七転び八起きって転んだ状態から数えないと成立しなくね?(続)
「でだ、ここらが本題だ。この学園では毎年様々な行事が行われている。その中で最も大きな行事が神舞祭だ。
毎年6月から9月までの3ヶ月間にわたって行われる全国規模のお祭りで、この行事は大きく分けて三つの構成に分けられる。
一つ目はクラス代表決定戦。
二つ目が学園代表決定戦。
そして三つ目が全国の各学園代表同士で戦う対学園代表戦。
その一つ目が6月にあるわけなんだが…」
そこで先生は話すのを止めたが、俺には先生が言いたいことが分かっていた。
まずい…。まずすぎる。祭りは今から2ヶ月を切っている。それに対して俺は未だにオリジンの使い方すら知らない状態だ。
いわゆるあれだ…
「詰み。ってやつですね」
自分でも思っていなかったほど生気のない声が出てしまった。それくらい、今の状況は最悪だ
「まぁ落ち着け。まだ完全に終わったわけじゃねぇ。お前にもまだ、好きな子に彼氏がいるという噂を聞いてその子が噂の男の子と下校しているのを目撃してしまった、くらいの可能性は残ってる」
「ほぼほぼ絶望じゃねーか!仮にそれが本当に噂だったとしてもその子は俺には脈がないパターンだよ!」
思わずため口になってしまったが先生はあまり気にしていないようだ
「まぁ待て、今からなぜオリジンの測定を訓練所でしたのか教えてやる」
そう言い終わったと同時に訓練所の扉が開き、誰かが中に入ってきた。
「やっと来たか。連絡も取れねーからバックレたのかと思ったぜ」
「担任に直接呼び出されているのに無視してこれから学園生活が過ごしづらくなるのは嫌ですからね」
こいつは確か…黒宮だっけ。なんでここに?
「ま、結果的にいいタイミングに来たからよしとするか。黒宮、お前には今日から2ヶ月間天海を鍛えるのを手伝ってもらうから」
「「は?」」
初対面の男子と同じタイミングで出た言葉が訓練所に響いた