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142 恐竜ツアー2日目です。2

 ここは、熱帯雨林です。


 メガテリウムがいた草原から転移して来ました。

 いま密林の上をゆっくり低空飛行しています。


アンナ「下に大きな生物がいます。わかりますか?」

三人 「?」

吉田 「う、動いた。」

中村 「ティタノボアか。撮影するぞ。」

吉田 「はい。」

西川 「あ、はい。」


 わたしもMTVを動かしながら、撮影します。


 史上最大のヘビ、ティタノボアです。全長は13m、一番太い部分は直径が約1mです。

 全身が濃い緑色です。木や茂みがあるので、一部しか見えません。

西川 「あ、やっとわかりました。あれ、木だと思ってました。」


 動かなければ、苔生(こけむ)した倒木のようです。


中村 「ギリギリまで近づいてくれ。」

アンナ「はい。」


 ティタノボアが向かう先に開けたところがあります。わたしは先回りをしました。

 密林から頭部が見えてきました。


西川 「でかい。」

中村 「すげえ。まるで神話に登場する怪物だな。」


 やがて全身が(あらわ)になりました。


中村 「高度を下げてくれ。」

アンナ「はい。」


 わたしは地面すれすれまで高度を下げました。ティタノボアは正面にいます。

 そして頭部を持ち上げました。こちらを見ています。


 ん? MTVには光学迷彩がかかっています。見えているんでしょうか?


中村 「あいつには、俺たちが見えているぞ。ピット器官だ。」

西川 「赤外線を感知する器官ですね。」

中村 「そうだ。」


 ティタノボアが飛びかかってきました。MTVに巻き付きます。周囲が暗くなりました。


吉田 「きゃあ。」

アンナ「心配いりません。大丈夫です。」


 ティタノボアが大きく口を開けています。

 いくら巨大ヘビでも、MTVごと飲み込むことは出来ません。


アンナ「転移」


 わたしは巻き付かれた巨大蛇の中から抜け出し、上空に転移しました。


中村 「いまのは迫力あったな。」

西川 「映画のワンシーンみたいでした。」

吉田 「うん。」


 わたしは蛇の上空をゆっくり旋回飛行します。私たちの動きを目で追っています。

 やはりこちらが見えています。


アンナ「記念撮影をしましょう。」


 わたしはMTVの高度を下げました。巨大ヘビはカメラ目線です。


 カシャ。


 シュールな写真が撮れました。

 

中村 「貴重な経験ができた。アンナ、次を案内してくれ。」

アンナ「はい。」


     *


 わたしは密林の上空をそのまま飛行しました。次の目的地はすぐ近くです。

 川が見えてきました。巨大な生物が水面を泳いでいます。川の水は()んでいるので全身がよくわかります。


中村 「サルコスクスだ。」


 私たちは撮影を開始しました。


 サルコスクスは史上最大級のワニです。恐竜ではなく爬虫類(はちゅうるい)です。

 全長は12m、全身が少し緑がかったグレーです。


西川 「動物園にいるワニとは比べ物にならない大きさですね。」

中村 「ああ・・・でか過ぎだ。でも泳ぐのがうまいな。」


 サルコスクスは、尻尾を使って上手に泳いでいます。

 巨大ワニが泳ぐ先には陸地があります。

 わたしは陸地に先回りしました。こちらに向かって泳いでいます。


 巨大ワニが上陸します。


西川 「うわー・・・」

中村 「すげえ・・・」

吉田 「・・・・・・」


 まるで怪獣映画の上陸シーンみたいです。

 全高は2mです。私たちは地上から巨大ワニを見上げています。


 ワニを見上げる・・・現代の地球ならあり得ません。


アンナ「記念撮影しましょう。」


 カシャ。


 今回もシュールな写真です。

 そのあと、わたしは巨大ワニの周囲を旋回飛行しました。皆さん撮影しています。


 ん?


 別の大きな生き物がこちらに接近しています。

 先ほどの巨大ヘビです。密林から姿を現しました。


アンナ「先ほどの巨大ヘビが接近中です。」

中村 「マジか。」


 巨大ワニと巨大ヘビ、互いを認識したようです。一触即発の状態です。


ワニ 「シャー・・・」

ヘビ 「シャー・・・」


 互いが威嚇(いかく)し合っています。巨大ヘビは首を高く上げ、巨大ワニは大きく口を開いています。

 双方とも、けんかの相手を間違えていると思いますが、後には引けないようです。


 巨大ワニ対巨大ヘビ、バトル開始です。


西川 「始まった・・・」


 ヘビはワニに接近しようとしますが、ワニが大きく口を開けて牽制(けんせい)します。

 あの大きな口に噛まれたらヘビは一溜まりもありません。


 ヘビはワニの攻撃を避け、下側に回り込みました。そして巻き付きます。ワニは転げ回って暴れますが、ヘビは離れません。そのまま回転して川の中に入りました。大きな水しぶきが上がります。

 ワニは川の中で何度も横に回転します。それでもヘビを引き()がすことが出来ません。

 川底の泥が舞い上がり、川の水が(にご)ってきました。ワニとヘビは見えません。

 静かになりました。


中村 「どうなった?」


 濁った水面から、ヘビの頭が見えました。動いています。泳ぎ始めました。

 少し離れたところで、ワニも水面に現れました。双方とも無事のようです。互いに逆方向へ泳いで離れていきます。


西川 「引き分け・・・」

中村 「すげえよ。巨大ワニ対巨大ヘビ。CGやゲームじゃない、ガチのバトル。」

西川 「すごい映像が撮れました。これ、実写ですよ。やばいです。」


 男性二人は大興奮です。この状況で興奮するなと言っても無理ですね。


中村 「恐竜以外の古代生物もいいな。」

西川 「はい。最高です。」

吉田 「うん。」


中村 「興奮しすぎて、(のど)(かわ)いた。」


 中村さんはアイテムボックスから飲み物を出して、飲み始めました。

 西川さんも飲み物を出しました。


西川 「吉田さんも一休みしようよ。」

吉田 「うん。」


 一息(ひといき)入れましょう。

 私たちはMTVの中で休憩です。わたしも冷たいお茶を飲みます。


     *


中村 「面白かったな。」

西川 「はい。」

吉田 「うん。」


中村 「アンナ、次を案内してくれ。」

アンナ「はい。」


アンナ「それでは移動します・・・転移」




 私たちは次の場所に転移しました。

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