表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/15

不穏な影part2

今回受けた詐欺事件は難易度がCなので、殺人など人の命に関わる事件では無い。だからと言って気を抜くわけには行かない。


肝心の事件の詳細は、ブランド物のバッグを流通している価格の半額で売りつけると言うことだ。店舗は構えておらず訪問販売をしている。見た目は30代の清潔感のある男性らしい。営業する際は見本として本物のブランド品を見せ、購入した客には包装された箱に入った偽物を受け渡している。

以上が今回の詐欺事件の詳細だ。



「どうやって捕まえようか?」


「んー。 とりあえず、今までの被害者から聞き込みをしようよ」

僕もルールの提案に賛成し、被害者が1番多い15区へ移動した。

15区に着き、被害者である加賀さんの自宅へ行った。インターホンを押し自己紹介と目的を伝えると快く話を聞かせて貰える事になった。


「まず、こちらが偽物のバッグです」加賀さんが買わされた偽物のバッグを出した。一見、本物の様に見えるがブランド品やオシャレなど一切興味が無い僕の感性は当てにならない。一方、オシャレに詳しそうなルールはバックを見て違和感に気づいた。


「このバッグのロゴが本物と少し違う。 それに生地の素材はこんなにザラザラしてる訳無いよ……」

偽物のバッグの特徴が分かったところで、次に営業に来た犯人の特徴を教えて貰った。


「営業に来たのは30代位の眼鏡を掛けた170cmくらいの男性で、丁寧な言葉遣いで人当たりの良い印象でした」

ここまでは情報通りだ。眼鏡は気持ち程度の変装なのかな?


「癖など変わった点はありましたか?」なるべくトレースは使うつもりは無いが、犯人像が分かる情報は必要なので聞いてみた。


「ネクタイが虎柄で目立っていたのと、ジェスチャーが大きかった事くらいです」


「なるほど、貴重な情報をありがとうございます」

かれこれ20分程加賀さんから話を聞きいて家を出た。

あと3人位から直接話を聞きたいな。


その後も加賀さん以外からも話聞きに行った。ルールが広い人脈を駆使して有益な情報を持っていそうな人を優先的にピックアップしてくれたおかげで効率よく聞き込みが出来た。

それで得た情報を整理してみる。


・ネクタイが特徴的。

・ジェスチャーが大きい。

・眼鏡は必ずしも掛けている訳では無い。

・車で移動している。

・15区の南エリアに頻繁に現れる。

・一人暮らしに人をターゲットにしている。

・人物像の特徴の一致率的に単独犯。


「ルールのおかげで犯人像が見えて来た。 初日でここまで情報が集めれたのはルールのおかげだ」


「そう? ふふんっ、あたし人を見る目や扱う事には自信があるからね!」


「ルールは敵に回さないように気をつけるよ。 じゃないと居場所が無くなりそうだ」


「あたしの事は大切にしてよね? なんちゃって! あ、1つ聞いても良いかな?」


「構わないよ」


「今日の朝、生徒会長と何を話してたの?」何故そんな事を気にするのかと疑問に思ったが、深刻な雰囲気で尋ねるルールから生徒会長との間に何かあるのは明白だ。


「動物虐待の事件について聞かれただけだよ」


「本当にそれだけ? 他に何か言われなかった??」


「それだけだよ。 それに途中でルールに連れてかれたからね」


「なら、良いんだ! それとそんな小さなことを気にしていたらモテないぞ!?」

さっきまでの緊迫した雰囲気は何処かに消え、いつもの明るいルールに戻った。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ