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2週間たちまして

少し短いです。

王子様こと潤くん視点。




「あ、潤くん、おはよー」


 空き教室を空けると、ふにゃりと周りに花が飛びそうな笑顔で迎えてくれた。ああ、癒やされる。にこりと笑って挨拶を返すと、芽依は更にうれしそうに微笑んだ。



 あの日、中庭で出会ってから、メールアドレスを交換し、どちらからともなく連絡を取り合い会っていた。昼休みであり、放課後であり、自習の時間を抜け出してきたり。毎日とはいわないが、数日に一度というほどよい距離感での関係は心地よく、自惚れでなければ芽依もそう思っているようだ。

 


 出会った日以外、中庭ではなく空き教室に集まっていた。中庭は誰に見られるとも限らない。木の影となって中庭の全貌は見えないものの、ふとした拍子に見られては困る。せっかくできた友達、ましてや女の子、いじめられないように配慮が必要だった。

 幸いにも保健の先生が親戚のおじさん、という立場を利用し、私情しかない理由で空き教室の鍵を仕入れている。以前から授業をさぼったり、女の子から逃げるために利用させてもらっていたのだ。


 芽依を空き教室に招いたところ、どうして鍵を所有しているのか、そして何故自由に利用できるのか、疑問に思っているようだった。顔にはっきりと「聞きたい」とかいていたが、聞いてはいけない雰囲気だと勝手に思い込んだらしい。

 聞いてきたら、からかってやろうと思ったのに。残念。




 芽依と出会って2週間。

 大分慣れてきたようで、まるで数年来の友達といっても良いほど和やかな空気で友達関係は続いていた。


 最初の方は、俺が微笑むだけで、ひっ、と悲鳴をあげたり。近寄るだけで顔を真っ青にしたり真っ赤にしたり。俺は化け物か、と思ったものだ。ちなみに、嫌がる女の子に無理矢理迫っているひどい男のようで、少しイケナイ気分になったのは黙っておこう。

 それは単に男慣れしてないという理由だったが、いつもは女性から怖いと思えるぐらい熱いまなざしを頂く身分、とても新鮮でした。


 ちなみに、途中で俺のことを先輩と思ったのか敬語を使い始めたが、無理矢理やめさせた。クラスの女子でさえ俺に対して敬語なのだ。息が詰まりそうである。芽依とは対等に接したい。



「ねえ、潤くん」

「ん?何?」

「ここの問題、分かる?私、数学苦手で」


 俺が来るまで宿題をしていたのだろう、広げられた教科書を指さす。

 もう問題分かんないから潤くん来るの待ってたんだ-、と言いながらへらりと笑う芽依に呆れたように声を出す。


「えー、何。俺に会うの宿題目当て?ひどーい、俺は芽依と会うの楽しみにしてるのに」

 

 ふざけるように言うと、何それ潤くんちゃらーい!と芽依はきゃらきゃらと笑い出した。つくづくよく笑う子である。




 芽依は今までの女の子と違い、普通の男の子として俺と接してくれる。

 

 中でも、俺がばくばくとご飯を食べる姿を興味深そうに見ていることには驚いた。

 以前、行為を寄せられていた女の子から引かれたことがある。たくさん食べても太らない体質だし、ニキビもできないのが納得できなかったらしい。儚げな印象で大食いというギャップは、王子様のように扱いたい彼女たちにとっては気に入るようなものではなかった。

 芽依は逆に自分がつくったお菓子などを、がぶっと豪快に食べているのに好感を持つらしく、満足げに微笑んでいた。


 また、俗っぽい話をしても芽依は気にしない。

 クラスの女子は、テレビの話やアイドルの話をすると幻滅したような表情で見ることあった。逆に俺はどんな話をすればいいんだ、男の子だもの可愛い女の子は好きなのは当たり前じゃないか…と思ってみたりした。

 逆に芽依は、会話の幅が増えるようで、ほっとしたようだった。にこにこと話も聞いてくれるし、盛り上がることもしばしばだ。




 うんうん唸りながら教えた問題を解く芽依を見る。

 目の前に俺が座っているのに、宿題の方が大事なのかこちらには目もくれない。

 それが心地よくも少し気にくわなくて、髪の毛をくるくると絡めて遊ぶ。もー!と言いながら怒ったように唸る芽依に甘くほほえみかけた。


 

 思ったよりこの関係が心地よい、なんて。




なかなか話が進みません(笑)

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