第四話 望んだ死
主人公:桔梗 麗羽。14歳。両親の家庭内暴力と学校でのいじめに耐えかね、自殺未遂。病院に搬送される。
ここ…夢でも見ているのかな。
私は真っ白な部屋にいた。
頭に声が流れてくる。
『ようこそ、Fatalルームへ。ここであなたは生か死かを選ばなくてはいけません。この先にいるのが先人たち、後ろには現世。どちらの声に耳を傾けるかはあなた次第です。道を選ぶのもあなたです。ここにいる間、現世でも同じように時間が流れています。限られた時間ではありますが、その猶予の中であなたが後悔しない選択をできますように。では。』
あ…。
おじいちゃん。おばあちゃん。
『今まで、よく耐えたね。』
『もうこっちに来てもいいのよ。』
おじいちゃん…おばあちゃん…。
私、頑張ったよ。
お母さんがね、物で叩いてくるの。
お父さんもね、暴言を吐いてくるの。
学校に行っても楽しいことなんてなくてさ。
私、もう楽になりたい。
『ええ、来なさい。』
祖父母の方に行く。
2人が抱きしめてくれる。
ああ…暖かい。
その頃、現世では____。
ぴっ。ぴっ。ぴっ。ぴっ。
なかなか起きない…。
ピ―ッ!
心停止!?
「患者急変!すぐに応援を!」
その子の心臓はもう、動くことがなかった。
もっと早くかけつけていれば…。
見ると、彼女が微笑んでいる。
あぁ…やっと楽になれたんだね。
どうか。
この子が安らかに眠れますように。