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165 ワウラの街です 2

 ここは商業ギルドの前です。


 私たちは冒険者ギルドから歩いて、商業ギルドに到着しました。


アンナ「陽子さん、ここが商業ギルドです」

陽子 「はい」


 ここは来客が多いですね。外まで行列が出来ています。

 いま商業ギルドは拡張工事をしています。業務を停止する訳にはいかないので、大変ですね。


 私たちは中に入りました。


マギー「あ、アンナさん・・・ギルミス、アンナさんが来ました」

ジーナ「応接室に通して」

マギー「はい」


 私たちは応接室に通されました。


マギー「そちらの(かた)は?」

アンナ「妹の陽子です」

陽子 「陽子です。よろしくお願いします」

ジーナ「ギルドミストレスのジーナです」

マギー「サブミストレスのマギーです」

ジーナ「座ってください」


マギー「料理レシピと技術特許の登録をお願いします」


 未登録のレシピ? 技術特許?

 なにを登録したのか、全く覚えていません。


 未登録のものは書類になって用意されていました。

 カレーライス、クリームシチュー、その他・・・


 わたしは書類の目を通してサインしました。


マギー「次は、売ってほしいものがあります。

    コーヒー、ココア、チョコレート、それから・・・

    小麦粉はありますか?」

アンナ「小麦粉ならありますよ」

ジーナ「どれくらいの量がありますか?」

アンナ「・・・売るほどあります。ここに出しますか?」

ジーナ「ちょっと待ってください・・・

    倉庫にお願いします・・・マギー」

マギー「はい・・・倉庫のご案内します」


 わたしと陽子さんは商業ギルドの倉庫に案内されました。


マギー「小麦粉は、ここに出してください」


 わたしは小麦粉を20トン出しました。


マギー「こんなに・・・」

ジーナ「すごい量ね・・・アンナさん、米はあるかしら?」

アンナ「ありますよ」

ジーナ「この半分の量をお願いできますか?」

アンナ「はい」


 わたしは米を10トン出しました」


マギー「それから・・・」


 わたしは、塩、食用油、肉類、香辛料など、売るほど出しました。


 マギーさんは、そろばんで計算をしています。


ジーナ「アンナさんは、食材以外に木材や鉄をお持ちですか?」

アンナ「ありますよ」

マギー「こちらに来てください」


 わたしと陽子さんは資材置き場に案内されました。


マギー「ここにお願いします」


 わたしは、角材、板材、鉄のインゴットを大量に出しました。


マギー「すごい、加工済みの木材・・・」

ジーナ「アンナさん、ありがとうございます」

マギー「ありがとうございます」


ジーナ「マギー、計算は?」

マギー「すみません。資材は重さを量り、相場を調べる必要があります。

    この場では買取価格を計算できません」

ジーナ「アンナさん、代金は後日でよろしいですか?」

アンナ「はい」


 二人は、この街の状況について話してくれました。

 わたしが登録した特許とレシピを目当てに商人が国中から集まっていること。

 送金というシステムがないので、特許とレシピを買うためには、登録されたギルドに出向く必要があること。

 この街に多くの商人がやって来るので、食材や宿が足りないこと。

 この街に移り住む人や、店の新築や改築をする人が増えたので建築資材が足りないことなど。


 ようするにこの街の(あわ)ただしい状況は、わたしが原因ということですね。

 しかし、街の経済が潤い、税収が増えるので、感謝していると言われました。

 しばらくすれば、食材や資材を売りに来る商人も増えるはずなので、やがて落ち着くとのことです。


 正直に言えば、わたしは街の発展に興味はありません。異世界ツアーが円滑に進めばそれで充分です。


陽子 「商業ギルド、ワウラの街の状況、記録しました」

アンナ「それでは次の場所に行きましょう」

陽子 「はい」


 私たちは商業ギルドを後にしました。


     *


 わたしと陽子さんは、お肉屋さんにきました。ニックさんのお店です。

 ここもお店が拡張されています。まだお昼前ですが何人か並んでいます。

 私たちは新しいお店に入りました。

 売っているのは、カツレツバーガー、ホットドッグ、フライドポテトです。

 ファストフードのお店ですね。お肉屋さん直営なので絶対美味しいです。


 ニックさんがいました。


アンナ「ニックさん、こんにちは」

ニック「アンナさん、いらっしゃい」

アンナ「今日はこの子を紹介するために来ました。

    妹の陽子です」

陽子 「陽子です。よろしくお願いします」

ニック「こちらこそ、よろしくお願いします。

    黒目、黒髪、アンナさんに似ていますね」


 わたしに似ていると言われたのは初めてです。


アンナ「お店、大きくしたんですね」

ニック「はい。アンナさんのおかげです。

    少し前まで肉だけ売っていたのが、うそみたいです」

アンナ「ニックさんが努力した結果ですよ」

ニック「加工肉やソースの売り上げも順調です。

    それから、フォンドヴォー、作ってみましたよ」

アンナ「どうでしたか?」

ニック「手間と時間がかかりますが、最高です。

    シチューやソースが格段に美味しくなります。

    食堂や宿屋がよく買ってくれます」

アンナ「それはよかったです」


アンナ「今日はレシピを持ってきました」

ニック「ありがとうございます。」

アンナ「以前に話していた内臓料理のレシピです」


 この街では、動物の内臓を食べる習慣がありません。

 解体場に行けば、内臓はただ同然でもらえます。

 

 わたしはニックさんにレシピを渡しました。


アンナ「それから、これがキョフテのレシピです。

    挽肉を()ねて作る料理です。

    焼く、煮る、揚げるなどの調理法があります」

ニック「ありがとうございます」


 お店の中はいい匂いがしているので、お腹がすきました。

 もうすぐお昼なので、ここでランチを買いましょう。


アンナ「ニックさん、カツレツバーガーとポテトを三つずつください」


 わたしはバスケットを渡しました。


アンナ「これに入れてください」

ニック「はい。お待ちください」


 一人分多いのは、女神ローラの分です。


     *


 少し待つと出来上がりました。


ニック「お待たせしました」


 わたしはバスケットを受け取り、おカネを支払いました。


アンナ「また来ます」

ニック「はい。ありがとうございました」


 私たちはお肉屋さんを後にしました。




 次は公園に向かいます。

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