマオです」


ザック「俺はここの(あるじ)、ザックだ。

    妻のエマ、娘のノエル、妹のパティ、その夫ソニー、その娘ミラだ」


 わたしはダイニングの隅にペットサークルを出してマオを入れます。

 そしてキャットフードとお水を出しました。マオもごはんの時間です。


 次にわたしは、アイテムボックスからあるものを二つ出します。

 そしてノエルちゃんとミラちゃんにそれを渡しました。

 黒猫のぬいぐるみです。

 マオを見せたら、欲しいと言われたら困るので、用意していました。


ノエル「アンナお姉ちゃん、ありがとう」

ミラ 「ありがとう」


 二人は大喜びです。かわいいです。


ローラ「私も欲しい」


 ローラもですか。


アンナ「わかりました。あとで差し上げます」

ローラ「ありがとう」


 もうひとつ作りましょう。


     *

 

 昼食の用意ができました。

 ミルクポトフとバゲット、小鉢に入ったラズベリーです。


ザック「いただきます」

全員 「いただきます」


 わたしはポトフから食べます。具が多いです。ミルクとバターのいい香りがします。

 パンにも合いますね。


アンナ「ザックさん、ミルクポトフ美味しいです」

ザック「ありがとう」


 ミルクポトフは、わたしが教えて料理ではありません。工夫しましたね。


アンナ「ザックさん、宿が大きくなりますね」

ザック「ああ、アンナさんのおかげだ。それとお代官様のおかげでもある」

アンナ「代官?」

ザック「ああ、今この街は宿が不足している。それで、お代官様が建築や職人の手配を

    宿優先で命じている」

アンナ「それはよかったですね」


 代官といえば、悪代官のイメージしかありませんが、この街の代官は有能みたいです。


ザック「少し前までは、満室になったり、行列ができるとか、想像できなかったよ」

アンナ「従業員も増えましたね」

ザック「ああ、その中で一番頼りにしているのが、ソニー君だ」

ソニー「ぼくですか?」

ザック「ああ、君が来てくれて本当に助かっている」

ソニー「ぼくの方が助かっています。何しろ給金が二倍になりましたから」

パティ「私も給金をもらっているから、収入は四倍になったわ」

アンナ「すごいですね」

パティ「住むところはあるし、ミラの面倒はノエルちゃんが見てくれるし、

    本当に助かっているわ」


 二つの家族が協力していれば、宿の運営は安泰ですね。


ザック「そうだ、アンナさん、あとで食材を売ってくれないか」

アンナ「はい。わかりました」


     *


 昼食が終わりました。


ザック「ごちそうさまでした」

全員 「ごちそうさまでした」


ローラ「アンナ、アイスが食べたいわ」

アンナ「またですか。昨日食べましたよね」

ローラ「今日は食べていないわ」

アンナ「・・・わかりました」

ザック「あいす?」


従業員「ザックさん、アキノさんが来られました」

ザック「ここに通してくれ」

従業員「はい」


 わたしは自作した小さなアイスクリームを皆さんに配ります。


アキノ「ザックさん、こんにちは・・・食事中でしたか?」

ザック「いま昼食が終わったところです」

アキノ「アンナさんもご一緒でしたか。

    手に持っているのは、何ですか?」

アンナ「アイスクリームです」


ノエル「これおいしい」

エマ 「本当、美味しい」

パティ「美味しいわね」


アンナ「アキノさんもどうぞ」

アキノ「いただきます・・・うまい」

ザック「うまい・・・アンナさん作り方を教えてくれ」

アキノ「ここで売るんですか?」

アンナ「これは氷魔法で作るお菓子です」

ザック「・・・そうなのか」

アンナ「でも、氷屋さんが近いうちに売り出すと思いますよ。

    わたしがレシピを教えましたから」

アキノ「これ絶対に売れますよ」

ザック「俺もそう思う」


ザック「もうすぐ昼の開店だ。アンナさん食材を頼む」

アンナ「はい」

アキノ「ザックさん、カレーのルウをお願いします」

ザック「そうだった・・・ソニー君出してくれ」

ソニー「はい」


 カレーのルウ?


 わたしはダイニングに食材を出しました。そしておカネを受け取りました。


アンナ「アキノさん、カレーのルウを売っているんですか?」

アキノ「はい。猫耳亭で作って、アキノ商会で売っています。

    アンナさんが考案したカレーは絶品です。

    私は二日に一度、カレーを食べています」


 食べ過ぎです。


アキノ「アンナさん、これからうちの商会に来ませんか?」

アンナ「そうですね・・・行ってみます」


 アキノ商会には、まだ行っていませんでした。興味があります。

 わたしはペットサークルを片付けて、マオをスリングに入れました。


アキノ「ザックさん、これが代金です」

ザック「はい。確かに受け取りました」

アキノ「それでは失礼します」

アンナ「わたしも失礼します」

ザック「ああ、また来てくれ」

アンナ「はい」


 私たちは猫耳亭を出ました。アキノさんはルウが入った木箱を抱えています。

 もうすぐ昼食の開店です。人がたくさん並んでいます。


アンナ「まだ紹介していませんでしたね。妹の陽子です」

陽子 「陽子です。よろしくお願いします」

アンナ「友達のローラです」

ローラ「ローラよ。よろしくね」

アキノ「商人のアキノです。よろしくお願いします」


 私たちは歩いてアキノ商会に向かいます。アキノさんは木箱を抱えながら歩いています。

 途中、道端でゼンセンをしている人を見かけました。

 アキノさんはニコニコしています。


アキノ「あのゼンセン、うちで販売しているものです」

アンナ「そうなんですか」

アキノ「はい。よく売れています」


     *


 私たちはアキノ商会に到着しました。




 ここがアキノ商会・・・想像と違っていました。

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