表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
27/80

神南はどこ?

 俺の脳裏に、信じたくはない予想が浮かび上がった。

 乱戦状態の男たちと警官の輪の中に巻き込まれて、逃げ出せない。

 だとしたらだ、神南は無事では済んでいないはずだ。

 俺は慌てて、神南の名を呼びながら、その輪の中に飛び込んだ。


 「すみません。神南、神南」

 「邪魔だ」


 そんな俺はすぐに警官に腕をつかまれ、乱戦の輪の外に放り出された。

 あまりの勢いで放り出されたため、しりもちをついてしまった。


 「神南! どこにいる」


 しりもちをついたままもう一度叫んだ。

 だがやはり、神南の声は聞こえてこない。

 ただ警官と男たちの怒声と銃声だけが俺の耳に入って来る。

 再び立ち上がり、警官と男たちの争いを目の前にしながら、その中に神南の姿を探す。

 しかし、どこにも神南らしき姿を見つけられない。


 「神南!」


 消えた? なんて事がある訳がない。

 俺はあたりにも再び目を向けたが、やはり神南の姿はない。

 あの中のどこかにいる。やはりそう考えるのが正しいのだろうが、見つける事ができない。


 焦りが募りだした頃、男たちは警官たちに制圧された。

 争いが終わり、現場の様子が明らかになってきた。

 道路に広がる真っ赤な血。横たわる男たち。

 警官に連行される男たち。そんな男たちも無傷ではなさそうだ。


 俺はあたりをきょろきょろと見渡した。

 神南の姿がない。


 「神南は? 神南はどこ?」


 俺は近くにいた警官に詰め寄った。


 「神南佑梨の事か?」


 神南の名前を知っている。やはり、神南が言ったとおり、警察は神南を監視しながら、保護していたんだろう。


 「はい。さっきまでいましたよね?」 

 「ああ。確かに俺たちが駆け出した時には、俺たちの目の前にいたはずだったが」


 そう言って、警官は辺りを見渡して首を傾げてみせた。


 「危ないから、どこかへ逃げたんだな。きっと。

 仲間に連絡しておくよ。いずれにしても保護対象だしな」


 その警官はそう言って、俺の前から立ち去り始めた。

 警官でさえ、神南の行方を知らないらしい。

 どう言う事なんだ?

 俺としては煙のように忽然と消えた。そんなイメージだ。



 俺は神南はその場をさっさと離れて学校に向かった。そう信じる事にした。

 と言うか、それ以外考えられない。一人、人知れずあの場を去った理由と方法は分からないが。


 学校に行った俺は神南の姿を探した。

 神南の姿は学校には無かった。

 どうやら、俺が信じようとした事はただの願望でしかなかったようだ。


 だが、大きな成果はあった。

 学校に神南から体調が悪いため、今日は休むと言う連絡があったらしい。

 つまり、あの争いで精神的にダメージを受けた神南は体調の不良をきたし、あの場からさっさと引き上げ、学校にではなく、あの松岡の家に帰った。そう言う事のようだ。


 それなら、それで少しは安心だ。どうやって、いつ、あの場から離れたのか? と言う疑問は残るが。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ