111 新婚旅行3日目です。6
ここはグンマー帝国、リューキの街、教会の礼拝堂です。
結婚式が終りました。
クララ「新郎新婦は退場してください。」
再び結婚行進曲が流れます。
この音楽は美波さんのスマホとスピーカーによるものです。
二人は腕を組みながら、退場します。わたしは二人の後ろを着いて行きます。
ゲストは拍手をします。
パチパチパチパチパチ・・・・・・
男性 「おめでとう。」
女性 「幸せになってね。」
朝美 「うん・・・・・・」(泣)
政樹 「ありがとう。」
新郎新婦とわたしは、礼拝堂の外に出ました。
キャー・・・
キャー・・・
キャー・・・
キャー・・・
若い女性の見物人が、さっきより増えています。
ゲストも続々と外に出てきます。
わたしは椅子と台を用意しました。
アンナ「記念撮影をします。集まってください。」
*
いいことを思いつきました。
わたしは、光魔法と水魔法で小さな虹を作りました。
アンナ「撮ります。」
カシャ。
撮影終了です。いい写真が撮れました。
わたしは椅子と台を収納します。
アンナ「朝美さん、女性のゲストにブーケシェアするのは、どうでしょうか。」
朝美 「うん。そうする。」
朝美さんは造花を一輪ずつ女性ゲストに配ります。
朝美 「残ったブーケ、見物の女性に配っていい?」
アンナ「はい。いいですよ。」
それだと花が足りませんね。
わたしは追加の造花を朝美さんに渡しました。
朝美さんは見物の女性達に花を配ります。政樹さんもそれを手伝います。
キャー・・・
キャー・・・
キャー・・・
キャー・・・
見物の女性達は、花嫁を間近で見て、花をもらい喜んでいます。幸せのおすそ分けです。
*
花を配り終わりました。
アンナ「皆さん、これからコテージに戻ってウェディングパーティーをします。
ここに集まってください。」
わたしは、アイテムボックスから別の造花ブーケを出しました。
アンナ「朝美さん、このブーケを差し上げます。」
朝美 「ありがとう。」
アンナ「美波さん、聖子さん、パーティーよろしくお願いします。」
聖子 「任せて。」
美波 「アンナさんは?」
アンナ「わたしは教会に挨拶してから戻ります。」
美波 「わかった。」
アンナ「それでは皆さん、魔法で移動します。」
アンナ「転移」
わたしは、新郎新婦とゲストをコテージ前に転移させました。
アンナ「教会にお集まりの皆さん、ご協力感謝します。ありがとうございました。」
わたしは礼拝堂に向かいます。
結婚式による礼拝堂の貸切は終了です。一般の人も礼拝堂に入って行きます。
礼拝堂の祭壇には、ソフィさんとクララさんがいました。
アンナ「ありがとうございました。」
ソフィ「私たち、うまく出来ていましたか?」
アンナ「はい。完璧です。」
ソフィ「ありがとうございます。」
この日のために何度もリハーサルをしました。
この大陸では、平民の結婚式は行いません。自宅や食堂で宴会をするだけです。
華やかな結婚式をするのは、王族や貴族だけです。それも城や屋敷で行います。教会ではしません。
アンナ「そういえば、今日はテルマさんがいませんね。」
ソフィ「はい。猊下は数日後、この教会に公式で訪れる予定です。
そのためお忍びで抜け出すことが出来ないそうです。」
アンナ「そうですか。お会いできないのが残念です。」
公式訪問という理由なら仕方ないですね。
アンナ「それでは装飾を取り外します。」
クララ「アンナ様、お待ちください。」
アンナ『?』
ソフィ「装飾は、このままにして頂けませんか?」
クララ「とてもきれいな装飾です。処分するのはもったいないです。」
アンナ「・・・・・わかりました。それではこの青い絨毯も自由に使ってください。」
二人 「ありがとうございます。」
わたしは紙袋を二つ出しました。
アンナ「これはわたしからのお礼です。中にお菓子とレシピが入っています。」
二人 「ありがとうございます。」
中にお菓子が入っています。
穴なしバウムクーヘンにチョコクリームを塗ったケーキ、その上に、ホワイトチョコで作ったキノコ型のチョコビスケットをトッピングしたものです。
それと、チョコレートを使ったマカロンとエクレールも入っています。
アンナ「わたしはこれで失礼します。」
ソフィ「はい。また来てください。」
アンナ「はい。またお会いしましょう。」
アンナ「転移」