怒らないから正直に話せって言われて正直に言って怒られなかったことはない(続)
神宮先生が質問に答えようとしたとき、俺の携帯が振動で俺に着信を伝えた。
「ちょっとすいません」
先生に断りを入れてから電話に出る。
「もしもs」
「腹減ったーーー!!いつまで待たせんだよ!まだおわんねーのかー?」
思わず電話を耳から遠ざけてしまった。
そういえば食堂で待ち合わせしてたっけ…
「いや、測定はもう終わったんだけど…」
そう言いながら先生に目線で合図を送った。
「なんだ、昼飯まだだったのか。そうだな…、あいつもまだみたいだし、食べてきていいぞ」
「お!先生いいって言ってんじゃん!みんな待ってるから早く来いよ!じゃあな!」
プツン…
言いたいことだけ言って切る癖は治ってないな…。ん?
「みんなって言わなかったか?進の他に誰かいるのか?」
進が言い残した言葉に少し疑問を持ったが、食堂に行けば分かることなので向かうことにした。
「飯食ったらまた戻ってきてくれ」
「分かりました、じゃあ行ってきます」
俺はそう言い残して訓練所を後にした。
~~
「遅いよ天海くん!待ちくたびれちゃったー」
「お腹…減った」
「まぁまぁ、先生に呼ばれてたんだから仕方ないよ」
「誠の分頼んどいたぜー。ほい、カレー」
「…えっと、誰?」
食堂に着いた俺の目の前には進の他に三人の見知らぬ顔がある。
(いや、この女の子は確か…)
「あ、紹介するよ!」
「自分でするー!私は井上 三咲!同じクラスだから、よろしくね!」
自己紹介した女の子はショートカットの桜色の前髪をピンでまとめている。第一印象は活発な小学生って感じだ。
「私…花咲ひかり…。今日…二回目」
やっぱり、俺と同じで初日に遅刻したから覚えてた。しかし、本当にお人形みたいだな。
「じゃあ次は僕の番だね。僕の名前は木ノ下 陽太。よろしくね」
きちんとした自己紹介をした彼は、その見た目に反していた。
緑色の髪をオールバックで流しているので見た目はかなりいかつい…。
「一人で待つのは寂しいからここに来る途中で声かけたんだよ。いいやつらだぜ?」
まぁ進がそう言うなら間違いないだろう…。少なくとも俺が嫌いな人種(先程の御門のような人種)ではないだろう。
「俺は天海 誠。よろしくな!」
「よし!みんな揃ったところでさっそくいただきますか!絶品と噂の食堂の飯を!」
進の言葉を合図にみんなが食べ始めたので俺も席につく。
…なんでカレーをチョイスしたんだろう。
そう思ったがカレーは好きだし、待たせてしまったので余計な事は言わないことにした。