探偵養成機関に転入
小説を書くのは初めてなので、文章力が足りないかもしれません。
それは経験を積む事で改善されていくと思うので長い目で見てやってください……。
また、ブックマークや高評価を頂ければモチベーションが上がるのでよろしくお願いいたします。
事件が起こると警察に任せるのは良いことだが最善ではない。
僕は警察を信用していない。マニュアルのような方法でしか事件を解こうとせず、事件を迷宮入りさせることもしばしばある。
だから、僕みたいな存在が必要だ。
「では、転入生を紹介します。 今日からこのクラスに転入することになる“ルナ(Luna)”君です」
おっとりとした20代中盤くらいの担任から紹介される。
「2年生からの転入となるコードネーム”ルナ(Luna)”です。 フィルムメーカーを逮捕するために編入してきました。 これからよろしくお願いします」
そう、ここは普通の学校ではなく事件を対処する人間を養成する機関だ。
正式名称は“事件処理対策養成高等学校”という長ったらしい名前により、事故(Accident).
処理(Processing).対策(Countermeasures)の頭文字をとって“APC”と略される。
APCはかつて東京と呼ばれた開発都市に拠点を構えている。
開発都市は西の1区から東の20区まで存在しており、APCは8区に位置している。
「ルナは月の意味だよね? うん、良いコードネームだね!」
見るからにカーストトップに君臨していそうな茶髪の女子が僕のコードネームを褒める。
「ありがとう。 これは理事長に付けられたコードネームなんだ」
“APC”は性質上、犯罪者から恨みを買うため身の保身として本名は隠される。
コードネームは自分で考えたり、誰かに付けて貰うなど様々な形で決定される。
「2年生からの異例の転入。そして、理事長直々にコードネーム付けられる。 よっぽど優秀なのかな? 因みにあたしのコードネームは”ルール(Rule)”だよ、よろしくね」
規律を順守する意味でのコードネームかそれとも支配や統治する方なのか。
それはおのずと分かってくるだろう。
ざっと見た感じ、クラスは20人。僕のいる2-Cのクラスを含めて2学年は3クラスしかない。
1学年は5クラス、3学年は1クラスあることから、どうやら卒業まで生き残れる素質のある生徒は絞られていき素質があり優秀な生徒だけが卒業できる仕組みとなっている。
そして、卒業後は探偵として高位の機密情報へのアクセス権や世界中のあらゆる機関を動かす権利が手に入る。
その後、平凡に授業が進み放課後になった。
このまま帰ろうと思った矢先、事件が起こった。
「ない! 俺の財布が無くなってる!!」
確か、背は平均くらいで黒髪のヤンチャそうなあの人はコードネーム“マッハ(Mach)”だったはず。
どうやら机に入れていたマッハの財布が無くなっていたらしい。
「おい、マジかよ」「今までこんなこと無かったのに」「面白くなってきたね」
ざわざわとクラス中が騒ぎ始めるが、みんな事件が起こったのに楽しそうな表情を浮かべている。
これが“APC”の生徒なのか……。
「まぁ、怪しいのは今日転校してきたルナティックですよね?」
いきなり疑ってきたこの人は、いかにも優等生な黒髪で眼鏡を掛けている“ホーク(hawk)”だったよな?
見た目とぴったりのコードネームで覚えやすい。
「ちょっと待って、僕は財布なんて盗んでない!」
「なら、証拠を出せばいいんだよ!」
ルールは簡単そうに言うが、やっていない証拠を出すのは難しい。
「証拠なんて出しようがない……」
知り合いが誰も居なく、信頼関係が無い僕が犯人にされるのは当たり前だと諦めるしかないのか……。
「ルナ、一度しか言わないから良く覚えておいて! ここは探偵を目指すものが集まる場所だよ? 無実の証拠が出せないなら財布を盗んだ犯人を自分の力で見つけなきゃ!!」
どうやら、誰にも頼ることは許されない。
自分の力だけで切り抜けろということか。
このクラスの雰囲気かそれともルールに乗せられたかは分からないが、気が付けば僕もこの状況を楽しんでいた。
「まず、マッハの身長や体重、それから性格などの様々な情報を教えて欲しい」
僕がマッハに頼むと以外にも心よく教えてくれた。
「いいぜ、身長は170cmで体重は65kg。 よく考え無しに行動するって言われるな、俺はそうは思わないけど! 趣味は車の運転をすることだ」
APCでは車の他にヘリコプター、飛行機、潜水艦などあらゆる乗り物の資格を取得することが可能だ。
「あと、イタズラ好きだね」
ルールが補足するように言った。
「すぐに頭に血が上ることも忘れています」
ホークも小バカにしたように情報を提供する。
よし、これだけ情報があればいけるかな?
思考を深くまで、もっと深く、もっとだ……。
マッハに成りきれ、マッハの思考を辿れ……。
「Trace・on」
―――――――――――――――――
君は誰だ?
(僕は、いや、俺はマッハだ)
いつ財布を盗まれた?
(はぁ!? 俺が財布を盗まれる訳ないだろ!!)
なら何故、事件が起こった?
(その方が楽しいからに決まってるだろ?)
「Trace・off」
―――――――――――――――――
マッハの思考から僕自身に戻る。
なるほど、今回の犯人が分かった。
「今回、財布を盗んだ犯人は“マッハ”、君自身だ」
犯人を言うと驚いた表情や笑みをこぼす者など様々だが、興味を持った目で僕を見つめている。
「ほぅ、なんで俺だと思った?」
マッハは理由を促してくる。
「君は転入してきた僕が探偵足り得るか知りたくて、自作自演で事件を起こした。 それが答えだ」
イタズラ好きのマッハのやりそうなことだ。それに、周囲の人たちもマッハがやったと分かっていたが、僕を試すためにワザと乗っかっていた。
僕がクラスメイトとしてふさわしいか見極めるために。
「お見事! ルナは自分の力だけでこの状況を切り抜けたね!!」
ルールは新しいおもちゃを与えられた子供のように目を輝かせている。
「でも、どうやった?」
エンプティは正解を導き出した方法が気になっているようだ。
「マッハの思考を辿った」
「「「はぁぁぁ!?」」」
一斉に声が出て驚きの表情を見せる。
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