表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
完璧なエンディングを作る方  作者: アトラス
6/7

魔物も食えるもんだ

 魔女、バトリ・エルゼベト。

 あらゆる個性強い先生たちが集まってる子の学院でも最も個性が強いんじゃないかと思われる先生である。

 バトリの記録はゲームプレイしながら見つけることがたまたまあるんだけど、大体、信じられないほどの虚言っぽいなものが多い。

 1人で王国を滅亡させたとか、神々に挑戦したとか。

 ありえない記録があるんだけど、ほとんどは事実だ。

 そんな人が何故学院の先生をやっているのかは誰も知らない。私としては学院長となんだか取引があったんじゃないかと推測するだけだ。


「ポイナス、ここからはちょっと黙ってくれるか?」

「うむ。そうしよう。」


 私の頼みに彼女は頭をうなずいた。ドラゴンである彼女がこんなに簡単に退くのはバトリから本能的に危険を感じたからだろう。

 私たちが焚き火に近づくとバトリの視線が私たちに向かった。


「久しぶりだなぁ。ここまで誰が来たのは。」

「…失礼します。今度入学したダビと申します。隣は同じく入学生ポイナスです。側に座ってもよろしいでしょうか?」

「勝手にすればいい。どうやってここまで来たのかわからないんじゃが……。こう見るとお前ら特異な匂いをしているなぁ。」


 悪くない。バトリが私達に興味を持った。

 私が覚えている限り、彼女は興味があるものじゃなければ手を出さない。逆に言えば、彼女の興味を引きだせないと授業を受けるのができないかもしれない。

 記録上、バトリの授業を受けたのは何十年も前の生徒、それもたった1人だけ。確かにバトリと同じ魔女の才能があったから、彼女の興味を引き出すのができたんだろう。

 そして、今私とポイナスは彼女の興味を十分に引き出すのが可能な組み合わせである。

 私は<死神代理>などの才能を持っているしポイナスは死龍だ。



「女はドラゴン、あなたは何者だ?死の匂いが濃いすぎるんじゃないか。本当に生きている人間なんじゃ?」

「はい、こう見えても生きてますよ。そして私達がここに来た理由なんですけど。」

「わかっておる。わしの体を欲しくって来たんじゃの?」

「え、ダビ、それまじなのか?」

「まじわけあるか!」

「キャハハっ。冗談じゃよ。冗談。新入生だって言ったから、わしの授業を聴きに来たんじゃろう?<魔物料理>を。」


 冗談も怖い冗談をする。

 とにかく、そう言いながらバトリは被っていたローブの帽子を外した。すると帽子の中で登場するのは人間とは思われないほどの美しさの美少女だった。

 少し薄色めの赤い髪の毛と血色の目。

 そう、バトリは人間ではない。魔女でもなるが彼女は吸血鬼でもある。それも何百年を生きて来たか分からないほどの老怪。


「はい。是非、<魔物料理>授業を受けたいんです。」

「そうか、そうか。何年ぶりの学生が分からないんじゃのう。だけどわしは簡単に学生を受ける先生ではないのじゃ。」

「覚悟はできています。」


 私は<魔物料理>の解禁条件を思った。

 第一の条件は学院と迷宮で記録を集め焚き火に到達する方法を探す事だ。

 第二の条件はバトリから関心を引き出すこと。

 そして、第三の条件は彼女が作った魔物料理を食って満足する答えを出す事だ。

 単純に美味い、美味しいじゃダメ。それは逆にバトリを怒らせる。

 彼女が私を見ながら話した。


「じゃ、最初は何故魔物料理を選んだか聞いてみよう。」


 何故、<魔物料理>を選んだか。

 それは簡単な話だ。迷宮で一番大事なのが食料だからだ。

 迷宮攻略は長ければ1週以上にかかることもある。このゲームはハードなゲームなのでキャラの空腹まで調節しなければならない。

 迷宮で餓死したくないなら食料を持って行くしかないんだけど持って行く食料には限界がある。

 それでこれをどうすればいいか考えた先に思いつかんだのが記録に残っていた魔物料理ってことだ。

 魔物料理は現地調達出来るので食料を持っていく必要もない。そしてたまたまいろんな抵抗力が上がる時もある凄いスキルである!

 なのに何でこの授業を受けないか、と聞くとまず焚き火まで来るのが難しいし、魔物料理は食べるとたまに死ぬ。

 でもそれは魔物に残っていた魔気を全部除かなかった時だ。私は何百回もこの授業を受けたのでそんな初歩的なミスはしない。

 まぁ、とにかく。考えをまとめた私は笑いながら口を開けた。


「魔物料理は世界で一番美味いと聴いたからです。」

「そうじゃ!いよいよ魔物料理を理解してくれる奴が現れたのか。そこのドラゴンのちびっ子は?」

「知らん。我輩はこいつが美味しいものを食わせてくれると聴いたから着いて来たのだ。」

「それもまた正論であるのじゃ。」


 バトリは満足した顔で側にあった大きい鍋を焚き火の上に置いた。そして水といろんな食料を入れて火力を上げた。

 長いヘラで中身をよく混ぜたバトリはそれを私達に一皿分けてくれた。紫色の怪しいスープ。


「じゃぁ、食べると良い。そして感想をわしに言ってるのじゃ。」


 魔物料理の最後の条件。

 魔物料理を体験する事。

 そして、最大の難関だ。

よろしくお願いします

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ