君につづく
夜露流るる静寂の森
我ぞ誰か問うた
声は湿気っている
故に空見上げた
行き場のない月は
せめて虚空でも光っている
我一人とて光れるか
後悔の結露こぼれ落ちよとも
拭って前を向けようか
思い帰りて
浸るは 逡巡の至りか
それとも
過去にしか与を探せぬ弱さか
絶縁の淵
二人歩み渉った
もう振り向けど
広きなり道のみぞある
寂寞のお雨 飲み干して
現世を走り去りて
行くか
与の隣
会えてなお涙するは
悲しきてか
嬉しきてか
君死にたもうことなれど
我は与を離すまい
二言はない
なりて今
死して与に会いにきたり
笑いたもうよ
君ぞとばかり思った
心は
誠なり。