108 新婚旅行3日目です。3 別視点
* 別視点 朝美と政樹 side *
ここは、海が見える砂丘。
朝美 「海だ。きれい。」
アンナ「まずは二人の写真を撮ります。」
カシャ・・・カシャ・・・
アンナ「トイレや天幕なども用意します。」
トイレや天幕などが設置される。
アンナ「あそこに小さな島がありますが、
1時間 経てば海岸から歩いて島に行くことができます。」
政樹 「どういうこと?」
アンナ「潮が引いて、海岸と島の間に道ができます。」
朝美 「ほんとに?」
アンナ「はい。潮汐によって現れる砂州をトンボロと言います。」
政樹 「トンボロ。初めて聞いた。」
朝美 「私も。」
アンナ「日本では、湘南の江ノ島や伊豆の堂ヶ島が有名です。」
政樹 「そう言えば、江ノ島に歩いて行けるって、聞いたことがあるような気がする。」
朝美 「道が出来るところ、見てみたいね。」
政樹 「うん。俺も見たい。あと1時間か。」
アンナ「はい。それまで自由行動にします。
海岸を散策したり、砂丘の花を見たり、自由にしてください。
花は無理ですが、貝殻は日本に持ち帰って結構です。」
朝美 「貝殻、お土産にしようかな。」
アンナ「それでは1時間過ぎたころ、迎えにきます。」
アンナ「転移」
朝美 「また行っちゃった。」
政樹 「まずはトンボロが出来るところに行ってみるか。」
朝美 「そうだね。」
政樹と朝美は海岸を歩く。
*
政樹 「たぶん、ここだな。」
朝美 「ここ、他より浅くなってるね。」
政樹 「道が出来る前と出来た後、両方の写真を同じところから撮るか。」
朝美 「うん。面白い。私、道の近くに立つから写真撮って。」
政樹 「わかった。」
カシャ。
政樹 「1時間、どうする?」
朝美 「砂丘の花が見たい。あと貝殻探し。」
政樹 「わかった。行くか。」
朝美 「うん。」
二人は砂丘に戻り、花を見ることにした。
*
朝美 「花、たくさんあるね。」
政樹 「海が近いのに、花が咲くんだな。」
朝美 「小さくて、かわいい花がたくさんある。」
この時期この砂丘では、ハマナス、ハマヒルガオ、リナリア、ハマエンドウ、スカシユリ、ハマユウなどが咲く。
*
朝美 「花の写真は結構撮れたから・・・貝殻探しに行こうよ。」
政樹 「わかった。」
二人は海岸に向かう。
朝美 「歩きにくい。サンダル脱ごう。
ウエストを織り込んで、スカートを短くしよう。よし。」
政樹 「俺も靴、脱ぐかな。」
*
二人は裸足になり、貝殻を探す。
朝美 「あった。こっちにも・・・ん?何これ?政樹、変なの拾ったよ。」
政樹 「なんだ?」
朝美 「これ何だと思う?」
政樹 「鑑定してみろよ。」
朝美 「そっか。」
朝美 「鑑定」
朝美 「タコノマクラ、ウニの仲間だって。
面白い名前。日本語で表示されたから、日本にもいるのかな。」
政樹 「そうかもな。」
朝美 「クリーン」
朝美 「きれいになった。」
政樹 「俺もきれいな貝殻、拾ったぞ。ほら。」
朝美 「きれいな青・・・ねえ、これ2枚つながったの探して。」
政樹 「わかった。」
二人は青い貝殻を探すが、発見できない。
*
政樹 「あ。」
朝美 「見つけたの?」
政樹 「違う。道が出来てる。」
朝美 「ほんとだ。行ってみよう。」
二人はトンボロに向かう。
朝美 「海の上に道が出来てる。すごーい。」
政樹 「さっきと同じところで、写真撮ろう。」
朝美 「うん。」
政樹は、朝美とトンボロの写真を撮る。
政樹 「歩いて島に行くか。」
朝美 「うん。行こうよ。」
二人はトンボロを歩いて、島に向かった。
*
朝美 「本当に歩いて、島に渡れた。すごいね。」
政樹 「朝美、あったぞ。さっきの貝殻。
ハートの形になってるぞ。ほら。」
朝美 「すごいよ、政樹。」
朝美は政樹に抱きつく。
政樹 「ばか、よせって。アンナさんが見てる。」
朝美 「うそ。変なところ、見られちゃった。いつからいたのかな。」
政樹 「俺もいま気がついた。」
アンナは飛翔しながら二人に近づく。
朝美 「アンナさん、これ見て。ハートの貝殻。」
アンナ「見つかってよかったですね。」
朝美 「あんまり驚かないね。」
アンナ「わたしも持っています・・・これ、差し上げます。」
朝美 「いいの? ありがとう。2個になった。」
*
アンナ「二人に見せたいものがあります。手をつないでください。」
三人は手をつなぎ、飛翔する。
朝美 「すごーい・・・」