プロローグ
新作です。よろしくお願いします。
「・・・きて、お兄ちゃん、ほらおきて!」
その声とともに布団を大きく捲られる。そして、すぐ後に、窓が開けられて、日差しが差し込むとともに、まだ少し肌寒い春の風が吹き込んだ。
「うっ、まぶし。さむっ!」
つい、また布団に潜ろうとするが、
「ほら寝ない!もう朝だよ!」
と言われてようやく目が冴えてきた。すると、綺麗な金髪が目に入る。
「ふぁーーー。おはよう、セリア。」
俺は起こしてくれた人物に声をかける。
「はい、おはよう。今日は私たちのジョブ選択の儀式の日でしょ!早く顔洗ってきて!」
義妹に言われ俺はようやくそのことを思い出した。今日は1番歳下のセリアが15歳になったことにより、昔から仲が良かった幼馴染の姉妹と俺と俺の義姉妹で教会に行くことになっていたのだ。
「そうだったな!起こしてくれてありがとう!!」
俺はそうセリアに礼を言って自分の部屋を出た。
「やっと起きたか、遅いぞセト。」
洗面所に向かおうとすると、そう声をかけられた。
「おはよう、義姉さん。」
彼女はルーネ。セリアよりも少し暗い金髪をしている俺の義姉である。彼女とセリアは俺が幼かった頃に父の再婚でできた義理の姉弟である。
「早く準備してこい。もうすぐ、アリアとイリスも来るぞ。」
アリアとイリスは俺達の家の隣に住んでいる幼馴染の姉妹のことだ。彼女達と一緒にジョブ選択の儀式ひ行くことになっていた。
「そうだった!姉さんまた後で!」
俺はそう言って洗面所へ向かった。
顔を洗い、急いで朝ごはんを食べていると、
「あはようございますー」
と言う声がして、2人少女が入ってきた。
「セト、まだご飯だべてなかったの?」
そう言って綺麗な顔を若干呆れさせながら俺に声をかけてきたのは同い年のアリアだった。
「ふふっ、セト君は相変わらずですね。」
続いてそう言ったのは妹のイリスだった。2人ともサッサリの顔をしているが、アリアの方が目が少し釣り上がっていて勝ち気そうな印象を与える。それに綺麗な赤髪をしていた。
それに対してイリスは艶のある銀髪で、垂れた目が優しい雰囲気を醸し出していた。
「こんな朝から可愛い女の子達に囲まれてセトは幸せね。」
そう言ってからかってきたのは義母であるリューネさんだった。
「なっ、からかわないでくれよ!」
俺がそういうと、皆んなクスクスと笑っていた。まー実際に幼馴染姉妹と俺の姉妹はちょっとやそこらでは見かけないほどの美人なのだが。
「ほら、早くいく準備しちゃいなさい。」
リューネさんにそう言われて、俺は今日の用事を思い出す。
「そうだった!早く食べ終わらなきゃ。皆んなもう少しだけ待ってくれ!」
俺はそう言って、朝ごはんを大急ぎでかきこんだ。
「「「「「行ってきます!!」」」」」
声を揃えて俺達は小さな村から街へと出発した。
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