017 異世界ツアー2日目です。6
ここはピレリー山の標高2500メートル付近です。
冒険者ギルドの依頼で、青い花の採取に来ています。
アンナ「皆さん、急ぐ必要はありません。
転んだり、花を踏んだりしないように、注意してください。」
4人 「はい。」
1分後・・・
秋恵 「あった・・・でも1本だけ。これはスルーね。」
アンナ「そういう感じでお願いします。」
数分後・・・
菜々子「アンナさん、回収おねがい。」
アンナ「はい。」
わたしは花を受け取り、アイテムボックスに入れます。
その後も皆さんから声がかかり、わたしは花を回収していきます。
皆さん仕事が丁寧です。
美波 「ねえ、みんなー。こっちにたくさんあるよー。」(離れたところから)
皆さん、その場所に集まってきます。
菜々子「群生してる。」
令奈 「きれい。」
秋恵 「ここで採取したら、終わりじゃん。」
美波 「私、写真撮ろう。」
数分後・・・
アンナ「皆さん、あと4本です。一人1本ずつお願いします。」
* * *
青い花を20本採取しました。
アンナ「20本集まりました。終了です。お疲れ様でした。」
菜々子「意外に早く終わったね。」
令奈 「うん。でも楽しかった。」
秋恵 「おなかすいたー。」
美波 「私もー。」
アンナ「少し遅くなりましたが、昼食にしましょう。」
4人 「やった。」
* * *
私たちは天幕に戻ってきました。
わたしは、アイテムボックスから食器と食材を出していきます。
ライ麦パン、バゲット、鳥の燻製肉、ソーセージ、うずらの玉子、皮付きジャガイモ、
アスパラガス、パプリカ、丸いプチトマト、白ナスなど。
食材は熱を加えてあります。
そしてテーブルの中央にあるものを出しました。
令奈 「なにこれ?」
菜々子「カセットコンロ?」
アンナ「はい。そうです。」
美波 「デザインがかわいい。」
秋恵 「こんなの、初めて見た。」
* * *
わたしは、大きなパエリア鍋が使えるコンロを探していましたが、なかなか見つかりませんでした。
ようやく見つけたのがこのコンロです。
カセットコンロは、四角形ではなく、円形です。
ガスボンベは下にセットするので、五徳の横に突起物がありません。実用的で安全です。
色は赤、一色です。火鉢の形をしています。実用性を重視する日本製とは思えないデザインです。
一目見て、気に入りました。
魔法のランプがトレードマーク、日本A社のものです。
* * *
令奈 「鍋料理?」
アンナ「いいえ、これです。」
わたしは、チーズが入った鍋を出しました。
4人 「チーズフォンデュ・・・」
アンナ「皆さんどうかしましたか?」
令奈 「これって、カロリーが・・・」
アンナ「今日の登山で相当カロリーを消費しましたよ。
これでもカロリーが足りないくらいです。」
秋恵 「え、そうなの?」
アンナ「はい。問題ありません。」
菜々子「それなら心配いらないね。」
美波 「たくさん食べても平気。」
アンナ「それでは食べましょう・・・いただきます。」
4人 「いただきます。」
ぱくっ。
4人 「美味しい!」
美波 「この玉子、何個でも食べられる。」
令奈 「ちょっと、一人で全部食べないで。」
アンナ「大丈夫です。まだありますから。」
食材は昨晩、宿のキッチンを借りて調理しました。
白ナスに火を通したら、くたくたになってしまいました。食べづらいですね。
わたしは、薄くカットしたバゲットに白ナスをのせます。
小さなおたまでチーズをすくって、その上にかけました。
アンナ「美味しい・・・皆さんこのナス、トロトロですよ。」
秋恵 「うちも、その食べ方やってみよう。」
秋恵 「ナスがトロットロ。こんなナス初めて。」
菜々子「トマトをチーズで食べるとピザの味になる。」
令奈 「ポテトとチーズの相性がいい。」
アンナ「皆さん、この雄大な景色を見ながらのチーズフォンデュ、どうですか?」
4人 「最高!」
美波 「アルプスの少女になった気分。」
4人 「 wwww 」
楽しい食事が続きます。
* * *
昼食が食べ終わりました。
5人 「ごちそうさまでした。」
アンナ「皆さん少し休んで、そのあと山頂を目指します。」
登山はまだ続きます。
青い花はこのあと、練金術師よって秘薬が作られ、
王女の病気が治癒、王様から褒美をもらう・・・
みたいな展開にはなりません。