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167 野球です 1

誤字報告ありがとうございます。


165話  内蔵 > 内臓


修正しました。

 ここは教会の隣、孤児院です。


 ここの子供達は午前中に街の清掃や教会のお手伝いをしています。

 街の清掃は、わたしがギルド経由で報酬を支払っています。

 午後は勉強をしたり、遊んだりしているそうです。


 子供の数は男の子6人、女の子6人、計12人です。

 年齢は、下が5歳、上は10歳です。


 ここの孤児院は、わたしが異世界ツアーを実施する際、検疫の練習に協力してもらいました。

 そのお礼の意味で、教会に寄付をしたり、建物の補修、キララ窓の改装、トイレの設置を行いました。

 それ以外に、食材、古着、文房具などの提供もしています。


 孤児といえば一般的に貧しいイメージですが、ここの子供達は人並みの生活をしています。


     *


 わたしは今日、陽子さんに街を見せて回っています。幼女ローラも一緒です。


アンナ「ローラ、マオを降ろしてください。ペットサークルを出します」

ローラ「わかったわ」


 わたしはペットサークルとひんやりシート、お水を出しました。

 そして、ひんやりシートの上にマオをのせます。涼しくて気持ちいいと思います。

 マオは早速、お水を飲んでいます。


     *


 さて、今日は晴れていますが、雲が多いのであまり気温は上昇していません。

 湿度も日本のように高くないので、スポーツをしても大丈夫です。


 わたしはアイテムボックスからバスケットを出します。

 中に樹脂製のカラーボールが10個入っています。

 このボールは、わたしが天然樹脂から作ったものです。カラフルな着色をしてあります。


アンナ「皆さん、これから手打ち野球を教えます」


 わたしはイラストを見せながら子供達にルールを説明しました。


 手打ち野球とは、1チーム5人以上でプレイする野球です。ピッチャーとキャッチャーは、いません。

 打者は自分でボールを持ち、握りこぶしでボールを打ちます。ほかのルールは普通の野球とほぼ同じです。

 自由にボールが打てるので、三振とホームランはありません。盗塁もありません。

 自分の手で打つので、手打ち野球と言います。バットとグラブが不用なので、気軽に遊ぶことができます。


     *


陽子 「手打ち野球、ルール、記録しました」

ローラ「私も、やりたい」

アンナ「わかりました。陽子さんも参加してください」

陽子 「はい」


 わたしは、男女混合にして適当に7人ずつのチームをつくりました。

 次にダイヤモンドとベースを土魔法で描きました。


アンナ「皆さん、集まってください」


アンナ「陽子さんは内野に、ローラは1塁についてください」

陽子 「はい」

ローラ「わかったわ」


 二人が守備に着きました。


 わたしはバッターボックスで打ち方の見本を見せます。


アンナ「右利きの人は、左手でボールを軽く上げて、右手で打ちます」


 ぽん。


 わたしはボールを打って、1塁に走ります。


 セーフ


アンナ「ボールより早くベースに着けばセーフ、遅れたらアウトです。

    皆さん、二人一組になって、ボールを投げる、取る、打つ、の練習をしましょう」


 わたしはボールを配りました。

 子供達は練習を開始します。


ローラ「陽子ちゃん、一緒にやりましょう」

陽子 「はい」


 その間に攻撃陣のベンチを用意します。

 わたしは天幕に人数分のイスを一列に並べました。

 テーブルの上には、スポーツドリンクと人数分のコップを用意します。


 次はスコアボードです。

 前もって作っておいた長方形の黒板とチョークを用意しました。

 チーム名はキャプテンの名前がいいですね。あとで聞きましょう。


     *


 10分経ちました。


アンナ「チームごとに集まってください」


 二つのチームに分かれました。


アンナ「リーダーを決めてください」


     *


 リーダーが決まりました。

 10歳の男の子ケンと10歳の女子メリーです。


アンナ「皆さんで話し合って、打順と守備位置を決めてください」


     *


 決まりました。


アンナ「ジャンケンで先攻と後攻を決めてください」


 この世界にもジャンケンがあります。


 ジャン・ケン・ポン。


 ケンが勝ちました。


アンナ「先攻、後攻、どちらにしますか?」

ケン 「先攻で」

アンナ「わかりました」


アンナ「ケンチームはベンチに、メリーチームは守備についてください」


アンナ「最初の打者は打席に入ってください」


 ちなみに、ローラはケンチーム、陽子さんはメリーチームです。

 わたしは審判とルールのアドバイザーをします。


 試合は9回だと長いので、今回は5回にしました。

 5回あれば打順が2回以上回ってきます。


     *


 両チーム共、準備が整いました。


アンナ「ケンチーム対メリーチーム、5回行います」


アンナ「プレイボール!」




 試合が始まりました。

筆者は子供のころ、手打ち野球をして遊びました。

子供達の間では「手打ち」と呼ばれていました。


大人になって、昔のことを思い出し、ネットで「手打ち」を検索したところ、

表示されたのは、手打ちうどん、手打ちそばです。ちょっとショックでした。

今まで横浜だけのローカルな遊びだと、ずっと思っていました。

ところが先日、日本だけではなく、世界中に手打ち野球の競技者がいることを知り、驚愕しました。


皆さんは手打ち野球をご存知ですか?

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