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105 新婚旅行2日目です。10

 ここは飛行島のコテージです。


 わたしは陽子さんのところに向かいます。


アンナ「出かけて来ます。」

陽子 「はい。わかりました。」


 わたしは玄関に向かい、靴を履きました。すると、丁度二人が戻って来ました。


アンナ「今から出かけます。」

政樹 「今から?」

アンナ「はい。」

朝美 「どこに行くの?」

アンナ「説明はあとでします。急ぎます。」


アンナ「転移」


*    *    *


 私たちは転移しました。


アンナ「あれを見てください。」


 わたしは急いでカメラの用意をします。


政樹 「あれって・・・虹?」

朝美 「異世界は夜でも、虹が出るの?」

アンナ「はい。わたしも見るのは初めてです。」


 撮影の用意が出来ました。

 手ぶれを抑えるため、魔法の結界で固定します。光魔法で照明も出しました。


アンナ「撮ります。」


 カシャ。


 照明とアングルを調整して、何回か撮影しました。

 写真を確認します。二人と虹、どちらもきれいに写っています。


政樹 「どう? うまく撮れた?」

アンナ「はい。撮影成功です。あとでお見せします。消えないうちに、虹を見てください。」

朝美 「そうだね。」

政樹 「アンナさん、二つの月と星空も撮ってほしいんだけど。

    スマホだとうまく撮れないから。」

アンナ「わかりました。」


 今夜は月が明るいので、星空は今ひとつですが、月のおかげで虹が見られたので贅沢は言えません。


 カシャ、カシャ・・・


 きれいに撮影できました。


朝美 「夜の虹って神秘的ね。」

政樹 「異世界らしいな。」

朝美 「流れ星。」

政樹 「まただ。ラッキーだな。」

朝美 「今夜、流れ星見たの2回目だよね。」


朝美 「さっきも島から流れ星見たんだよ。」

アンナ「そうですか。よかったですね。」

政樹 「てゆうか、流れ星見たの今日が初めてだな。」

朝美 「私も。 ww 」


政樹 「虹がうすくなってきたな。」

朝美 「そうね。」


 二人は肩を寄せ合って、虹が消えるまで夜空を眺めていました。


政樹 「いいもの見られたな。」

朝美 「いい思い出になったね。」

政樹 「うん。異世界すごいな。」


朝美 「さっき撮った写真見せて。」


 わたしは二人に写真を見せました。


朝美 「すごい、きれいに撮れてる。」

政樹 「撮影テクニックすごいな。」

アンナ「昨日の夜、撮影の練習をしました。」

政樹 「なんか余計な手間を取らせて悪いな。」

朝美 「アンナさん、ありがとう。」

アンナ「どういたしまして。」


 昨日の夜、陽子さんをモデルにして、夜間撮影の練習をしていました。


朝美 「そう言えば、なんでここに虹が出るってわかったの?」

アンナ「千里眼の魔法で探していました。」

政樹 「そんなこともやってたのか。」

朝美 「ありがとう。」

アンナ「帰りましょう。」


アンナ「転移」


*    *    *


 私たちはコテージの玄関に戻って来ました。


アンナ「言い忘れていました。夜の虹は月虹(げっこう)またはムーンボウといいます。

    地球でも見ることが出来ます。」

政樹 「マジで?」

アンナ「はい。ハワイが有名です。日本でも月虹が観測された記録があるそうです。」

朝美 「そうなんだ。知らなかった。」

アンナ「ハワイはともかく、日本で月虹を見るのは奇跡みたいなものです。」

朝美 「そうだよね。」


政樹 「今日は色々とありがとう。部屋に行くよ。」

アンナ「はい。」

政樹 「おやすみ。」

朝美 「おやすみ。明日もよろしくね。」

アンナ「はい。おやすみなさい。」


 二人はルームシューズに履き替えて、階段を上り客室に行きました。


     *


アンナ「戻りました。」

陽子 「お疲れ様でした。」

アンナ「夜の虹を見てきました。」


 わたしはカメラを出して写真を見せました。


アンナ「これが夜の虹、月虹です。」

陽子 「夜の虹、月虹、記録しました。」


アンナ「マオはどうしていますか?」

陽子 「寝ています。」

アンナ「そうですか。陽子さんも休んでください。」

陽子 「はい。おやすみなさいませ。」

アンナ「おやすみなさい。」


     *


 わたしはお風呂に向かいました。


 服を脱ぎ、浴槽に入りました。気持ちいいです。わたしは今日の出来事を振り返っています。

 やはり、洞窟でハートの形を見落としたのは失敗でした。

 観光スポットのリサーチは、これまで以上に気をつけましょう。


 それにしても、ハートの洞窟、夜の虹、これは偶然でしょうか。

 前に見た初夏の雪や大きな流れ星火球もそうです。出来過ぎです。まるで異世界ラノベのご都合主義です。

 ローラがなにかをしている可能性もあります。考えても無駄ですね。


 さて、お風呂から出たら、明日のスケジュールを確認しましょう。


 わたしは、お風呂から出ました。


 ポロロ、ポロロ、ポロロ・・・ 

 ローラから電話です。

 

ローラ「今日の料理も美味しかったわ。」

アンナ「ありがとうございます。」

ローラ「明日の夜、面白いものが見られるわよ。」


 面白いものは今夜見ました。なんでしょうか?


アンナ「あの、色々とありがとうございます。」

ローラ「なんのことかしら?」

アンナ「・・・なんでもないです。」

ローラ「おやすみなさい。」

アンナ「おやすみなさい。」




 通話が終了しました。

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