怒らないから正直に話せって言われて正直に言って怒られなかったことはない(終)
「すまんみんな、俺この後神宮先生に呼ばれてんだ」
既にカレーを食べ終えていたので席を立つ。
「えー、また呼ばれてるのか?このあとみんなで木ノ下の部屋で集まろうと思ってたのに」
「え!僕の部屋で?!」
聞いてないよと言わんばかりの顔で進の方を見るが進はおかまいなしだ。
「そうなのか。じゃあ俺も終わったら行くよ。後で木ノ下の部屋番号形態に送っておいてくれ」
「天海くんまで?!」
断ると俺の部屋になりかねんからな。すまん、木ノ下。
心の中で木ノ下に謝罪をしながら俺は食堂を後にした。
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「…遅い」
「…すいません」
訓練所を出てまだ一時間くらいしか経ってないんだが…
「こんなに俺を待たせた理由を言ってもらおうか。怒らないから正直に言ってみろ」
ここで、クラスの女子達と楽しく雑談していましたなんて言ったらやべーな。
「まさか、幼なじみのコミュニケーション能力のおかげで今日知り合った女子達と楽しくおしゃべりしてましたなんてことはないよな?」
なんで分かるの?!寸分くるいなくその通りなんですけどぉ!?
俺が図星だという顔をしていたのを見て神宮先生はため息をついた。
「まぁいい。さっそくだが天海、学園長からブレスレットを貰ってからオリジン使ってみたか?」
「いえ、貰ったのは昨日だったのでまだ使ってません。というか、使い方も分かりませんし」
「だろうな」
いつもより冷たく感じるのは待たせたせいではないことを祈りたい。
「うしっ!しょーがねぇ。めんどくせぇけど1から説明するからちゃんと聞いとけよ?知ってることや質問もあると思うが、まずは最後まで説明させてくれ」
「分かりました」
俺が納得したのを見て先生は話し始めた。