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141 恐竜ツアー2日目です。1

 ここは飛行島のコテージです。


 朝になりました。恐竜ツアー2日目です。


 わたしは今、リビングで子猫のマオを()でています。

 女性のツアー客、吉田さんが起きてきました。


アンナ「吉田さん、おはようございます。」

吉田 「お、おはよう・・・」

アンナ「三人(そろ)ったら、朝食にしましょう。」

吉田 「うん。」


 吉田さんがマオをじっと見ています。


吉田 「かわいい。」

アンナ「触ってもいいですよ。」

吉田 「うん。」


 なでなで・・・


     *


 どどどどど・・・・・

 足音がします。


中村 「アンナ、恐竜ツアーに行くぞ。」

アンナ「おはようございます。朝食のあとに(・・・)、ですね。」

中村 「・・・ああ・・・腹減ったな。」

西川 「おはようございます。」

アンナ「おはようございます。テラスで朝食にしましょう。」


 わたしは三人をテラスに案内します。

 三人が着席したので、アイテムボックスから料理を出しました。


 朝食はペルー料理です。

 パンコンチチャロン、チチャモラーダ、フライドポテトの三品です。

 

     *


パンコンチチャロン

 豚バラ肉、カモテの素揚げ、サルサクリオージャ、チーズを挟んだバーガースタイルのサンドイッチです。ペルーでは朝食の定番です。

 豚肉の調理法が詳しく記載されていなかったので豚肉の唐揚げで代用しました。カモテは甘みのある芋類です。今回はサツマイモで代用しました。サルサクリオージャは玉ねぎのマリネです。

 具材にアヒソースをかけると記載がありましたが、こちらも食材が足りないので、オリジナルの甘辛いソースで代用しました。


チチャモラーダ

 紫トウモロコシと果物で作るジュースです。見た目はグレープジュースのようです。見た目と味にギャップがあります。今回、果物はパイナップルを使用しました。アルコールは入っていません。


フライドポテト

 ジャガイモではなく、サツマイモをスティック状にカットしたものです。

 ペルー料理ではありません。付け合わせです。


     *


アンナ「いただきます。」

三人 「いただきます。」


 ぱくぱく・・・


中村 「うめえ。」

西川 「こんなバーガー初めてです。」

吉田 「美味しい。」


 わたしは料理の説明をしました。


中村 「なんだこのジュース、想像と違う味だ。」

西川 「変わった味ですね。でも美味しいです。」


 男性二人は、すごい勢いで食べています。1個では足りないみたいですね。


アンナ「おかわり、ありますよ。」

中村 「もう1個くれ。」

西川 「僕も。」

アンナ「はい。」


     *


 食事が終わりました。


アンナ「ごちそうさまでした。」

三人 「ごちそうさまでした。」


中村 「よし、恐竜ツアーに行くぞ。」

アンナ「わかりました。テラスから外に出ます。靴に履き替えてください。」

中村 「アンナ、これを返す。サンキュー。」


 わたしは昨日貸したカメラのメモリーを受け取ります。

 そしてキッチンにいる陽子さんに声をかけました。


アンナ「陽子さん、ツアーに行ってきます。」

陽子 「いってらっしゃいませ。」


 わたしも靴に履き替えて、テラスから外に出ました。

 そしてアイテムボックスから、MTV(多用途で透明な乗り物)を出します。


アンナ「出発前に確認しますが、恐竜以外の古生物でもいいんですよね?」

中村 「ああ、いいぜ。恐竜以外でも面白い古生物は、たくさんいるからな。」

アンナ「わかりました。それではMTVに乗ってください。」


 私たちはMTVの開放された側面から、中に入りました。


アンナ「出発します・・・転移」


*    *    *


 草原に転移しました。低木の林が点在しています。

 いま低空で停止しています。


アンナ「あれを見てください。」

中村 「あれは・・・メガテリウムか。撮影するぞ。」

西川 「はい。」

吉田 「はい。」


 わたしは光学迷彩のMTVをメガテリウムに近づけました。


 全長は8m、全身がうす茶色の体毛です。大きなかぎ爪と太い尻尾が特徴の哺乳類です。

 いま後ろ足で立ち上がり、木の実を食べています。


中村 「すげえ。」

西川 「でかいですね・・・確かナマケモノの仲間ですよね。」

中村 「そうだ。だがあの巨体じゃ木登りは無理だな。」

西川 「そうですね。」

中村 「こんなすげえ生き物が1万年前まで地球にいたんだぞ。日本は縄文時代だ。」

吉田 「すごい。」

中村 「地上から見たい。降ろしてくれ。」

アンナ「はい。」


 わたしはMTVの迷彩を解除して着陸させ、側面を開放します。私たちはMTVを降りました。

 三人には光学迷彩をかけます。私たちは地上から撮影を開始しました。


西川 「下から見上げると大きいですね。」

中村 「ああ、恐竜じゃないが、こういうのは大歓迎だ。」

西川 「まるで巨大な熊ですね。」

中村 「ああ、可愛いナマケモノとは別物だな。」


 ん? 吉田さんが周囲をキョロキョロしています。

 吉田さんはわたしのところに来ました。メガテリウムを指差ししています。


吉田 「い、一緒に・・・しゃ、写真・・・」

アンナ「記念写真ですね。一瞬だけ迷彩を解除して撮影します。アレに近づいてください。」

吉田 「うん。」


 吉田さんはメガテリウムに近づきました。


アンナ「撮ります。」(小声)


アンナ「解除」(小声)


 カシャ。


アンナ「迷彩・・・OKです。撮れました。」(小声)


 吉田さんがわたしのところに戻って来ました。

 わたしは液晶画面を見せました。吉田さんは笑顔です。


アンナ「あとで写真データを差し上げます。」

吉田 「うん。」


 中村さんと西川さんがわたしのところに来ました。


中村 「吉田、写真撮ったのか。」

吉田 「うん。」

西川 「会長、僕らも撮りましょうよ。」

中村 「・・・・・そうだな。撮るか。」


 三人がメガテリウムの前に立ちました。記念撮影をします。

 ん? 吉田さんが真ん中です。どこかのボーカルユニットみたいです。


アンナ「撮ります。」(小声)


アンナ「迷彩解除」(小声)


 カシャ。


アンナ「撮影・・・OKです。」(小声)


 やはり記念撮影は、異世界ツアーらしいですね。


中村 「アンナ、次を案内してくれ。」

アンナ「はい。それではMTVに乗ってください。」


 私たちはMTVに乗りました。


アンナ「移動します・・・転移」




 私たちは次の場所に転移しました。

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