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「できた…!」



 早いものであれから二ヶ月が経った。

 この二ヶ月は毎日開発に明け暮れていたが、当初の予定していた一ヶ月の倍の時間がかかってしまった。前世とは違う材料に手こずってしまったのが要因だ。ただそれでも化粧水自体はとてもいいものができたと思う。

 それに同時進行ですでに平民向けに発売しているハンドクリームの貴族向け商品も作った。平民向けのハンドクリームは日常生活で使うことがほとんどなので無香料なのだが、貴族向けには優雅で上品な香りがするものを作った。今回はこの二つを売り出す予定だ。


 早速ラフィーネ様とクリス姉様に使ってもらうことにした。二人はあれからずっとソワソワしていたようで、完成したことを週に一度ご一緒する夕食の席で報告するととても喜んでいた。そしてそんな妻たちを微笑ましそうに見守る夫たち。グレイル公爵夫妻と嫡男夫妻は仲が良さそうで何よりだ。

 今後この化粧水やハンドクリームは妻や彼女への贈り物としても需要が増えるだろう。私はウハウハである。


 それから試しに一ヶ月使ってもらった結果、大絶賛の嵐であった。もちろんいい物ができたとは思っていたが、肌に潤いを与えるという発想がなかったこの世界の人には、とてつもない発明品に見えたのだろう。この結果であれば間違いなく売れる。

 それに化粧水もハンドクリームも消耗品だ。使えば無くなるのでまた買うしかない。だから一度気に入ってもらえればずっと買い続けてくれるはずだ。


 だが今はまだ他の人を雇って作らせるのは時期尚早だろう。しばらくは私が一人で作るしかないが、レシピが出来上がっているので大した労力ではない。それに最初はラフィーネ様とクリス姉様から紹介された人にだけに販売していく限定販売にする予定だ。


 リオと連日販売戦略を練り、その合間に商品の在庫を準備した。


 そして商品完成から二ヶ月後、満を持して販売を開始したのだった。


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