表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/6

第三話 生への恐怖

主人公:(あかつき) 切歌(せつか)。10歳。親から虐待を受けており、意識を失って病院に搬送された。


現世の声:医師・八乙女(やおとめ) (そう)

なんか、夢を見ているのかな。


真っ白な部屋。


誰もいない。


怖いよ…。


誰か…。


『ようこそ、Fatalルームへ。ここであなたは生か死かを選ばなくてはいけません。この先にいるのが先人たち、後ろには現世。どちらの声に耳を傾けるかはあなた次第です。道を選ぶのもあなたです。ここにいる間、現世でも同じように時間が流れています。限られた時間ではありますが、その猶予の中であなたが後悔しない選択をできますように。では。』


え。


そんなこと言われても困るよ。


早くここから抜け出さないと。


でも…。





あれ?


おじいちゃんとおばあちゃんがいる。


おじいちゃんたちが心配そうな面持ちで言う。


『こんなところに来てはダメでしょ。戻らないと。』


でも…今戻ったら、またお母さんたちに殴られるの。


棒を叩きつけられて、怒られるの。


私、戻りたくないよ。


『ううん、もう大丈夫。あなたに暴力をふるうような大人はもういないから。』


え…?


これは…私?


私は病室で眠っていた。


そのそばにいるのは…お医者さん?


「戻っておいで…。もう大丈夫だから…。」


本当に?


『ええ、ほんとよ。大人の人たちがあなたを守ってくれる。だから、戻って大丈夫よ。』


私…もう怖い思いしなくていいの?


私…やっと解放されるの?


うん…。私、戻るね。


ありがとう、おじいちゃん。おばあちゃん。





手を振る2人。


少し怯えながらも、私は扉を開いた。
















「…きこえる?切歌ちゃん。」


あ…。先生…。


「私…。」


「もう大丈夫だよ。もう君に暴力をふるうような大人はいない。俺が守るから。大丈夫。大丈夫。」


私は泣いた。


思いっきり泣いた。












その後、施設に送られた私。


施設での生活は楽しい。


おじいちゃん、おばあちゃん。私、生きててよかった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ