勇者召喚
――聖アリステリア王国。アリステリア城、礼拝の間。
「ミレーヌ様!ミレーヌ様!」
私を呼ぶ声、唯ならぬ足音と共に勢いよく開いた扉から息を荒らげた近衛騎士が駆け込んでくる。
「ひ、姫様!奴らの侵入を許してしまったようです。城内は最早安全ではありません!急ぎ奥の隠し通路より避難下さい!」
遠くから聞こえる破壊音、城内に響く慌ただしい靴音と心を抉るような悲鳴や叫び声、血相をかいて慌てふためく兵士。
もうこの城は、この国はお終いだ。
「お父様は持てる全てを尽くされました。しかし魔物達の進行を留める事は叶いませんでした」
あぁ、主よ。貴方様はこのような時であれその口元に笑みを絶やさないのですね。
無垢な民達を守れなかった罪深い王家へさえも、その慈愛に満ちた暖かな眼差しを向けて下さるだなんて・・・
「ミレーヌ姫様!お急ぎ下さい!」
「バルド騎士長、私は逃げません」
「いけません姫様!これは王直々の名なのです。王のご決断にお従い下さい!」
「国王陛下はこの国、この城を捨てるような愚かな事はする筈がありません。それは何故か・・・それはここが聖アリステリア、アリステリア城だからです。
私、ミレーヌ・アリステリアはここから一歩も出ません!この場にて、かの者達を迎え撃ちます!」
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不知火美月