016 異世界ツアー2日目です。5
ここはピレリー山です。
私たちは標高2000メートル付近から、登山を開始しました。
麓からの登山ではないので、チートです。
わたしは、最後尾の令奈さんとの距離に注意しながら、ゆっくり歩きます。
持っていた旗は、持ち手を伸ばしてストックの代わりにしています。
アンナ「止まってください。」
アンナ「あそこに大きなヤギがいます。2頭。」
菜々子「本当だ。角が大きい。」
秋恵 「あんな足場の悪いところ、よく歩けるね。」
美波 「すごいね。」
令奈 「双眼鏡だと、よく見える。」
美波 「私も見たい。」
皆さん順番で双眼鏡をのぞき、ヤギを見ます。
* * *
私たちは、再び歩き始めました。今度は複数の高山植物を見つけました。
アンナ「きれいな花が咲いていますよ。」
菜々子「本当だ。」
秋恵 「いっぱい咲いてる。」
令奈 「これ、かわいい花。」
美波 「写真撮ろう。」
* * *
その後も登山は順調に進みます。
さっきアレがいたのは、この辺でした。
いました。ちょっとだけみえました。
アンナ「止まってください。体勢を低くしてください。」(小声)
わたしは、指をさします。
アンナ「あの岩のところに、かわいいのがいます。」(小声)
菜々子「ちょっと見えた。」(双眼鏡)
秋恵 「なに?なにがいるの?」(小声)
アンナ「ピレリーマーモットです。」(小声)
令奈 「出て来た。後ろ足で立ってる。」(小声)
4人 「かわいい。」(小声)
美波 「もう1匹いる。」(小声)
岩の上にもう1匹出て来ました。
秋恵 「菜々子、双眼鏡貸して。」(小声)
美波 「私も。」(小声)
双眼鏡でしばらく観察します。
令奈 「あ、逃げちゃった。」
4人 「あー。」(しょんぼり)
アンナ「しょうがないですよ。生き物ですから。さあ皆さん、進みますよ。」
* * *
こんな感じで登山は続きました。
そろそろ目的地の近くです。
アンナ「この辺で休憩にしましょう。」
わたしは、天幕・椅子・テーブルを出して、トイレを設置します。
アンナ「皆さん、お茶を用意しました。どうぞ。」
菜々子「丁度のどが渇いてた。」
令奈 「あたしも。」
秋恵 「ちょっと疲れた。でも楽しい。」
美波 「お茶が美味しい。」
おしゃべりが続きます。
* * *
アンナ「さて、一息ついたところで、皆さんにこれを探してもらいます。」
わたしはアイテムボックスから、花と小さなシャベルを4個出しました。
アンナ「これです・・・ピレリーブルーポポーといいます。」
菜々子「絵で見るよりきれい。」
秋恵 「アンナさんがその花を持っているわけだから、場所知ってるよね。」
アンナ「そういうツッコミは、無しです。」
美波 「いいじゃん。宝探しみたいで。面白そうだし。」
秋恵 「それもそうね。」
アンナ「特徴は、この五つの青い花びら、茎と葉にある産毛です。
採取の注意点は、絶滅しないように気を配ることです。
採取するときは、なるべく群生しているところから、少しだけ採ってください。」
アンナ「まず花を発見したら丁寧に採取します。
次に、クリーンで根に付いた土を落としてください。
そうしたら、わたしを呼んでください。
わたしのアイテムボックスは時間が止まるので、鮮度を維持できます。」
アンナ「目標は、4人で20本です。」
令奈 「アンナさんは?」
アンナ「わたしは、花の回収に専念します。」
令奈 「わかった。」
アンナ「皆さん、お花探しがんばってください。」
4人 「はい。」
青い花の採取が始まりました。




