表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
164/243

164 ワウラの街です 1

 ここは、ワウラの街の入口です。


 わたしは陽子さんと街を訪れました。

 陽子さんは子猫のマオをスリングに入れて、たすき掛けにしています。

 陽子さんは街のことをほとんど知りません。わたしは、街を見せる目的で陽子さんを連れてきました。


 街の入口は、以前と様子が違います。入口付近の空き地に馬車やテントがたくさんあります。

 それから朝の割には、街に入る人の数が多いです。しかし守衛も多いので、それほど待たずに街へ入れそうです。

 わたしは滞在許可証を持っていますが、陽子さんは持っていないので、銀貨1枚で滞在許可証を受け取りました。


 私たちは街に入りました。朝市を目指します。

 やはり以前よりも人が多く、活気があります。道行く馬車も増えました。

 建築中の建物やキララ窓のお店も増えています。


     *


 朝市が開かれている広場に到着しました。

 出店の数が以前より増えています。カラフルな天幕が、モザイクのようできれいです。


アンナ「陽子さんは買い物をしたことがありますか?」

陽子 「いいえ。ありません」


 わたしはおカネが入った巾着袋を渡して、おカネの使い方を説明しました。

 それから商品の説明もします。


アンナ「陽子さん、野菜や果物は季節によって売っているものが違います。

    それから値段がいつも同じとは限りません。相場も覚えてください」

陽子 「はい」


 私たちは朝市を見て回ります。


 ブドウがありました。飛行島のファームでは栽培していない品種です。

 赤紫色で実が楕円形です。鑑定したところ、糖度が高いので美味しいと思います。

 わたしは、そのブドウを1(ふさ)買いました。

 このブドウは皮が薄いので、皮ごと食べられます。早速食べてみます。


アンナ「クリーン」


 ぱくっ。


アンナ「美味しいです」


 このブドウは甘味と酸味のバランスがいいです。


アンナ「陽子さんも食べてください」

陽子 「はい」


 ぱくっ。


陽子 「美味しいです」


アンナ「このブドウ、たくさん買いましょう」


 わたしは陽子さんにバスケットを渡しました。


アンナ「陽子さん、このブドウを10房買ってください」

陽子 「はい」


 陽子さんはブドウを買うことができました。問題ありません。


陽子 「買い物、記録しました。」

 私たちは再び市場を見て回ります。


 しかし買うものがありませんね。ファームで栽培されているものばかりです。


アンナ「次はパン屋さんに行きましょう」

陽子 「はい」


 私たちは、朝市の広場を後にしました。


     *


 パン屋さんに向かう途中、道端で、『前線』という挟み将棋をしている人を見かけました。二組も。

 わたしが商業ギルドに登録したものです。人気があるのでしょうか。


     *


 ルパンさんのパン屋さんに到着しました。

 以前ほどの行列ではありませんが、何人か並んでいます。

 ん?

 隣のお店でもパンを売っています。わたしはそのお店をのぞいてみました。

 売っているのは、菓子パンとケーキです。わたしが教えたパンとケーキです。

 それから、小さなイートインコーナーがあります。

 お店を拡張したのでしょうか。


 私たちはパン屋さんの裏口に向かいました。


アンナ「アンナです。ルパンさん、おはようございます」

ルパン「おはよう、アンナさん・・・そっちの子は?」

アンナ「妹の陽子です」

陽子 「陽子と申します。よろしくお願いします」

ルパン「オレはルパンだ。よろしくな」

陽子 「はい」

ルパン「アンナさん、早速なんだが、いつものコーヒーやチョコレートも

    売ってほしいんだが、それ以外に小麦粉、持ってないかい?」

アンナ「ありますよ」

ルパン「売ってくれ」

アンナ「はい」


 わたしは、小麦粉、コーヒー豆、チョコレートなどを出して、おカネを受け取りました。


アンナ「ところでルパンさん、お店を拡張したんですか?」

ルパン「ああ、隣の店を買い取った。店が拡張できたのは、アンナさんのおかげだ。

    ありがとう」

アンナ「いいえ。ルパンさんが努力した結果ですよ」


 わたしは、ルパンさんにレシピを渡しました。高加水パンやケーキのレシピです。

 それから、夏は冷たい飲み物が売れると思い、アイスカフェオレを提案しました。

 朝のパン工房は忙しいです。わたしは手短かに話を切り上げて、パン屋さんを後にしました。


 次は冒険者ギルドに向かいます。


     *


 私たちは街の中を歩いて、ギルドに到着しました。


アンナ「陽子さん、ここが冒険者ギルドです」

陽子 「はい」


 中に入ると、以前よりも人が多いです。

 まずは掲示板に向かいます。依頼書が多いです。特に多い依頼は、建築関連と飲食店の求人です。


アンナ「ここが依頼書を貼る掲示板です」

陽子 「掲示板、記録しました」

アンナ「次はカウンターに行きましょう」

陽子 「はい。」


 列に並んで待っていると、私たちの順番になりました。


アンナ「登録をお願いします」


 陽子さんの冒険者登録をします。

 陽子さんは、用紙に記入をしておカネを払い、ギルドカードを受け取りました。

 冒険者になるための試験はありません。武器を必要としない仕事がたくさんあるからです。


 私たちは扉を出て、建物の裏に回りました。そこにはギルド別館の売買所があります。

 ギルド本館とは職員専用の通路で(つな)がっています。

 売買所は、解体場や荷(さば)き場、倉庫が併設(へいせつ)されています。


 わたしは、アイテムボックスから大きなイノシシを出しました。

 全長は3m、街に入る前に村の付近で駆除したものです。


アンナ「このイノシシを買い取ってください」

職員 「解体場まで運んでくれ」

アンナ「わかりました」


 わたしはイノシシを収納して解体場に行き、そこでイノシシを出しました。

 買取価格は金貨1枚です。わたしはおカネを受け取りました。


アンナ「冒険者ギルドは、こういうところです」

陽子 「はい。冒険者ギルド、記録しました」


 私たちは冒険者ギルドを後にしました。




 次に向かうのは商業ギルドです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ