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4.剣の初陣


(―――こんなのありかよ...)


宙を舞う魔物の足を見ながら、俺は呆然とするしかなかった。

事態があまりに突飛すぎてまだ飲み込めていない。


警戒しているのか、あの狼はすかさず俺たちから距離を取った。

そして―――


オオオオォォン――


再び耳が張り裂けそうな遠吠えが、森一帯に轟いた。

あいつが出てきてから、さっきまでの雑魚魔物が姿を見せない。

――恐らくやつが、群れの頭目なのだろう。


「多分、さっきの群れがまた来るぞ!」

「....そのようですね」


森の奥から茂みをかき分ける音が無数に迫ってくるのが聞こえる。


「一気に片付けます!アル、先程の魔力が交わる感覚を覚えてますね?」

彼女が言っているのは、契約時に感じた魔力の感応現象だと直感的に察した。


「ああ、わかる」

「では、もう一度お願いします」


彼女の言葉を聞いた後、自分の体に意識を集中させる。

肉体は剣になっているようだが、俺の右手には彼女の左手の感触を確かに感じる。

(だったら―――)

刻まれた紋章に魔力を送るイメージを浮かべると、また体の奥で熱が湧き出るのを感じた。

すると、

「……装填、開始」

剣を振りかぶった状態でそう呟くのが聞こえた。

その台詞と同時に、茂みから魔物が一斉に飛びかかってきた。


「エルナビス!!!」

助けなければと反射的に体を動かそうとし、今の自分が彼女の剣であると思い出す。

(このままじゃ...)

そう思ったその時、

「装填、完了!」

剣がひときわ光を帯びたと同時、

「ヴァルキューレ!!!!」

彼女が剣を振りかぶった。


ドォォォォォォォォン


「............は?」


光が放たれると、先程までいた魔物はまとめて消し飛んでいた―――

俺が唖然としたのは、それが魔物だけでなく、森の景色ごとだったことだ。


「さあ、あとは...」

「あなただけですね」

そう言って剣を向けた先には、先程の攻撃をギリギリで避けたであろう瀕死の巨狼がいた。


グルルルゥ……


全身ボロボロだが、威嚇をしながらこちらの様子を伺っている。


しかし彼女にとってそんなことは関係ないようだった。

「ふぅぅーーーーーっ」

息を吐きながら、突進の構えをとる。


ガァルゥ!!


あちらも危機を感じたのだろう。

足を一本失っているとは思えないほどのスピードと跳躍で、この場を去ろうとした。


「逃がしません!!!」


だが、音すら置きざりにした彼女の踏み込みはそれを許さず―――

巨狼が飛び去る前にその首を落としていた。


「すげぇ...」

あまりに次元の違う戦い方に、俺はようやく声を出した。


「これが私たちの力です」

「どうですか?後悔してます?」


そう微笑みかける彼女に、俺は一言

「……カッコイイよ」

とだけ言った。


「さて、それでは当初の予定通りにクセルまで向かいましょう」

「そうだったな、今から向かえば夜にでも...」

ふと恐ろしい想像が頭をよぎりたまらず彼女に聞いた。

「俺、どうやって戻るの?」


その質問を受けた彼女は―――

なぜか脂汗を流しながら目を逸らした。


「おい!なんとか言えよ!」

「だ、大丈夫です!ただ初めてなので少し不安なだけで...」

目が泳いでいるあたり、恐らく本当なのだろう。

俺はたまらず叫んでしまった。


「これ以上脅すんじゃねぇぇぇぇぇぇ!!!」


戦闘シーンを書くのははじめてです。毎回書いてる作家さんの偉大さを知りました。

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