6. 彼女はやはりヒトに非ず
苦手なシーンが続きますが頑張ります
エナの提案に乗ることにした俺は、フラフラしながら部屋を出た。
腹の奥が情けない音を立てるたび、先程抱えていた悩みがなくなっていく。
まだ彼女に聞きたいことは山ほどある。
だが今は、それよりも先に満たさなきゃならないものがあった。
光に誘われる虫のように席に着いた俺は本能の赴くままに注文をする。
「肉と酒、あとパンも」
「そんなに頼んで大丈夫ですか?」
心配そうにエナが聞いてきた。
彼女が心配するのは、俺が小柄で細身なのが原因だろう。
しかしこれでも旅人だ。
体作りのためにも、飯はちゃんと食う派だ。
「なにも食べてないからな、普段も結構食べるんだぜ」
そう言って笑顔を向けたが彼女には、
「―――人間とは、不思議なものですね」
という感想しかもらえなかった。
自分の注文を終えたあとにエナが何も頼んでないのを思い出す。
「エナはなにも食べなくてよかったのか?」
そう尋ねると不思議そうな顔をして、
「精霊は魔力さえあればいいので、人間の食事は不必要ですよ」
とあっけらかんと答えた。
そうだった。彼女は人間の姿をしているが、上位精霊だ。
人とは違う理で生きる存在なのだ。
―――運ばれてきた食事を食べながら、色々気づいたこともある。
エナはテーブルに並べられた皿に一切興味を示さなかった。
分けるか聞いても断り続けるあたり、彼女には本当に食事が必要ないのだろう。
それどころか水の一杯も飲まないので、なんだか罪悪感すら感じるほどだ。
食事を終えた俺は彼女に部屋での続きを持ちかけることにした。
「なあ、エナには色々と聞きたいことがあるんだが....」
彼女はわかっていたかのように
「―――そうでしょうね、では部屋に戻りましょうか」
と予定していたような回答をした。
部屋に戻った俺たちは、中断していた話を再開することにした。
俺はまず、先程からずっと引っかかていることを彼女に聞いた。
「―――エルナビス、お前は何者だ?」
精霊とは、魔力と意思の集合体だ。
自然に由来し、人の感情や概念に呼応して生まれる存在。
だがそんな精霊にも弱点はある。
精霊は金属に触れられない。
それがこの世界の常識だ。
だからこそ人間と契約し、共に力を合わせて戦うことを続けてきた。
それなのに――
「だがお前は、俺を剣に変えるばかりか――」
「当たり前のように、それを振るっていた」
触れることすらできないはずのものを扱う。
それはつまり―――
「精霊には、絶対にありえないことだ」
しかし、俺は彼女は精霊契約を結ぶことができた。
それが俺の疑問をさらに深くしている。
「もう一度、あえて聞く」
「お前は本当に精霊なのか?」
俺の問いかけに彼女はただ微笑んでこう答えた―――
筆がのると文字数が増える病....
頑張って続けます




