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138 恐竜ツアー初日です。6

 ここは、海岸沿いの上空です。


 私たちは草原からMTV(多用途で透明な乗り物)に乗ったまま、ここに転移して来ました。

 

 いま一瞬、暗くなりました。


三人 「?」


 大きな影が私たちの頭上をを追い越して行きました。

 わたしは追跡します。MTVは光学迷彩のままです。


中村 「プテラか、すげえ。近づけろ、撮影するぞ。」


 私たちの前方を、翼竜プテラノドンが飛行しています。

 わたしは翼竜に接近します。MTVは光学迷彩のままなので気付かれていません。


 プテラノドンは、翼を広げると横幅が8mの大きさです。

 全身が青みがかった薄いグレーです。(くちばし)は黄色で、トサカはオレンジ色です。

 誰もが知る、大人気の翼竜です。


 三人はスマホで撮影をしています。


中村 「CGじゃない、本物のプテラだ。」

西川 「かっこいい。」

吉田 「うんうん。」


 わたしは、翼竜の周囲を移動しながら飛行します。


 翼竜は時々羽ばたきながら、滑空しています。

 そして少しずつ高度を下げています。


 翼竜が海に面した平らな(がけ)の上に着地しました。

 わたしは周囲を旋回飛行します。


 翼竜は、翼をたたみ、四肢で立っています。


中村 「このポーズも、かっこいいな。」

西川 「はい。かっこいいです。」

吉田 「うん。」


 翼竜は四肢を使い、崖の上を歩いています。


西川 「ああやって歩くのか。」

中村 「CGで見たとおりだ。」


 翼竜は崖の(ふち)まで来ると立ち止まり、海を見ています。

 そして飛び立ちました。


中村 「追え。」

アンナ「はい。」


 わたしはMTVで追跡します。


 翼竜は高度を下げて、海面の上を滑空しています。

 そして頭を下げました。


中村 「魚を獲る気だ。」


 わたしは斜め前に回り込みます。


 バシャ。


 翼竜が魚を獲りました。そして魚を(くわ)えたまま上昇します。

 先ほどの崖に着地しました。そして首を上げて魚を丸呑みにします。


中村 「プテラは鳥の祖先ではないが、生態は鳥みたいだな。」

西川 「本当ですね。」

吉田 「うん。」


中村 「いい映像が撮れた。」

西川 「はい。CGでもワクワクするするのに、実写ですからね。」

吉田 「うん。」


 プテラノドンがまた飛び立ちました。

 今度は上昇気流を使って高く舞い上がります。

 わたしはMTVで追いかけました。


中村 「アンナ、この乗り物は水の中を潜れるか?」

アンナ「はい。潜水も可能です。」

中村 「そうか。ならプテラはもういい。」


 わたしは空中に停止しました。プテラノドンが遠ざかります。


中村 「次は海の中が見たい。」

アンナ「わかりました。」


 わたしは千里眼を使って、海の中を探索しました。


 いました。いいですね。これにしましょう。


アンナ「それでは移動します・・・転移」



*    *    *



 私たちは北西の海に転移しました。

 ここは入り江の上空です。


 わたしは飛行しながら、高度を下げて着水しました。

 そのまま海上を航行して、潜航します。

 海水は透き通っています。頭上では海面が陽光でキラキラしています。


中村 「おお・・・」

西川 「海の中もいいですね。」

吉田 「きれい。」(小声)


 わたしは水棲生物に近づきます。ソレは海流に沿って海面近くを泳いでいます。

 魚の群れを追いかけているようです。

 もうすぐ見えてきます。


 見えました。MTVは光学迷彩のままです。


中村 「あれは・・・首長竜か?」

西川 「大きいですね。」

中村 「エラスモサウルスだ。撮影開始するぞ。」

西川 「はい。」

吉田 「はい。」



 首長竜エラスモサウルスです。

 全長10m、首がとても長く、全長の半分以上あります。

 以前に見た首長竜プレシオサウルスは全長2.5mなので4倍の大きさです。

 色は腹部が白色、首と背中は紺色で(まだら)模様があります。

 まるで青魚のような色合いです。


中村 「首が長い、かっこいいな。」

西川 「はい。かっこいいです。」

吉田 「うんうん。」

西川 「背中が濃い色で、腹部が白いカウンターシェーディングになってます。」

中村 「魚と同様の迷彩色だな。」

西川 「はい。」


     *


西川 「首をまっすぐにして泳いでますね。」

中村 「ああ、水の抵抗を減らすためだろ。」

西川 「なるほど・・・あ、魚の群れです。」

中村 「あれを食べる気だな。」

西川 「突っ込みます。」


 首長竜は、魚の群れに突っ込みました。


中村 「豪快だな。」

西川 「はい・・・でも小回りがききませんね。」

中村 「ああ、魚類のような動きは無理だな。

    勢いをつけて、突っ込むしかないだろうな。」


 首長竜は何度も魚の群れに突っ込み、魚を捕食します。


中村 「いい映像が撮れた。」

西川 「はい・・・でも海の中だと比較対象物がないので、

    映像を見る人に大きさが伝わりませんね。」

アンナ「一緒に写真を撮りましょう。」

中村 「・・・そうだな。そうするか。」

西川 「はい。」


 わたしは、首長竜と一緒に三人の写真を獲りました。


 カシャ。


 首長竜エラスモサウルスは遠ざかっていきました。


中村 「アンナ、写真見せてくれ。」

アンナ「はい。」


 わたしはカメラの液晶画面を見せました。


中村 「記念写真か・・・悪くないな。」

西川 「いいですね。また撮りましょう。」

中村 「そうだな。」

吉田 「うん。」


アンナ「そろそろ飛行島のコテージに帰ります。」

中村 「早いだろ。まだ明るいぞ。」

アンナ「この場所は時差があります。スマホの時計を見てください。」

西川 「19時です。」

中村 「もう、そんな時間か・・・そういえば腹へったな・・・帰るか。」

西川 「はい。」

吉田 「うん。」


 わたしはMTVを浮上させ、離水しました。




アンナ「飛行島に帰還します・・・転移」

読者が少しずつ増えています。

タイトルを変えたせいでしょうか?

Aポリスから来てくださった人でしょうか?

皆さん、ありがとうございます。

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