七転び八起きって転んだ状態から数えないと成立しなくね?
「まず、オリジンと魔力の違いについてだ。この二つの違いは、分かりやすく言うと能力と魔法ってことだ」
俺の頭の中が?で埋め尽くされる。
「結論を急ぎすぎたな。魔力には属性があるのは知っているな?」
俺は魔力は持っているため魔力のことは人並みに分かっている。
「はい。えーっと…火、水、風、土、雷の五つの属性ですよね?」
「そうだ。それに対してオリジンには属性なんてものは存在しない。魔法は魔力を持つ人間ならば同じものを使えるが、オリジンは一人一人違う能力だから同じものは存在しない。
つまり、オリジンはその人間そのもので魔力は服とか車ってことだ。
この世に全く同じ人間なんて存在しないが、そいつが身に付けている服や車なんかはたくさんあるだろ?分かりやすくいうとそんな感じだ」
なんとなく分かった気がする…。
「次に戦闘の話だ。みんなオリジンや魔力を使って戦うわけだが、戦闘において必ずというか当たり前にみんな行うことがある。
身体強化だ。これは魔力ではできない技だ。
この身体強化をしないと、相手との戦闘で同じ土俵に立つことはできない。
いくら他が優れていようと、相手を目で追えなかったりしたらもとも子もないからな。
ちなみに、剣術や柔術などの大会ではオリジンと魔力の使用は禁止されているが、オリジンによる身体強化だけは許可されている」
先生の話を聞いて今まで大会に出られなかった理由をはっきり理解した。
つまり、オリジンを持たない俺がそういった試合に出てしまうと下手をすれば死んでしまうこともあり得たからだ。
先生が言いたいことは恐らくそういうことだろう。