ギルド
「此処が私たちが所属してるギルドよ!」
へぇ〜やっぱり大きいな、建物がでかいし人の出入りも激しい、多分中にはもっと人が居るんだろうな。
「では中に入りましょうか」
なんか少し緊張して来たかも、だってギルドだよ?ゲームの世界ではありふれてたけどやっぱり現実に行くとなるとワクワクする!
中に入ってみるとなんか酒場っぽいかな?たくさんテーブルと椅子が置いてあって武器や鎧を身に纏った人達が大勢いる。なんか予想どうりの内装だ!何だかこの風景を見てると懐かしい感じがするな〜ってなんか周りからすごい見られてる気がするのは私だけだろうか?
(おい!見ろよあれ!)
(うお!なんだあの美人!あんなの俺が通ってる店にもいねぇぞ!?)
(だよな!俺も今まで見て来な中でも間違いなく一番の美人だぜあれは)
なんかコソコソ話してるみたいだけどステータスカンストの私の聴覚にはバッチリ聞こえてるんだけどね〜まぁ確かにこのキャラは私の渾身の作品だからね見惚れるのは無理ない事よ!でもさっきから胸やお尻に視線が集まっているこの状況はなんとかしたいかな。
「お帰りなさいハルクさんクエストは如何でした?」
「その件で少し話したい事があるからギルマスに話を通してくれないか?」
「はぁ、分かりました少し待ってください」
受付?と何やらやりとりしているハルクさん達、ちょっと今私をあまりひとりにしないで欲しいかな〜なんて思ったりして、だって周りの目が今殆ど私に向いてるんだよ!?ほら!あっちなんて誰が最初に声掛けに行くか賭けまで始まってるし、怖いからハルクさんたちの近くに移動しよう。
「ハルクさんギルドマスターがお会いになるそうです」
ギルドマスター!いきなり大物の名前が出て来たんだけど何が如何なってんの?まぁ、私には関係ない可能性もある訳だし此処は簡単に登録だけして早く宿なり何なり探してゆっくり寛ぎたい。
「ヨルハさんそれでは行きましょうか」
おうジーザスこの流れはとても嫌な流れな気がする、私の感がそう囁いている。
面倒事は正直巻き込まれたくないし早く宿を見つけてベッドでゆっくりしたいからできればマスターには彼らだけであって話をつけてもらいたいんだけど、でもさすがにそういうわけにもいかないよね〜だって賄賂まで使って私を此処まで連れて来たんだから。
「ハイ(泣)」
どう考えても逃げられない状況に悲しみにくれる私。
・・・・
コンコン
「入れ」
うわ〜なんか声からして既に苦手な感じのお堅いイメージを感じさせるな、絶対顔怖いこれは賭けてもいい絶対に学校にいる学年主任クラスの怖い顔が待っているに違いない!
「失礼します」
え〜入るの〜?私持病のギルドマスターの部屋に入ってはいけない病が発症しているんだけどそんな状況でも入らないとダメかな?ダメですかハイ。
「それで一体何があったんだ?それにそっちの女性は誰だ?」
はい的中!ここまでくると私の予想的中率が恐ろしいことになっている!だってこの国に来てから私の予想完璧に当たってるんだよ!?何未来予知クラスよ!?この的中率は!ってそんなことよりも。
「初めまして、私はヨルハと言います」
「彼女は私たちの命の恩人ですよギルマス」
「命の恩人?お前たちそんな危険なクエストに向かったのか?確かお前たちのランクではそんなに高いクエストは受注不可のはずだが?」
「はい、私たちが受けた依頼は簡単のものです、予定では昼頃にはここに帰れると思っていたんですが、予想外の出来事があって危うく命を落としかけました」
「してその予想外の出来事とはなんだ」
「薬草の採取をしていたら突然ハイオーガと遭遇し戦闘になりました、ギルマスも知ってのとうりハイオーガは最低でもBランクの冒険者クラスでなければ太刀打ちできない強敵です、Dランクの僕たちでは敵う訳のない相手です。」
「そんな角に遭遇して生きて帰ってきてるって事は原因はそっちのお嬢さんか?」
ヒェッ!急にそんな鋭い視線で見ないでよ!びっくりするじゃん!昔から私そういう鋭い視線が苦手なのよ!さっきの舐め回すような
視線もキツかったけどこっちもかなりキツイ。
「はい、彼女が僕たち4人を助けてくれたんです、もし彼女が来なかったら僕たちはきっと殺されていたはずです」
「成る程、どうしてそんな浅い地点に奴がいたのか何か心当たりはあるか?」
「いえ、全くありません」
「ヨルハさんだったかな?君は何か知っているか?」
「いえ、何も知りません」
「ふむ、これは一旦調査が必要だな。しかし君は如何やってハイオーガを倒したんだ?」
「かかと落としで」
「?」
「?」
あれ?私なんか変なこと言ったっけ、あのモンスターを倒した時確か、かかと落としで沈めた筈だったよね?聞かれたことをそのまま答えたけど説明不足だったかな?
「僕から説明します、戦闘中ハイオーガによる高出力の攻撃から仲間を守るために防御の体制を取っていた僕たちの上空からヨルハさんが突然降って来て落下する勢いを乗せいたかかと落としでハイオーガを一撃で倒したんです」
「一撃だと?ハイオーガを一撃といったのか?」
「はい、僕達全員が目の前で見ました。彼女の攻撃によりハイオーガの頭部は潰れていました」
「頭部をか」
ん?まずくないこれ高ランクの冒険者たちでしか倒せない敵を私1人倒したって事は疑われるかその力を証明してみせろ!
とか言って面倒なことになるんじゃ?
嫌だよ!実力をみせろとか言っても私は何もしないからね!?しないったらしないから!
「話はわかったこの件については俺の方で調査を進めてよご苦労だったな、もう行っていいぞ」
これはまさか何も問題が起きずにこの部屋を出れるのでは!?このまま下の階に行って登録を済ませて宿を探してベッドでゆっくり休めるのでは!?間違えて百発百中の私の予想がそう言っている!ならばそうなるに決まっている!
ハルクさん達と一緒に出て行こう!そうしよう!・・・・え?フラグ?そんなのある訳ないでじょ?