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112 新婚旅行3日目です。7

 ここは飛行島、コテージの前です。


 リューキの教会から転移してきました。わたしはコテージに入ります。

 実は今日だけ、コテージ内を土足でも良いことにしてあります。

 テラスから外に出る人もいるはずです。あとでクリーンの魔法を使えば問題ありません。


アンナ「戻りました。」

陽子 「お帰りなさいませ。」

アンナ「パーティーは始まっていますか?」

陽子 「いま挨拶をしているところです。」

アンナ「わかりました。マオはどうしていますか。」

陽子 「マオは私の部屋のケージにいます。」

アンナ「時々様子を見てください。」

陽子 「はい。」


 もうすぐ乾杯ですね。わたしも参加します。

 ウェディングパーティーの進行は美波さんと聖子さんに任せてあります。

 わたしは、手が空いているときにパーティーを撮影する予定です。


 わたしはパーティー会場のダイニングに向かいました。


 マスネ作曲「タイスの瞑想曲」が聞こえます。

 ダイニングはいつもと違い、教会と同様に白と青の装飾を施した華やかなインテリアデザインにしてあります。

 わたしはソフトドリンクを取り、中に入りました。ビュッフェスタイル料理も準備が出来ています。


 会場では、聖子さんが挨拶している最中です。

 音楽はクライスラー作曲「美しきロスマリン」に変わりました。


聖子 「・・・・・・・・それでは、お二人の結婚を祝して、乾杯。」

ゲスト「乾杯。」

アンナ「乾杯。」


 皆さん拍手をします。

 パチパチパチパチパチ・・・・・・


     *


聖子 「次はお待ちかねのケーキ入刀です。」


 美波さんが、アイテムボックスから新郎新婦の前にケーキを出しました。

 フランスのケーキです。わたしが作りました。


     *


シャルロット・オ・フリュイ

 フルーツ多めのシャルロットケーキです。

 側面と底はビスキュイ、中はフランボワーズのムースとババロアです。

 上に数種類のフルーツが乗っています。本来は円形ですが、今回はハートの形にしました。

 生クリーム少なめなので男性でも食べやすいと思います。


     *


 女性のゲストがケーキの写真を撮るため、新郎新婦の周囲に集まってきました。


 カシャ・・・カシャ・・・


 音楽はモーツァルト作曲「フィガロの結婚序曲」に変わりました。


朝美 「私もケーキの写真撮る。」


 カシャ。


聖子 「朝美さん政樹さん、準備をお願いします。」


     *


聖子 「ケーキ入刀。」


 皆さん一斉に写真を撮ります。ケーキにナイフが入りました。


 カシャ、カシャ、カシャ・・・


 拍手が起こります。

 パチパチパチパチパチ・・・・・


朝美 「美味しそう。ねえ、食べようよ。」

政樹 「そうだな。」


 二人はケーキを一切れお皿に取りました。

 そして一口ずつスプーンですくい、相手に食べさせます。ファーストバイトです。


朝美 「美味しい。」

政樹 「うまいな。」


 二人とも、いい笑顔です。


     *


 音楽はチャイコフスキー作曲「くるみ割り人形」花のワルツに変わりました。


聖子 「それでは歓談と食事をお楽しみください。」


 各テーブルには一口サイズの前菜、アミューズを数種類用意しましたが、本格的な食事です。

 皆さん嬉しそうです。


     *


 美波さんがわたしのところに来ました。


美波 「アンナさん、ビールが好評なんですが、まだありますよね。」

アンナ「はい。大丈夫です。」

美波 「よかった。」


 ビールは、カットした生ホップをグラスに入れて、冷たいエールを注ぐだけの即席のビールです。

 これ、美味しいのでしょうか。

 わたしは飲んだことがないので、味を知りません。ですが好評のようです。


 実は、ホップとエールは倉にあったものです。前世のわたしは、お酒を飲みませんでした。

 陽子さんに尋ねたところ、ホップは天ぷらに、エールはパンの発酵に使っていたそうです。

 即席ビールは、ローラに試飲してもらったところ、好評だったので出すことにしました。


     *


 わたしは新郎新婦のところに行きました。


アンナ「楽しんでいますか?」

政樹 「アンナさん、このビール、めちゃめちゃうまいんだけど。」

アンナ「よかったです。思う存分飲んでください。悪酔いしても魔法で回復できます。」

朝美 「アンナさん、余計なこと言わないで。」


 わたしは新郎新婦のテーブルにたくさんの料理を出しました。ビュッフェと同じものです。

 新郎新婦は披露宴で自由に食事が出来ないと聞いたことがあります。


アンナ「食べてください。」

政樹 「うまそう。」

朝美 「美味しそう。」


 パクパク・・・


朝美 「美味しい。」

政樹 「うまい。」


アンナ「わたしはケーキをいただきますね。」


 わたしはウェディングケーキを三切れ、アイテムボックスに入れました。

 ローラと陽子さん、わたしの分です。


     *


 やはりビュッフェスタイルは正解でした。

 このコテージにいるのは、わたしと陽子さんだけです。

 通常のフードサービスでは、マオの手も借りたいほどの忙しさになってしまいます。




 ビュッフェの様子を見に行きましょう。

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