女ですから
実はわたくし、一度結婚いたしました。たしか35歳の時。帰って来ない彼のことはちょっぴり忘れかけていたんだけど・・でも。
そんな自分が惨めだし、なんと言っても、子供が欲しかった。
ちょっと極端かもしれないけれど、真面目で普通の男性ならそれで良かった。好きとか愛してるとか、そんなことはもう、わたくしの中ではとうに終わっていたのですから。
お相手の方はとても良いお方でしたよ。あの人なんかより。(失礼!)
でも、一年程ご一緒させていただいた後、わたくしの我が儘でお別れさせていただきました。
ごめんなさい。あなたは旦那様としては申し分のないお方でした。
最後の最後まで、あんな我が儘言う女に優しくして頂いて。
だけど、違ったのです。やっぱりわたくしの子宮は違う男性を求めたの。
こんな言い方するとふしだらに思われるかもしれないけど、決してそうじゃない。これは粛々と清らかな女の気持ち。
だってそうでしょ?男も女も、すべて人は子宮で育って子宮から旅立って行くんだから。
そうね、端的に言えば、子宮は尊い命の始まりなの。ちょっと盗用させていただければ、本当に魂の故郷なの。だから、子宮が受け入れたい男性は決まっているの。
「女は子宮で考える。」なんて言われて久しいけど、その意味が結婚してやっと分かった。
やっぱり、わたくしはあの人を求めていたのです。次の命はあの人と一緒じゃなければ無理だったのです。