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決意

「また魔王が現れようとしています。」


衝撃だった。何故という疑問が浮かび上がる。そこまでわかっているのなら事前に阻止することはできないのだろうか。


「…すいません。私達ではどうすることもできないのです。これが世界の仕組みなのです。神とは言ってもこれには逆らうことは出来ないのです。」


なにやら難しい問題があるようだ。となるとまた魔王と勇者の戦いが始まるということだ。それにしても何故それをわざわざ俺に伝えるのか。…まさか!?


「そうです。私達は貴方に勇者の力を授けようと思います。」


やはりそうらしい。


「すいません、このような心苦しいお願いをしてしまって。貴方に死にに行けと言っているものです。ですがその上でお願いです!どうか勇者として魔王を討ってもらえませんか?」


その話を聞いて初めに頭に浮かんだのは俺の身近な人たちだった。戦いの中で彼らを守れる力が欲しい。そう思った。


「……わかりました。俺に勇者のジョブを授けて下さい。」


「本当にいいのですか?貴方は魔王を討ったあと、死んでしまうのですよ?」


「俺は俺の周りの人たちに笑顔でいて欲しいんです。そのために勇者になります。」


「…わかりました。ありがとうございます。どうかよろしくお願いします。」


そうして俺は勇者のジョブを授かることになった。


「この者のジョブは勇者!?」


神官の宣言と共に周りにざわめきが広がる。


「お、おぉー、さらに信託が!!魔王が復活する!勇者を中心に備えよ!とのこと!」


それと同時にあたりは大騒ぎとなった。

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