134 恐竜ツアー初日です。2
ここは飛行島のコテージです。
早めの昼食が終わりました。トイレも済ませました。
アンナ「陽子さん、出掛けてきます。」
陽子 「いってらっしゃいませ。」
私たちはコテージから出ました。
アンナ「転移魔法で移動します。いいですか・・・いきますよ。」
アンナ「転移」
* * *
草原に転移しました。
中村 「おお、景色が変わった。」
西川 「あれは・・・」
中村 「イグアノドンか、すげえ。撮影するぞ、さっきと同じ要領だ。」
西川 「わかりました。」
4頭のイグアノドンがいます。草食の恐竜です。全長は7mから9mです。
色はくすんだ薄い緑色です。草を食べています。
私たちは撮影を開始しました。
西川さんは恐竜の近くで、中村さんと吉田さんは少し離れて動画を撮影しています。
わたしも一眼レフカメラで撮影します。
恐竜同好会のメンバーは恐竜に詳しいので、ガイドも不要です。楽で助かります。
*
中村 「俺も近くで見たい・・・吉田、お前も来い。」
吉田 「はい。」(小声)
中村さんと吉田さんも恐竜の近くに行きました。わたしも近づきます。
中村 「近くで見るとすげえな。本物の恐竜だ。
どうだ吉田、イグアノドンを間近で見る感想は?」
吉田 「す、すごいです。」(小声)
中村 「そうだろう。」
西川 「僕、イグアノドンの実物を見てイメージが変わりました。
前は地味なイメージでしたが、それは間違っていました。
イグアノドンは最高です。」
中村 「そうだ。恐竜に、地味も派手もない。全ての恐竜は最高だ。」
西川 「はい・・・イグアノドン、ずっと見てられますね。」
中村 「そうだな・・・いやいや、それはだめだ。他の恐竜も見たいからな。」
西川 「そうですね。」
恐竜 「ウォー・・・」
カシャ。
西川 「後ろ足で立った。」
中村 「・・・しまった。撮れなかった。」
アンナ「わたしが撮りました。」
中村 「本当か、でかした。」
アンナ「向こうから恐竜が来ます。」
西川 「イグアノドンですね。」
中村 「群れの合流か。」
西川 「そう言えば、一時期イグアノドン二足歩行説がありましたよね。」
中村 「あったな・・・だが四足歩行確定だ。」
西川 「そうですね。」
中村 「名残惜しいが、次を案内してくれ。」
アンナ「わかりました。」
わたしは、次の目的地を千里眼で確認します。
アンナ「魔法で移動します。いいですか・・・いきますよ。」
アンナ「転移」
* * *
別の草原に転移しました。林も点在しています。
中村 「あれは・・・アンペロサウルスか・・・撮影開始だ。」
西川 「はい。」
吉田 「はい。」
私たちは恐竜の撮影を開始しました。
アンペロサウルスは2頭います。全長は14m と16m です。
首が長い草食の恐竜です。肩や背中にかけてたくさんの突起があります。
全身がうす茶色で、突起物のところはグレーです。
いま首を伸ばして木の葉を食べています。
中村 「でかいから全身をフレームに入れるのが大変だな。」
*
中村 「吉田、アンペロに近くに行くぞ。」
吉田 「はい。」
中村さんと吉田さんは恐竜の近くに行きました。わたしも近づきます。
中村 「近くで見ると迫力あるなー。」
西川 「はい。迫力あります。」
中村 「さっきのイグアノドンもそうだったが、尻尾はほとんど水平にしているな。」
西川 「はい。最新の研究どおり、尻尾水平説は正しいですね。」
*
中村 「アンペロの頭部あたりを撮影してえなー。」
西川 「ドローンがほしいですね。」
中村 「ああ。」
アンナ「わたしが撮影してきます。」
わたしは魔法で飛翔します。
中村 「魔法か、すげえ。」
そして恐竜を驚かせないように光学迷彩で姿を消しました。
西川 「消えた。」
わたしはドローンのように、様々な角度から恐竜の頭部を撮影します。
1分くらい撮影しました。地上に降りて、迷彩を解除します。
中村 「撮影できたのか?」
アンナ「はい。」
中村 「見せてくれ。」
アンナ「わかりました。」
わたしは映像を皆さんに見せました。
中村 「よく撮れてる。」
西川 「葉を食べるのが早いですね。」
中村 「あれだけの巨体を維持するにはたくさん食べる必要がある。
よく噛んで食べる余裕がないのかもしれないな。」
西川 「なるほど。そうかもしれませんね。」
中村 「俺も近くで見たい。アンナ、できるか?」
アンナ「はい。わたしの手を握ってください。」
わたしは中村さんと飛翔して、姿を消しました。そして恐竜の頭部に近づきます。
中村 『すげー。』(無言)
私たちは1分くらい見たあと、地上に降りて迷彩を解除しました。
中村 「すごかったぞ。吉田、お前も見て来い。」
吉田 「はい。」
西川 「僕も。」
アンナ「わかりました。」
わたしは、さっきと同様に吉田さんと西川さんに恐竜の頭部を見せました。
1分くらい見て、地上に降りました。
中村 「吉田、どうだった。」
吉田 「楽しかったです。」
西川 「いい経験になりました。」
中村 「そうだろう。近くに行けば、恐竜の息遣いが聞こえるんだぜ。すげえよ。」
皆さんに喜んでもらえて、よかったです。
中村 「すげえ楽しかった。次、案内してくれ。」
アンナ「わかりました。」
アンナ「それでは魔法で移動します・・・いきますよ。」
アンナ「転移」
私たちは次の場所に転移しました。