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狐と青い小鳥と狼

作者: 成瀬瑛理

なろう朗読アプリで読むのをおすすめします(´ー`)ノ♪

 森に住む小さな子ギツネのコンタは、いつも母ギツネのそばにいました。母ギツネは、やんちゃなコンタがいつも心配でした。


 目を離してるうちにひとりでどこかにいつも消えたりと、それは大変やんちゃな元気な子供でした。母ギツネはコンタが自分が目を離してるうちに、どこか遠くの森にひとりでいかないようにと日頃から注意してました。


「コンタ。ひとりで遠くの森には行ってはいけませんよ?」


 母ギツネはコンタにそう言って教えました。しかし、コンタは元気一杯の子供です。母ギツネの話はコンタには、うるさいだけだったのです。


 ある日、コンタは母ギツネが眠っているそばから黙って離れると、内緒で遠くの森にひとりで遊びに行きました。森の中をひとりで元気一杯にかけまわっては、ひとりで楽しそうに無邪気に遊んでいました。


 コンタが森の中をかけまわっていると、森に住む小さな小鳥が、木の枝の真下からコンタに話かけました。


「ねぇ、きみはどこから来たの?」


 青い小鳥がコンタにそう言って話かけました。コンタは木の上にいる青い小鳥に言いました。


「ぼくは近くの森から来たんだ。お母さんといつもここの森を通っているんだ。きみはお母さんと、はぐれたのかい?」


「違うよ、この森にはひとりで遊びに来たんだ」


 青い小鳥はそう言ってコンタにこたえました。


「この森にある木の実や果実がとっても美味しいんだ! ぼくはいつもそれをお母さんと一緒に食べに来ているんだよ!」


 コンタがそう言うと、木の枝にとまっている青い小鳥が一言注意しました。


「森は危険で一杯だから、いますぐ帰りなよ?」


「そんなことないよ? 森は安全だよ?」


 コンタはまだ子供だったので、森が危険だということが理解出来ませんでした。


「青い小鳥さん、どうしてぼくにそんなイジワルな事を言うの?」


 コンタは青い小鳥にそのことを投げかけました。


 なにも知らずにそのことを聞いてくるコンタに、青い小鳥は木の枝から言いました。


「きみは森の恐ろしさをしらないようだね? それなら泉のほうに行ってみるといいよ?」


 青い小鳥はそういうと、木の枝から羽をバサッと広げて、大空に羽ばたいて飛び去っていきました。



 コンタは小鳥が言った泉にすぐに向かいました。泉に行くと、そこにはキラキラした泉が広がってました。 そして、泉の中央には大きな木がありました。 泳いで行けばいけそうなくらい 近くにありました。


 そして、木の枝には美味しそうな見たこともないような木の実が沢山なっていました。食いしん坊のコンタは、それを我慢出来ずに、泉の中央にある木の実を食べようと入ろうとしました。


「この近くなら、ぼくにも泳いで行けるぞ!」


 コンタは母ギツネから教わった泳ぎで、泉の中央にある大きな木に近よりました。泉に近づくと足元に罠が仕掛けてあり、あやまってコンタは、それを踏んでしまいました。地面に仕掛けられていたロープがコンタの体を包むと、そのまま木の真上に編みごと体を吊るされました。


 身動きがとれなくなったコンタは、木の真上で吊るされた

編みの中でもがきました。コンタが捕まった網の中で暴れていると、青い小鳥が再び木の枝にとまり、コンタに話かけてきました。


「あははっ! ひっかかったね!」


 青い小鳥はコンタにそう言うと、意地悪そうに笑いました。コンタは青い小鳥に怒りました。


「やい、ぼくをだましたな!?」


 コンタは怒ると青い小鳥を睨みました。青い小鳥はコンタに

すました顔で答えました。


「無知だからいけないんだよ。ぼくはきみに忠告くしたはずだよ? この森にはね、人間達が仕掛けた罠で一杯なんだ。ぼくのお父さんもお母さんも、人間たちが仕掛けた罠で捕まったんだ。きみも人間たちの罠にはめられたのさ」


「ねぇ、ぼくはどうなるの?」


「きみは人間達に捕まったから食べられる運命なのさ」


『いやだっ!』


「あははははっ!」


 青い小鳥はコンタに意地悪に笑うと、木の枝から翼を広げて青空の上へと飛び去って行きました。コンタは木の真上に吊るされて、小鳥に騙されたことが悔しくて悔しくてたまらなくなり。ひとりで編みの中で、悲しくてわんわん泣きました。


『お母さん! お母さん!』


 コンタは母ギツネに必死で助けを求めました。けれど、いくら泣いても母ギツネはコンタが人間達の罠に捕まったことを知らないので助けにはきません。コンタは編みの中で、一杯反省しました。自分の身勝手な行動が、こんな結果をまねいたことを深く反省しました。そして、もう二度と身勝手な行動はしないと誓ったのです。


 コンタは、きゅーん きゅーんっと。編みの中で悲しい声をあげて泣きました。


「だれもぼくを助けてくれない! ぼくは人間に食べられる運命なんだ!」


 そうおもうとコンタは再び悲しくて何度も泣きました。




「誰だ、上で泣いてるのは!?」


 その時、下から他の動物の声が聞こえました。


『ここです! ぼくを助けて下さい!』


 コンタは無我夢中でそのことを言いました。


「なんだおまえ、そんな所にいて? まさかあの青い小鳥の嘘に騙されたのか?」


 コンタは下にいる動物に答えました。


「そうです! ぼくはあの青い小鳥に騙されました!」


 コンタがそう言うと、下にいる動物は一言いいました。


「あの小鳥はな、見かけよりも中身がズル賢い! おまえも次からは、あの小鳥に気をつけるんだな!」


 下にいる動物はコンタにそう言うと、木の側に近づき。尖った爪でロープを切りました。下に落ちてコンタは地面に

尻餅をつくと、編みの中からすぐに逃げ出しました。


「じゃあ、次からは気をつけるんだな!」


 コンタが後ろを振り向くと、そこには見たこともない動物がいました。自分よりも大柄な体型の動物に、コンタは思わず怯みました。


「あなたはだれですか?」


「おれはオオカミだ! おまえみたいな小さい動物を食べる悪いオオカミだ!」


 オオカミがそう言うとコンタは一瞬とまどいますが、直ぐに彼にお礼を言いました。


「オオカミさん、ぼくを助けてくれてありがとう!」


 コンタがそう言うと、オオカミは少し照れました。


「あぁ、二度と人間の仕掛けた罠に捕まるなよ?」


 オオカミはそう話すと側から離れて、のそのそと歩きながら深い森の中へと消えて行きました。コンタはオオカミが森の奥に消える姿を確認すると、自分も母ギツネが待っている森へと帰って行きました。



-おわり-




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