住み着いた災厄7
さて、これからどうしたもんか。
あの後、クロノスは「先に行くね」なんて言って、俺を一人残して行ってしまった。
ま、このヘンテコなグール探知機の指す方に行って適当にグール倒せばいいか。早く済ましてさっさと寝よう。
俺は睡眠時間を獲得するためにヘンテコ探知機の指差す方に向かった。
探知機の指差す方へ行くとなぜか街中に出た。
夜でも街中には人が溢れている。……やばい。
なんたって今の俺は日本刀を持っているのだ。通行人にでも見られたら通報されること間違いなし。さーてどうしたもんかね。
どうやって人混みに入るか考えていると人混みの中に奇妙なものを見つけた。
少し遠くに亀裂のようなものが入っている。例えるとガラスにボールが当たって蜘蛛の巣見たいにヒビが出来たような感じだ。
パキン。
何かが割れた音がした。亀裂が広がり中から黒い球体のようなものが出てきた。
グールだ。
あのヒビからグールは出てくるのか。
「おらよっと」
アスファルトを力強く蹴り亀裂の入った場所へ走る。
さすがに異世界の技術で作られた日本刀を使っているだけあって体が軽い。今の俺なら多分オリンピックの百メートル走にでも出たら金メダルが獲れるだろう。
タッ。
一気に跳躍し、俺は亀裂に向かって刀を突き刺す。
見事にグールをごと亀裂を突き刺した。光の粒子となってグールは日本刀に吸い込まれていき、それと同時に亀裂も消えていく。
辺りを見回してみる。
どうやら誰にもグールを見られていないようだ。見られたら騒ぎになるからな。
……さて、次の場所へと向かうか。
俺は再びグールを狩るために人の目など気にせずに全力で走って探知機の示す場所へと向かった。
日本刀を持ち、気持ち悪い仮面までしてんのに誰も俺を見ない。そこそこ自分でも地味どとは思ってはいるけどこうも気づかれないと結構悲しいね。ほんと、魔法ってやつはすごいよ。
しばらく走るとさっきと同じような亀裂を見つけ中から黒い球体が出てきていた。
「いたいた」
先ほどと同じようにグールに一刺し。するとグールは光の粒子となって刀に吸い込まれていった。
あ~、慣れてくると結構楽だわ。これ。
また探知機が違う方向を示した。
よし、この調子でやればすぐ終わるな。
俺は意気揚々と次の場所に向かった。




