102 新婚旅行2日目です。7
ここはブルー・フラミンゴの群れがいる塩湖です。
私たちは、トルココーヒーを飲み終ったあと、コーヒー占いをしました。
アイテムボックスを確認したところ、女神ローラの分がなくなっています。
ローラもコーヒーを飲んだようです。
ローラは女神なので占いは必要ありませんが、コーヒー占いをしていると思います。
*
アンナ「さて、そろそろ移動します。これから行くところは本日最後の観光スポットです。」
政樹 「楽しみだな。」
朝美 「そうだね。」
トイレを済ませ、テーブルなど全て片付けました。
アンナ「魔法で移動します・・・転移」
* * *
転移しました。
ここは、第一回異世界ツアーで訪れた大陸の北方です。近くに山と森がある草原です。
アンナ「ここは寒くないので、上着を脱いでもいいですよ。」
政樹 「そうする。」
二人は上着脱ぎます。
朝美 「あれは、象?」
政樹 「いや、あれって・・・マンモスか?」
アンナ「はい。ケナガマンモスです。」
少し離れたところにマンモスの群れがいます。私たちはマンモスに近づきました。
政樹 「すげえ。本物だよ。」
朝美 「小さいのもいる。かわいい。」
二人はマンモスを撮影しています。わたしも撮影します。
当然、マンモスと一緒に二人の写真も撮ります。
カシャ。
政樹 「牙でけえ。かっこいいな。」
朝美 「すごいね。」
*
二人はマンモスを堪能したようです。
アンナ「それでは本日最後の観光スポットに行きます。」
政樹 「ここが最後じゃないの?」
アンナ「はい。あの山の麓です。魔水晶の洞窟です。」
朝美 「ほんとに。やったー。」
政樹 「朝美が話していたところか。」
朝美 「写真見たけど、マジですごいから。」
アンナ「それでは移動します・・・転移」
* * *
山の麓に転移しました。
わたしは岩場にある隙間を土魔法で広げました。
そして洞窟に入り、光魔法で光球を作ります。入口は元に戻しました。
アンナ「魔法で灯りを作ってください。」
二人も光球を作りました。
政樹 「探検みたいで、いいな。」
朝美 「ワクワクする。」
アンナ「わたしは前を歩きます。政樹さんは後ろをお願いします。」
政樹 「了解。」
アンナ「それでは出発します。」
私たちは洞窟を進みます。
*
しばらく歩くと、小さな魔水晶がありました。
アンナ「これが魔水晶です。」
朝美 「これかー。きれい。」
政樹 「これ、持って帰ろうよ。」
朝美 「だめなんですー。」
政樹 「そうなの?」
アンナ「はい。奥にもあります。」
私たちは奥に進みます。
*
しばらく歩くと中ホールが見えてきました。空間の大きさは学校の教室ほどです。
わたしは光球を増やして中ホールを明るくします。
朝美 「きれい。」
政樹 「すげえ。」
朝美 「宇宙にいるみたい。」
政樹 「色がついてるのもあるんだ。」
朝美 「そうだよ。でもね。これで驚いてたらだめなんだよ。
奥にここよりすごいところがあるから。」
政樹 「マジで? ここよりすごいの?」
朝美 「そうだよ。」
朝美さんは、美波さんから詳しい話を聞いているようです。
アンナ「写真を撮りましょう。」
わたしは二人の写真と中ホールの写真を撮りました。
私たちは再び奥を目指します。
政樹 「ここよりすごいって、想像できねえよ。」
朝美 「想像を絶するから。マジで。」
洞窟を歩いて行くと、魔水晶の数が増え、結晶も大きくなってきます。
政樹 「なんか洞窟がすごいことになってるぞ。」
朝美 「この奥がやばいから。マジで。」
あと少し歩くと大きなクリスタルホールがあります。
アンナ「灯りの数を増やします。眩しいので目をつぶってください。」
二人は目をつぶり、わたしは光球を増やしホールに拡散させます。
アンナ「目を開けてください。」
二人は目を開けました。
政樹 「すげえ・・・すげえよ、マジで。」
朝美 「え? なにこれ? 聞いてない。」
朝美 「アンナさん、この位置から写真撮って。」
アンナ「はい。」
わたしは二人が立っていた場所からカメラを構えました。
二人はクリスタルホールの入口に立っています。
アンナ「撮ります。」
カシャ。
わたしはカメラの画面を見ました。 え?
アンナ「ハートに形になっています。」
朝美 「ひょっとしてアンナさん、知らなかったの?」
アンナ「知りませんでした。いま気がつきました。」
政樹 「なに? なんの話?」
クリスタルホール入口の上に鍾乳石があります。
そのため通路から見ると、洞窟がハートの形に見えます。
これは自然に出来たものでしょうか。それとも女神のいたずらでしょうか。
朝美 「政樹、こっちに来て。ここから向こうを見て。」
政樹さんが洞窟の通路からホールを見ます。
朝美 「ほら、ハートの形になってるでしょ。」
政樹 「ほんとだ。よく気がついたな。」
朝美 「気付くでしょう。ふつう。」
すみません。気付きませんでした。重要なものを見落としていました。反省します。
ですが今はガイドを続けます。反省するのはあとにします。気持ちを切り替えましょう。
クリスタルホールをご案内します。