133 恐竜ツアー初日です。1
恐竜ツアー編の始まりです。
ここは、恐竜が生息している平原です。
中村 「ちょ、ちょっと待ってくれー。頼む。カネは払う。だから・・・」
アンナ「どうやって支払いをするつもりですか?」
中村 「おまえら、カネあるか?」
西川 「いいえ。」
吉田 「な、ないです。」(小声)
アンナ「帰国していただきます。」
中村 「ま、待ってくれ。払うから・・・
コンビニのATMでカネをおろすから・・・」
アンナ「・・・・・・わかりました。それでは一旦中村さんだけ、
さっきの公園に送りますのでお金を用意してください。」
中村 「わかった。」
アンナ「それでは、日本の公園に転移させます。いいですか・・・転移」
わたしは中村さんを日本の公園に転移させました。
コンビニに向かうようです。
わたしは中村さんの様子を千里眼で見ています。
*
中村さんは、コンビニのATMでお金をおろし、公園に戻ってきました。
中村さんを再び召喚します。
アンナ「召喚」
中村 「よかった、戻れた・・・これが代金だ。」
わたしはお金を受け取ります。
アンナ「はい。確かに15万円いただきました。ありがとうございます。」
中村 「ここ、本当に異世界なんだよな?」
アンナ「はい。そうです。」
中村 「ティラノ以外にも、恐竜いるんだよな?」
アンナ「はい。いますよ。」
中村 「そうか。」(笑顔)
西川 「オッサンじゃなかったですね。」(小声)
中村 「バカ、余計なこと言うな。」(小声)
アンナ「なんですか?」
中村 「な、なんでもない。」
*
今回のツアーは、恐竜及び古代生物が見たいという希望によるものです。
絶景などは興味がないそうですが、恐竜が生息している場所は自然豊かなところなので、
景色もそれなりに楽しめます。
特化型の異世界ツアーは初めてです。こういうツアーもいいですね。
*
アンナ「まずは、宿泊するコテージに向かいます。」
わたしは周囲の結界を解除しました。
アンナ「魔法で移動します。いいですか、いきますよ・・・転移。」
* * *
飛行島のコテージ前に転移しました。
中村 「おお。」
アンナ「ここは飛行島です。空に浮かぶ島です。」
西川 「すごい。」
アンナ「この建物が宿泊するコテージです。自宅も兼ねています。中に入りましょう。」
私たちはコテージに入りました。
陽子 「いらっしゃいませ。」
アンナ「わたしの妹です。」
中村 「どうも。」
西川 「お世話になります。」
吉田 「・・・・・」(会釈)
アンナ「ルームシューズを使ってください。」
わたしはコテージ内を一通り案内しました。
今回は、中村さんと西川さんがツインルーム、
女性の吉田さんはシングルルームを利用します。
アンナ「ここがリビングで、あちらがダイニングです。」
吉田 「猫。」(小声)
アンナ「マオです。触ってもいいですよ。」
なでなで・・・
吉田 「かわいい。」(小声)
中村 「説明はもういいから、早く恐竜が見たい。」
アンナ「わかりました。最後に魔道具の説明をします。」
ソファーに座り、腕輪型魔道具を配って説明をしました。
クリーン魔法、鑑定魔法、アイテムボックスなど。
アンナ「アイテムボックスの中には、ルームウェア、飲み物、軽食、
双眼鏡などが入っています。」
中村さんは双眼鏡を取り出しました。
中村 「おお。いいな、アイテムボックス。」
西川 「サンドイッチが入ってる。これ食べていいんですか?」
アンナ「いいですよ。」
西川さんはサンドイッチを食べ始めます。
中村 「腹減ったな。俺も食うか。」
アンナ「少し早いですが、昼食にしましょうか。」
わたしは三人をダイニングに案内しました。
そしてテーブルに料理を並べます。
アンナ「飲み物はアイテムボックスから出して出してください。」
*
昼食はタイ料理です。
ガパオライス
材料は、鳥挽肉、玉ねぎ、パプリカ、バジルなどです。
それらをナンプラー、オイスターソース等で炒めます。
器にごはんと一緒に盛り付けて目玉焼きをのせます。
トムヤムクン
エビの頭を乾煎りして、ブイヨン・レモングラス・ショウガなどを加えて煮込みます。
赤玉ねぎ・トマト・フクロタケを入れて、チリインオイル・ナンプラー・ライム果汁・ココナッツミルク・調味料等を加えます。
最後にエビを入れて、火が通れば完成です。
今回、辛さと酸味を控えめにしました。
*
アンナ「いただきます。」
三人 「いただきます。」
わたしはガパオライスとトムヤムクンの説明を簡単にしました。
中村 「うめえ。」
西川 「うまい。」
男性二人はものすごい勢いで食べています。
今回作ったガパオは、あまり辛くしていません。トムヤムクンもマイルドな味にしてあります。
日本人向けの味付けなので食べやすいと思います。
今回使ったナンプラーやオイスターソースなどは、わたしと陽子さんが作ったものです。
*
食事が終わりました。
アンナ「ごちそうさまでした。」
三人 「ごちそうさまでした。」
中村 「よし、恐竜ツアーに出発だ。」
アンナ「はい。」