性格の悪い悪友視点
今回は詳しくは書いていませんが『獣姦』の単語が出ます! 無理な方は今すぐ逃げて下さい!!
あ~あ。あのお嬢ちゃんたら最後になって此奴の地雷をふんじゃって。足取り軽くしているけど明らかに機嫌が悪いオーラを出してやがる。
この仲間達の中で一番此奴と長く付き合っているのはオレだ。何せ小学校の頃からの付き合いだ。
此奴は小学生の時から女の子にモテていて男からやっかみを持たれていた。
しかしそれを気にした事が無く、オレの様な不良の分類に入る様な奴と一緒にいる様になり、義務教育を終える頃には今の仲間達とつるむ様になった。それに至るまでは他に何人か別の人間も何人かいたが、何時の間にか消えて行った。
このメンバーになったのは共通点としてかなりの『快楽主義者』である事が一番の理由だろう。オレだってその事に関しては認めている。
それとオレ達のもう一つの共通点として裏の世界と関わる事に関して尻込みせずに関わる事が出来る事だ。
オレとか他の仲間達はそう言った世界に入る事はこのメンバーになってからなのだが、此奴は父親がその社会に深く関わる仕事をしているのでガキの頃から裏世界に入り浸っていた。
此奴の父親はマフィアのボスとか大幹部とかそんな奴じゃなくて、経理みたいなお金を管理する仕事だと、一度だけ此奴から聞いた事がある。『そんな派手な事はしない、裏方ばかりする地味な仕事だ』と言っていたけど、どっかの組織の経理をやっていると言う事は『結構重要なポジションじぇね?』と仲間内で話していたが、真相は闇の中。
此奴の父親を見た事があるが、神経質そうなエリートサラリーマンみたいな人相だから世の中不思議だ。
此奴の父親が再婚したのは数年前。
此奴曰く、『借金取りの取り立ての仕事を取り立てた先で旦那に売られそうになっていた妻に一目惚れした』のが出会いだそう。妻と一緒に一人娘も一緒に引き取られたが旦那、娘にとって実父に当たる男は多額の借金の返済をする為に妻と離婚して何処かに消えて行った。此奴の父親は『もう二度と地上を踏む事はない』と言うのでそう言う事だろう。
此奴の義理の妹となった女の子ははっきり言ってブスだ。
母親は儚げ美人なのに娘の方がブスなのでてっきり実父似なのかと思えば、実父の方はホスト風のそこそこ良い顔立ちなので多分突然変異と言う奴だろう。
此奴の父親は愛する人と全く似ていない血の繋がりのない義理の娘を、我が子以上に溺愛した。他人のオレ達から見ても呆れる程に溺愛した。
何せスマホゲーム好きの妹ちゃんの為に、小遣いとは別に林檎のカードの最高額を二枚毎月買い与えているそうだから流石の実の息子も呆れるばかりだ。
妹ちゃんの母親に諭されて林檎のカードの件は取り止めた様だけど、溺愛している事は変わりはなかった。
妹ちゃんは顔はブスだし正直デブの分類だけど、性格としては結構好ましかった。
オレ含めたイケメン揃いのオレ達に対して興味を持つ事がなく漫画やゲームに熱中した。流石に初対面の時にオレ達の乱交を見ても
『あ、お構いなく。こっちは好きにするので。……あ、後片付けはちゃんとして下さいね』
それだけ言うと、最初は驚いたように大きく瞳を見開いたのが直ぐに興味を無くして手元のスマホへと視線を移して自分の部屋がある二階の階段に足を進めた時は流石に全員ポカーンと間抜けな顔をしたわ。
それからオレ達……と言うか此奴は妹ちゃんに構う様になった。
此奴も『妹』が出来て内心大喜びだった筈だ。何せ妹ちゃんが家に来るまで此奴は何時もソワソワしていたのは誰だって見て分かる程だ。
例え此奴の想像していた可愛らしい容姿の庇護欲が湧きそうな女の子じゃなくても、此奴にとっては『可愛い妹』だ。
お姫さんと此奴が付き合う様になったのは妹ちゃんが切っ掛けだ。
妹ちゃんは意外な事にご飯の時に学校で起きた事を話してくれる。と言っても人の噂を又聞きしたのを話しているだけだが、中々に面白い話ばかりだと此奴が言う。
『アイツのクラスメイトに少年漫画の恋愛物の主人公みたいな子がいてさ。その子の写真偶々あったから見たら結構好みな子でよぉ』
淡白な奴があそこまで自分好みとはっきりと言ったのは初めてだった。今思えばそれが此奴の『初恋』だったのかもしれない。
しかし、お姫さんの容姿は言っては何だが童顔なだけで別に其処まで可愛いと言う訳ではないし、お姫さんよりも可愛い子は沢山いるのだが此奴の琴線に触れたのはお姫さんだけだった。
『アイツがあの子と仲良くしていた後輩と親友がセックスしているのを偶々見たって。それもあの子の目の前でやりやがった』
苛立ちながらにそう吐き捨てたのは何時だっただろうか。
それから一週間おきにお姫さんと仲良くしていた女の子達が一人ずつ寝取られていった。それもお姫さんと妹ちゃんの目の前で。
お姫さんと一緒にではなく、例えばお姫さんが後ろの教室のドアからそれを見ていたら妹ちゃんは前の教室のドアから、部室の入り口からお姫さんが見ていたら妹ちゃんは部室の窓からそれを見ていた。
しかも妹ちゃんちゃっかりその時の情事をスマホのカメラで全員分撮り治めていた。
因みにそんな物を撮った? と聞いた所『お小遣いになると思ったから』と言う返答を頂いたので此奴を踏めたオレ達悪友全員で叱って件の動画を没収した。
流石に本人達の許可なく動画をアップ出来ないので動画を消す方向で決まっていたのだが……
その動画を消さずにあの子等の両親との交渉で大いに役立って貰った。高画質でバッチリ娘のエロ顔が取られていたので、何処かの家は血管が切れそうな位顔を真っ赤になったり反対に顔を真っ青にさせて娘の痴態を見ていたり、中には失神して病院に運ばれた母親がいてもう、何処の家庭も阿鼻叫喚だった。
その状態を冷静に収めた此奴の親父は流石修羅場を乗り越えただけある。
で、一度は処分を決めていたのをどうして再利用したかと言うと……
糞が妹ちゃんとついでにお姫さんにまで毒牙を掛けようとしたからだ。
美少女ばかりで飽きてしまったのだろう。だから変り種として妹ちゃんが目を付けられたのであろう。
しかも何処から見たのか色っぽくなったお姫さんを見てから男のお姫さんまで付け狙う様になってしまった。
だけど妹ちゃんは一人でいる事多いけど、決して隙を見せる事はなかった。お姫さんはそもそも此奴等の自宅から出ないし、お姫さんは一人になると精神的に不安定になるのでオレ達の誰かが一緒にいる様にしているので雑魚糞は手出し出来なかった。
痺れを切らした糞は事もあろうに裏サイトで二人の拉致を依頼して、小金に目を眩んだ馬鹿達が妹ちゃんを誘拐しようとした事で糞が二人を狙っていた事が発覚した。
因みに妹ちゃんはこの事を知らない。と言うかその誘拐自体実行されていない。
何故なら依頼した裏サイトは此奴の父親が所属している裏組織が運営しているサイトだ。
二人の名前が掲示板に書かれた時点で行動が移されて糞の計画は破綻した。
因みに端金で二人を誘拐しようとした奴等がどうなったかオレすら知らない。……一度だけ此奴『世の中死んだ方がマシな事があるんだよ』と言っていたので推して知るべし、だ。
此奴と此奴の父親の逆鱗に触れ、そして妹ちゃんとお姫さんを害されそうになったと聞いて怒りを覚えたオレ達は糞に報復する事にした。苛烈な苛烈な報復を。
「お! 例の動画の再生数、万越え行ったぞ!」
後ろにいた悪友達が『おお~』と歓声を上げた。
「あぁ? 何が珍しいんだ? 別に珍しくないだろう? 何時も投稿して直ぐに万越えだろうが」
「馬鹿! 例の糞が主役の奴!!」
「……マジか!?」
此れには此奴も思わず大声を出さざるを得なかった。
何せ投稿したサイトはアングラの中でもかなりのキワモノ動画が投稿されるサイト。流石に殺人動画の様な物は禁止されているが、その代わり殺人動画以外の物なら何でも投稿出来るサイトだ。
だからその動画サイトを見れる人間は数が少ない。噂では百人いるかいないか位の数で、投稿者も企業が殆どで個人で投稿している会員は少ない。
オレ等がこの動画を視聴したり投稿出来るのはこの動画サイトの大本が此奴の父親が所属している組織が小遣い稼ぎで運営しているサイトの一つで、責任者が此奴の父親だ。
因みに投稿した動画とは言うと……少なからず詳しくは言えない。ただ言える範囲内だと『突っ込んだり突っ込まれたりがある獣姦』としか。因みに主役たる人間は勿論あの糞野郎。動物の種類は今は馬と豚だけ。
「うわぁコメント欄も大盛況。久しぶりの本物の動画だから当たり前かぁ」
「あ、やっぱり分かる訳?」
「こう言った場所は情報が廻るのが早いからねぇ~」
そう。此れがオレ達が、此奴が糞野郎に行った報復。
セックス好きな糞野郎は一生セックスし続ける刑に処した。ただし人間ではなく動物の相手として。
そんなにセックスしか脳にない畜生の様に年中発情期なら、お望み通りに一生セックス漬けにしてやった。
しかし『人間』としてヤるのはただのご褒美だ。糞野郎も最初は嬉しそうな顔をしていたが相手が『動物』と聞いて顔を青褪めて必死に懇願したが、もう遅い。
それに糞には妹ちゃんとお姫さん、お姫さんの元友達・家族である女性陣への慰謝料と口止め料があるのだ。只のサラリーマン家庭の、普通の高校生では到底払い切れない金額だ。糞の家族も下半身ユルユルの糞馬鹿の尻拭いなんて嫌だろう。と言うかあの動画を見て家族(特に女性陣)が泡を吹いた。
まぁこの調子だと数年で多額の賠償金は完済出来るな。次々と交尾して欲しい『動物』のリクエストが来ているしもしかしたら来年には自由の身かもしれない。
……ただ。その頃には身体も精神もボロボロかもしれないが。動物と交尾だなんてどんな病気を持っているか分かったもんじゃない。ケツもオムツを履くだけで済めばいいが。同情は全くないけどな。
「あっ義兄さんお帰り~」
「お帰りなさ~い」
「ただいま」
糞の醜態と思いかげない高評価、トドメに可愛い子ちゃんの笑顔の『おかえり』で現金な此奴は機嫌を良くした。此奴がピリピリしているとこっちも嫌な気分になる。
妹ちゃんのお膝にお姫さんを座らせてお姫さんの頭に顎を乗せて妹ちゃんはテレビゲームに勤しんでいる。今日は珍しくお姫さんもコントローラーを握っていた。如何やら桃太郎が出てくる有名ゲームをやっている様だ。此れなら今のお姫さんでもゲームが出来る。世話係の悪友も入れて三人でキャキャしていた。
「ん~? 今誰がビリなのかな~?」
「いもーとちゃん。ウルトラ大貧乏神に憑かれてるの」
「うわ~妹ちゃんのは大赤字でバッドステータスだらけじゃん。コレ逆転出来なくね?」
「うるさい。まだ逆転、逆転の一手があるんだ!」
ワイワイとしている姿は本当の兄弟の様に微笑ましい光景だ。
何だかんだ言いながらも、オレも他の連中もこの光景を見るのが好きだ。
この世に楽しい事が一つもないとつまらなそうにしていた男が年相応の笑顔で義妹と愛する人と遊ぶ。普通な筈なのに笑っている人間は物凄い歪んだ人間。それを眺めている奴等も人が獣姦している姿を笑っていた屑ばかり。
それでもまぁ、今が楽しいから良いか。身内以外の他人の事なんて此処にいるオレ達は関係のない話だ。