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128 再び昭和です。1

 ここは飛行島のコテージです。リビングにいます。


 わたしは朝食のあと、大きなビーズクッションをソファーにしてスマホを見ています。

 マオは(ひざ)の上にいます。陽子さんは、キッチンで料理を作っています。


 昨日の食事はすべて和食でした。陽子さんが握ったお寿司、美味しかったです。


 わたしは日本がちょっと懐かしくなり、和風関連のサイトを見ています。


 正方形の小さな畳を見つけました。琉球畳です。

 いいですね。買いましょう。

 わたしは、琉球畳を9枚買いました。四畳半です。


 他に直径60cm のちゃぶ台と座布団を2枚買いました。


 メモ書きと代金を転移させます。


 わたしは、お取り寄せしたものをアイテムボックスに収納しました。

 マオをだっこして自分の部屋に向かいます。


 わたしの部屋は、客室のツインルームとほぼ同じ作りです。200平米、約120畳あります。

 最低限の家具しかないので、広いだけの部屋です。


 わたしはマオを降ろして、お取り寄せしたものを出しました。箱から出して、床に設置します。


 悪くないです。和洋折衷な部屋になりました。


 わたしは空き箱などを片付けて、座布団に座りました。いいですね。


 再びスマホを出して、今度は昭和関連のサイトを見ることにします。


 何でしょう、これ? 水飲み鳥? 昭和の時代に流行ったそうです。

 見た目もレトロで、昭和っぽいです。


 動画を見てみました。

 鳥が水を飲んで、前後にゆらゆら動きます。電池は使っていないようです。動く仕組みが全くわかりません。 これ、買いましょう。


 お取り寄せしました。色は赤です。

 わたしは、メモ書きと代金を転移させました。


 箱を開けます。パーツは二つです。ガラス製の本体とプラスチック製の脚をつなぐだけです。

 見た目は首の長いダチョウみたいな鳥です。シルクハットをかぶっています。

 胴体には赤い液体が入っていて、胴体と頭は細いガラス管でつながっています。 


 水を入れるコップが必要です。

 せっかくなので、レトロなデザインのコップがいいですね。わたしはネットでコップを探しました。

 いいのがありました。昭和の時代に流行った花柄のレトロなコップです。これにします。


 わたしはコップを召喚して、メモと代金を転移させました。


 魔法でコップに水を入れて、鳥の前に置きます。

 説明書を見ると、胴体と頭部の温度がある方がよく動くと書かれてきます。

 魔法で水を冷やします。


 わたしは、頭部のフェルト部分を水で濡らして、手を放しました。頭部が前後に動きます。

 よく見ると、赤い液体がガラス管を上に昇っていきます。

 少しすると動きがゆっくりになり、頭部が前に倒れ、鳥が水を飲みました。

 再び大きく前後に動きます。本当に電池なしで動いています。

 これ、ずっと見てられますね。この仕組みを考えた人は天才です。


     *

 

水飲み鳥の説明

 頭部の水が蒸発する際、気化熱の影響で頭部の温度が下がり、頭部内の気圧が低下します。

 するとガラス管の中を液体が上昇して、重心が高くなり、頭部は前に倒れます。

 それと同時にガラス管の液体が胴体に戻って、再び前後に動き出します。それの繰り返しです。

 水が供給される限り、半永久的に動き続けるそうです。

 

 この玩具は昭和の時代、海外にも大量に輸出されたそうです。

 水飲み鳥を入手した物理学者のアインシュタインは、作動原理がわからず驚愕したとネットには書かれていました。


     *


 これ、マオに見せたら壊されますね。気をつけましょう。


 わたしは、水飲み鳥を横目に見ながら、再び昭和関連のサイトを見ています。

 音楽の話が載っています。昭和の歌謡曲もいいですね。スマホやCDではなく、レコードで聞きたいです。


 次は中古レコードのサイトに来ました。

 あ、中古のレコードプレーヤーが売っています。てんとう虫のデザインです。これ、ほしいです。

 値段は3980円。ん? 安いです。

 あ、わかりました。安い理由が。故障品です。

 もしかすると、魔法で修理できるかもしれません。買います。

 わたしは好きなレコードを2枚選びました。


 プレーヤーとレコード2枚を召喚して、代金を転移させました。


 マオが、わたしの脚にまとわりついていますが、それどころではありません。

 あとで一緒に遊びますので、もうちょっと待ってください。


 ちゃぶ台の上には、てんとう虫のプレーヤーとレコードが2枚あります。

 やはり大きなジャケットはいいですね。

 買ったレコードは、「およげ!た○やきくん」とピン○レディーの『○FO」です。


 わたしはプレーヤーを魔法で鑑定します。


アンナ「鑑定」


 わかりました。モーターがずれています。下の部品が劣化しています。


アンナ「リペア」


 これで直ったはずです。表面の傷もきれいにしました。


 わたしは電源ユニットの魔道具を出して、プラグを差し込みます。


 てんとう虫の目の部分がON/OFFスイッチとボリュームになっています。

 スイッチをONにしました。そしてフタをはずします。

 次はレコードです。レコードを取り出すのは気を遣います。

 わたしはターンテーブルにレコードをセットします。ドーナツ盤です。

 ん? 変です。穴の大きさが違います。部品が足りない気がします。

 ありました。フタの裏に付いていました。よかったです。ドーナツ盤がはまりました。


 次は、33/45? 何の数字でしょうか。

 わたしはネットで調べます。


     *


 わかりました。回転数です。シングルのドーナツ盤が45回転、LPアルバムが33回転です。

 プレーヤーの操作もわかりました。


 45にスイッチを入れます。ターンテーブルが動きました。

 アームの操作は手動で行います。緊張します。




 わたしは、回転するレコードに針を降ろしました。

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