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映画シナリオ「葵の心」  作者: 多谷昇太


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街の華、和泉

和泉「へえ、実は弟が……い、いいえ、なんでもおへん。ちょっと……ありまして。ただその弟にお客はんの感じがよう似てはりますんです。いえ、お顔とかじゃなくて、その、雰囲気が。間口にお立ちになった時は、思わず弟が帰って来たような、そんな錯覚がして……うちは。うちは……あらら、嫌だ。またこんなお話をしてもうて、すんまへん。どこかおつむがおかしいんじゃないかとお思いでしょ?(軽笑)」

向一「いいえ、そんなことはありません。ただ……不思議な気がします。ちょっと前に同じようなお話を伺いまして、別の人から。あの……あなたと同じように、偶然じゃないような気がします」

和泉「ほんまですか?そ、それなら、あの、その……(小声で)嫌や、うつってもうた。あの、うちもお寺とか好きですねん。もしよろしかったら……」

商店の女房(50位)「あら、和泉ちゃん、この度は……」

和泉「(軽く舌打ちして、小声で)また……へえ、へえ、すんまへんね。あとでまた、帰り掛けに寄らしてもらいますさかい、今はちょっと……」

商店の亭主(55位)「(女房に)あほんだら、われは。美男と美女が連れ立って歩いてるのに、少しは気ぃ利かせえ。(向一と和泉に笑顔をつくって)いえ、いえ、なんも話ありまへん。行って、行って。二人でお茶でも飲んで」

和泉「嫌やわあ、小父さん……(軽く頭を下げて行く)」

女房「(亭主に)なんや、ええ格好さらしおって。うちかてわかっとるがなあ。ただちょっとだけご挨拶を……」

亭主「わかった、わかった」

和泉「(小声で)ああ、あかん。もうすぐバス停や。あの、もうすぐですよ。あの先の角を曲がったらすぐ……あの、そのバス停のちょっと先に茶屋がありますねん。お嫌でなかったらお寺の話でも致しません?」

向一「(照れたように)はあ、こちらこそ」

和泉「ほんまですか?嬉しーい。まあ、うちったら、ほんまに。あの、無節操女と間違わんといてくださいね」

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