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さよなら感受性

作者: 日曜日夕



夕方空の清々しい青はいつも世界を暗くする。



今日が過ぎても明日は来ない。



今日初今日行き地下鉄環状線。



帰る場所など在るものか。



酔った視線が漂う窓ガラス。



雨に濡れた陰鬱なスーツの男。何も感じない僕。



さよなら感受性。



空も海も人混みも見上げ果て。



ママ、餓死した心は僕が殺したんだ。



何もしなかっただけで勝手に死んだんだ。



じゃあこの胸でくすぶるのは何。



焦燥感後ろ向き自意識の塊。



夜の帳にアルコールの滝とネオンライト。



人の上に立つ金に恥を恥と思わず群がる人。



行く先など在るものか。



ふらつく脚が広告を踏みつけ踵を返す。



わざとらしいモデルの笑み。何も感じられない僕。



さよなら感受性。



群衆も社会も見下げてなお。



パパ、壊死した心は僕が殺したんだ。



放っておいたら腐っちゃったんだ。



ならこの胸にざわつくのは何。



嫉妬心俯き自意識の埃。



薄明。



輝かしい未来に僕は今居ない。



ヤニでくすんだカーテンのこちら側、



落ち着きのないキーボードで文字を打つ。



解れては結び、解けては繋ぎ、歪みきった一本の線。



来た道など知るもんか。



まともに韻さえ踏めないのだ。



画面越し、冷めた面した名無しは僕自身だった。



僕に言葉は紡げるか。



いつか圧し殺した僕自身の言葉を。



この胸で動いてるのは何。


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