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プロローグ

 自動ドアがまるで俺に恐れをなしているように一人でに左右に開き、そこを通り、外に出る。外は五月だというのに気温が高く、汗が少し浮かんでくる。

 地球温暖化の影響というやつだろうか。そうだとしたら人類は早急にこの事態を解決しなくてはならない。五月でこの暑さなのだ。夏本番にさしかかったら俺は外出もできず室内で飢え死にしてしまうんじゃなかろうか。なんてことを考えるくらいこれからの先行きが不安だ。もっとも暑さの原因が外気の温度にだけによるものではないのだが。

 視線を忌々しく輝いている太陽から下――――自分の周囲に移す。

 見ると子供連れの男女や高齢の夫婦ががぞろぞろとガイドブックなんか見ながら俺の横を過ぎ去っていく。

「いやーあ、賑やかだねー!」

「いやー、そうだねー! ……じゃねーよ、バカ! もうなんでこんなとこ来なくちゃいけねえーんだよ! だだでさえ今年は例年より暑いっていうのにこんな人が多くなる時期に!」

 と、糾弾する俺の声をかき消すようにバスが止まった。なんともタイミングが悪い。

「あ、バスきたよ」

「おい、無視して勝手に乗り込むんじゃねえよ!」

 嘆息しながらバスのドアが開いてすぐ中に入ったクロノスに続く。

 乗り込みながらなんでこんな所に来たのかを思い返す。


 ――――まずは二日前に遡ろうか。


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