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137 恐竜ツアー初日です。5

 ここは、湖と草原です。


 ディロフォサウルスを見学した森から転移してきました。

 もちろん恐竜が目的ですが、景色もきれいです。


中村 「パラサウロロフスか。」

西川 「トサカがかっこいいですよね。」

吉田 「うん。」

中村 「向こうにいるのは、ブラキオサウルスだ。すげえ・・・

    まずはパラサから撮影するぞ。」

西川 「はい。」

吉田 「はい。」


 私たちは光学迷彩で姿を消して、パラサウロロフスを撮影します。

 2頭のパラサウロロフスは水辺で水を飲んでいます。別の2頭は草原の草を食べています。

 合計4頭います。


 全長は、8m から10m です。全身が、くすんだ薄い緑色で、背中にグレーの縞模様があります。

 特徴的な大きなトサカは黄色です。


恐竜 「ブォー・・・」


 草を食べているパラサウロロフスが鳴きました。低い管楽器のような音です。


恐竜 「ボォー・・・」


 水辺にいるパラサウロロフスも鳴きました。少し音が違います。個体差があるようです。


 私たちの気配に感づいて、注意しろと言っている気がします。

 すみません。敵意はありません。撮影と見学です。


 水辺にいた2頭は水を飲みおわり、草原に向かいます。そして草を食べ始めました。

 移動は二足歩行です。前(かが)みのときは四肢で体を支えています。


中村 「吉田、もっと近くで見るぞ。」(小声)

吉田 「はい。」(小声)


 わたしはドローンのように飛翔しながら撮影しています。


     *


恐竜 「ブォー・・・」


 4頭のパラサウロロフスは歩いて、私たちから離れていきました。


 三人が集まったので、わたしも合流します。


中村 「充分撮影できたな。」

西川 「はい。鳴き声が録音できました。すごいです。」

吉田 「うんうん。」

中村 「ああ、鳴き声については諸説あったからな。」

西川 「それに二足歩行も確認できました。」


中村 「よし。ブラキの方に行くぞ。」

西川 「はい。」

吉田 「はい。」


 私たちは、ブラキオサウルスの方に向かいました。


     *


 ブラキオサウルスの近くに来ました。2頭います。


中村 「でけえ。」

西川 「すごいですね。」


 全長は25m と22m です。全身が薄いグレーです。首が長い草食恐竜です。

 前肢が後肢よりも長く、頭の上部が盛り上がっているのが特徴です。


中村 「撮影開始するぞ。」

西川 「はい。」

吉田 「はい。」

中村 「アンナ、頭部の撮影を(たの)む。」

アンナ「はい。わかりました。」


 私たちは光学迷彩で撮影を開始しました。


 いま2頭のブラキオサウルスは、木の葉をむしって食べています。

 わたしは中村さんの指示で頭部を撮影しています。

 体の大きさと比べて、頭部がとても小さく感じます。近くで見ると面白い顔をしていますね。


     *


中村 「吉田、もっと近くに行くぞ。」

吉田 「はい。」


中村 「すげえ、アンペロサウルスとは比較にならない大きさだな。」

西川 「人気(にんき)がある恐竜を間近に見られて最高です。」

中村 「やっぱりいいな、ブラキ。」

吉田 「うん。」

西川 「顔の近くで見たいですね。」

中村 「そうだよな・・・アンナ、頼めるか?」

アンナ「はい。」


 わたしは撮影を中断して地上に降ります。


アンナ「顔を近くで見たいわけですよね。」

中村 「そうだ。」

アンナ「わかりました。」


 全員の光学迷彩を一旦解除しました。


 わたしはアイテムボックスから乗り物を出します。以前ツアーで使用した結界製の乗り物です。

 ボート、潜水艇、飛行機のように使えます。エンジン等はなく、魔法で動きます。少し改良しました。

 そして乗り物には、名前をつけることにしました。

 多用途(Multipurpose)で透明(Transparent)な乗り物(Vehicle)

 略して、MTVです。


アンナ「皆さん、乗ってください。」

西川 「乗り物? すごい。」

中村 「いいなこれ。」


 皆さんシートに座ったので、ゆっくり飛翔します。

 恐竜を驚かせないように、光学迷彩にしました。


中村 「おお・・・」

西川 「これ、いいですね。」

吉田 「うん。」


 ブラキオサウルスの顔の近くに来ました。相変わらず木の葉を食べています。


西川 「すごい。」(小声)

中村 「近くで見ても、顔小さいな。」(小声)

吉田 「うん。」(小声)


中村 「そう言えば、ブラキが首を垂直にしたところまだ見てないな。」

西川 「はい。これ以上、首は高く上げないんですかね。」

中村 「首を垂直にしないという説は正しいのかもな。」

西川 「首を垂直にした方が楽だと思うんですけどね。」

中村 「頭部の血圧が関係しているのかもしれないな。」

西川 「血圧?」

中村 「頭部を高くすれば、頭部へ血液を送る負担が増える。

    血流が低下すれば、意識を失う可能性がある・・・

    あくまで推測だがな。」

西川 「なるほど。」


 わたしは素人なので恐竜の議論には参加しません。

 ですが面白い推察ですね。勉強になります。


     *


西川 「それにしても、眺めがいいですね。」

中村 「これはブラキが見ている景色だ・・・やっぱり恐竜は、すげえよ。」

吉田 「うん。」


中村 「アンナ、次を案内してくれ。」

アンナ「はい。」




 私たちは次の場所に転移しました。

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