146 恐竜ツアー2日目です。6
ここは、大陸の北方です。近くに山と森がある草原です。
ツアーで訪れるのは3回目です。
私たちは上空から草原を見下ろしています。
西川 「マンモスだ。」
中村 「すげえ・・・恐竜じゃなくてもテンションあがるぜ。」
西川 「ですよね。」
吉田 「うん。」
ケナガマンモスです。子供を含めて5頭の群れです。
私たちはMTVの中から撮影を開始しました。
ケナガマンモスは体高が3.5m、全身が茶色の長い体毛で覆われています。盛り上がった頭部と大きな牙が特徴です。
西川 「マンモスと言えば、ケナガマンモスですよね。」
中村 「アニメやゲームに登場するから有名だ。」
西川 「長い体毛と大きな牙がマンモスの魅力ですよね。」
吉田 「うん。」
西川 「近くで見ると大きいですね。」
中村 「実際は、アフリカゾウより少し小さいけどな。」
西川 「そうなんですか。体毛があるから大きく見えているのかな。」
ケナガマンモスは、アジアゾウより大きく、アフリカゾウより小さいそうです。
中村 「数千年前まで地球にもいたんだぜ。」
西川 「なんで絶滅したんですかね?」
中村 「地球環境の影響もあるが、人間の狩猟対象になったのが原因だと俺は考えている。」
西川 「象牙目的の密猟でゾウが減少しているのと同じ理由ですかね。」
中村 「ああ・・・マンモスの場合は、牙以外に肉や毛皮も得られるからな。」
西川 「なるほど。」
中村 「昔は、野生動物を保護する概念がなかったはずだ。」
西川 「そうですね。」
アンナ「記念撮影をしましょう。」
わたしはマンモスと三人の写真を撮ります。
カシャ。
マンモスと現代人、なんかミスマッチな感じです。
アンナ「地上に降りてみましょう。」
私たちはMTVを降りました。
子供のマンモスが母親の周囲を走り回っています。
ごはんをちゃんと食べなさいと怒られている気がします。
吉田さんが子供のマンモスに指をさしました。
吉田 「しゃ、写真・・・」
アンナ「はい。写真を撮りましょう。」
わたしは、マンモスと親子と吉田さんの写真を撮ります。
カシャ。
わたしはカメラの液晶画面を見せました。吉田さんは笑顔です。
西川さんも近くにきました。
西川 「いい写真だね。」
吉田 「うん。」
そう言えば、中村さんが先ほどから無言です。
中村 「アンナ、聞いてもいいか?」
アンナ「はい。なんですか?」
中村 「人の影響で絶滅した地球の動物って、異世界にもいるか?」
アンナ「はい。いますよ。」
中村 「・・・・・・」
中村 「その動物を見たい。」
アンナ「わかりました。」
私たちはMTVに乗り込みました。
アンナ「それでは移動します・・・転移」
* * *
私たちは草原に転移しました。
ここは湖から流れ出る川の下流側です。そこには草原が広がっています。
少し離れたところに、20頭ほどの牛の群れが見えます。茶色の大きな牛です。
アンナ「あれを見てください。」
西川 「牛?」
中村 「オーロックスか?」
アンナ「はい。そうです。」
私たちはMTVの中から撮影を開始しました。
西川 「これが絶滅した牛ですか?」
中村 「そうだ。数百年前に絶滅した。」
西川 「人が原因ですか?」
中村 「そうだ。」
ちなみに、アンナ村と飛行島のファームで飼育している牛はこのオーロックスです。
西川 「角が大きくてかっこいい牛ですね。闘牛みたいです。」
中村 「この牛、どこかで見覚えないか?」
西川 「見るのは初めてだと思います。」
中村 「ラスコー洞窟って、知ってるか?」
西川 「えーっと、学校で習ったような・・・」
中村 「そこの壁画に描かれているのが、このオーロックスだ。」
西川 「あ、思い出しました。あの壁画、この牛にそっくりでした。」
ラスコー洞窟の壁画は、わたしも覚えています。
中村 「アンナ、写真を撮ってくれ。」
アンナ「はい。」
中村さんから、写真を撮ってほしいと言ってきたのは、珍しいです。
わたしは、三人とオーロックスの写真を撮ります。
カシャ。
中村 「次を案内してくれ。」
アンナ「はい。」
アンナ「移動します・・・転移」
* * *
ここは、大陸から離れた無人島の平原です。
私たちはMTVを降りて外に出ました。光学迷彩は、かけません。
西川 「あれ、ドードーですよね。」
中村 「そうだ。」
西川 「変な鳥ですね。」
アンナ「変ではありません。かわいいと言います。」
吉田 「うんうん。」(激しく同意)
西川 「すみません。」
ドードーは体高1m、ずんぐりした、白とグレーの鳥です。
私たち撮影しながらドードーに近づきました。
西川 「逃げませんね。」
中村 「警戒心がないな。絶滅するわけだ。」
吉田 「しゃ、写真・・・」
アンナ「はい。」
わたしはドードーと吉田さんの写真を撮ります。
カシャ。
かわいい写真が撮れました。
中村 「俺らも撮ってくれ。」
アンナ「はい。」
今度は三人で撮ります。
カシャ。
西川 「吉田さん、一緒に撫でてみようよ。」
吉田 「うん。」
なでなで・・・
吉田 「か、かわいい。」
西川 「けっこう、かわいいな。」
吉田さんは笑顔です。
中村 「いいもの見られた・・・次、案内してくれ。」
アンナ「はい。」
私たちはMTVに乗り込みました。
アンナ「移動します・・・転移」
私たちは次の場所に移動しました。