103 新婚旅行2日目です。8
ここは魔水晶の洞窟、クリスタルホールです。
空間の大きさは学校体育館の2倍以上です。
わたしは写真を撮りながら二人を中央に案内しています。
政樹 「すげえ。ほんとすげえよ。」
朝美 「政樹、さっきからすげえしか言ってない。」
政樹 「すごすぎて、なんも言えねえ。」
朝美 「気持ちわかる。やっぱり写真で見るのと全然違う。すごいよ。」
政樹 「ほんとにこれ、持って帰っちゃだめか?」
朝美 「1個だけ。そうよね、アンナさん。」
アンナ「はい。一人1個だけです。ツアー客がたくさん持ち帰るとなくなってしまいます。」
政樹 「それもそうだな。」
*
ホールの中央に来ました。
政樹 「でけえ。迫力あるな。」
アンナ「この魔水晶はホール最大のものです。直径は3m、高さは15mあります。」
朝美 「アンナさん、写真撮って。」
アンナ「はい。」
わたしは、二人と巨大魔水晶の写真を撮ります。
カシャ。
アンナ「それでは、しばらく自由行動にします。魔水晶は1個だけ、持ち帰ってください。」
政樹 「わかった。」
朝美 「いいのを探そう。」
二人はホール内を自由に散策しています。楽しそうです。
わたしは飛翔してホール内をドローンのように動画撮影しています。
もちろん二人の様子も撮っています。
*
しばらく経ち、二人が戦利品を見せ合っています。
朝美 「どれにしようかな。」
政樹 「これ、いいんじゃね。」
朝美 「それもいいけど。こっちもいいよね。」
政樹 「それもいいな。」
朝美 「決めた。これにする。」
政樹 「俺は、これ。」
朝美 「ここで撮った写真と一緒に、この結晶も部屋に飾りましょう。」
政樹 「それいいな。」
朝美さんが選んだのは、大きさ約10cmの青色の欠片です。
政樹さんが選んだのは、太さ5cm、長さ10cm透明な折れた魔水晶です。
政樹 「これ、1個にカウントしていいんだよな。」
アンナ「はい。いいですよ。」
朝美 「持ち帰れないものは、写真撮りましょう。」
政樹 「そうだな。」
二人は、持ち帰れない分を写真に収めています。
*
アンナ「そろそろ帰りますが、いいですか。」
朝美 「最後に上から眺めてみたい。」
政樹 「いいね。」
アンナ「わかりました。」
私たちは手をつなぎ、飛翔しました。
朝美 「きれいだね。異世界っていう感じがする。」
政樹 「ずっと見てられるな。」
朝美 「アンナさん、ありがとう。もういいよ。」
アンナ「はい・・・それでは飛行島に帰ります。」
アンナ「転移」
* * *
私たちは飛行島に帰ってきました。
朝美 「夕方になってる。」
政樹 「時間が経つのを忘れるよな。」
朝美 「夕焼けの空がきれい。」
アンナ「写真撮りましょう。」
わたしは夕焼けをバックにして二人の写真を撮ります。
カシャ。
撮影したあと、二人は夕陽を見ながらおしゃべりをしています。
肩を寄せ合っている二人のシルエットは、絵になりますね。
わたしはもう一枚写真を撮ります。
カシャ。
アンナ「わたしは先に戻ります。」
朝美 「はーい。」
お邪魔虫は退散します。
アンナ「戻りました。」
陽子 「お帰りなさいませ。」
アンナ「二人は夕陽を眺めています。少ししたら帰ってくると思います。」
陽子 「はい。わかりました。」
アンナ「今日は何か料理を作りましたか?」
陽子 「ラーメンと焼きギョウザを作りました。アイテムボックスに入っています。」
アンナ「いいですね。」
ですが、ツアー客に出すわけには、いきません。
ツアーが終ったら食べましょう。楽しみです。
わたしは、マオがいるリビングに向かいました。
アンナ「マオ、戻りましたよ。いい子にしてましたか。」
なでなで・・・
マオ 「ミャー。」
かわいいです。癒されます。わたしは、マオをだっこしました。
最初のころと比べたら、少し重くなっています。成長していますね。
*
二人が帰ってきました。
朝美 「マオちゃんだ。かわいい。」
なでなで・・・
アンナ「お風呂と夕食、どちらを先にしますか?」
政樹 「どうする?」
朝美 「お風呂がいいかな。」
政樹 「そうしよう。」
二人はお風呂に向かいました。
わたしはマオをだっこしながら、千里眼であるものを探します。
昨日と今日、手の空いているときに探していますが発見できません。
やはり、そう簡単には見つかりませんね。




