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本編の後、後書きにて現在のマイ達のステータスとか乗っけてます。

深く考えず、さらっと見て頂いたら有り難いです。





「……で。落ち着いたんなら、まず私に言う事あるんじゃないかい?」



 リカルドさんと今後の方針を決めた日の、深夜前。

 サーリーとルシファーを寝かしつけた私とディル、ノーランの3人は猫髭亭の食堂兼酒場に居た。


 ご近所で『英雄ディルムッドの御乱心』と噂が広がってしまい、いきなりの閑古鳥となった為に心配して集まった、アニスさんと同じポポの村出身エルフのフェールさんと犬獣人のポルクさん、アニスさんの養い子である双子冒険者のカールとキールが見守る中。



 アニスさんの仁王立ちを目の前に、カウンター席の私とディルは身を縮まらせた。




「ほんっとうに、ごめんなさい!」


「にゃ、にゃう……ごめんよ、アニス」



 土下座しようとしたら止められたので、取り敢えず椅子の上でこれでもかと頭を下げる。


 私は、ディルの兄貴分であるノーランがサルーの町で大怪我してると人魚の村ローレライで聞いて、居ても立っても居られず一晩眠らず文字通り走って帰って来たと説明した。

 実はノーランの1ヶ月前の火龍との戦い、サルーの町では有名で……成る程それと勘違いしたんだな、と皆は誤解してくれた。

 ……お世話になってるのに、嘘混ぜた話で本当に申し訳ないです。



「全く……まぁ、そこのノーランが、扉と壊れた家具の修理してくれたから今回は許すよ。……次したら、ディルムッドの食べるパンは炭色以外認めないよ!」


「……みゃうぅ」


「哀れっぽく鳴いても、炭しか渡さん!!!」



 あ、炭色のパンから炭に格下げされた。



「文句あんのかい!?」


「「ありません!」」


「それなら…………おかえり! 良く無事に戻って来たねぇ!」



 言うのが遅くなっただろう、と苦笑いのアニスさんに私とディルは涙目になった。



 それからは、帰って来た私達と、新しく仲間になったノーランの歓迎会になった。

 食欲より睡眠欲が勝ったサーリー達の分は確保したので、久し振りの少し濃いめのアニスさんの料理を頬張る。うんうん。毎日は胃もたれしちゃうけど、たまに食べる分にはやっぱり美味しい!



 扉の修理してくれたノーランには私の奢りで高めのお酒をアニスさんに用意してもらいながら、その間もディルは隣のカウンター席に座るノーランにありがとうって言いながらくっ付いてて……炭色じゃないパンは私のあげるし、なんなら手作りパンも視野に入れるんで。


 ……だからくっ付くの、私にして下さいませんか旦那様。


 軽く尻尾引っ張ったら、ディルは気付いてくれて私の頬にスリスリしに来てくれた。ぅう、可愛い。



「ノーランって、あの≪赤い雷(フレイム・ボルト)≫なんだよな」


「ディルムッドの兄貴分なんだろ? 俺、ディルムッドがマイ以外に自分から抱きつくの初めて見たぞ」


「……あー。ディルムッドが喜ぶからって、チビの時から俺もおぶって色々連れ回したからなぁ。癖付いてんのかも」


「「あ〜、成る程」」



 双子はノーランに興味津々で、酒を追加してやりながら色々と聞いてるみたい。

 ……ディルの子供っぽ過ぎる所は、幼き日のトラウマが原因だとそれとなくノーランが伝えてくれて助かった。



「マイ達の持って来た素材は品質も良くて助かるよ。……約束通り、これ、この区域を管理している人の住所だ」


「ほっほっ。儂も小まめに確認したが、まだ買い手は居ない様じゃった。明日、皆で見に行くと良い」


「ふわぁ〜っフェールさん、ポルクさん。ありがとうございます!」



 私は旅立つ前に、フェールさん達に頼んでいた地図と紹介状を貰った。……そう、不動産屋の。



 サーリーのテイム・モンスターを竜種にすると決めた時から、私は考えていた。

 大きな竜種もゴロリと寝っ転がれる、ちょっと広めの庭付き一軒家が欲しいなって!!!


 ……サーリーとディルの秘密を守る為にも、これからの戦いの作戦会議するのにも、他者の入り混じる宿屋は相応しくない。


 採取した珍しい素材は優先的に渡す事を条件に、私達の条件に合う物件をフェールさん達に頼んどいて良かった。



 そんな私とディルは、少量のアルコールで睡眠不足が祟って数十分でカウンターに突っ伏して寝てしまい。


 酒豪通り越してザル、否ウワバミなノーランにベッドまで運ばれたと知るのは次の日の朝である。




 ちなみに。

 朝、目覚めたサーリーとルシファーはくるくると鳴り響くお腹を抱えて私とディルの上に乗っかっていた。地味に、重かった。




「「もぐもぐ、もぐもぐもぐもぐもぐ……」」




 昨日アニスさんにもらった料理と果物の朝食を、サーリーとルシファーは無言で頬張り続ける。

 隣の部屋で眠っていたノーランも、今は朝ごはん食べに私達の部屋に居る。


 メニューはスパイシーな炙りチキン、揚げたじゃがいも、肉と野菜をトロトロに煮込んだシチュー、ゴロゴロミートボールのパスタにミートパイと物凄いがっつり系。

 ……私とディルは在庫にあるサンドイッチを摘みながらシチューを食べてるけど、後のメンバーはガツガツいってる。凄いわぁ。



 朝食後、食休みを挟んで私達は地図を頼りに不動産屋に向かい、そのままフェールさん達オススメの物件を見に行くことにした。

 私達だけの家を探しに行く、と言ったらサーリーとルシファーは小躍りして喜んでくれたから、内緒にしてて良かったと思う。



 サルーの町は東西南北に門があり、北門周辺が初心者、東門と西門周辺が中級者、南門周辺が上級者向けの道具や装備を販売している。

 ちなみにギルドは町の中心、アニスさんの猫髭亭は南門の区域にある。



 今回案内されたのは、南門区域にある3階建てのレンガ造りの家。三角屋根に煙突もあってレトロで可愛い。周囲の目隠しになるように少し高めの塀で囲まれてる。


 家自体はそこまで大きくはない。でも庭として設けられたスペースが広く、噴水にベンチ、春になったら咲くらしい樹木と花壇なんかも綺麗に飾られててちょっとした公園みたいや。

 そんで、日本のテレビで見たことある様な……牧場とかにある牛舎っぽいのもある。〜っぽい、が付くのは牛用にしては高さがめっちゃあるから。



 ……レンガの家より、壁、高くね?



「お嬢さんのテイム・モンスターは竜種と聞いていたので、将来の事を考えてモンスター用の宿舎付きを選んでみました」



 不動産屋さんの話にディルとサーリーはうんうん頷いている。

 宿舎の中は埃っぽいけど思ったより清潔で、ルシファーも嫌悪感抱いてないっぽいから此処はオーケー。

 ……ルシファーのお母さんが寝るには狭いけど、きっと、直ぐにはあんなにデカくならんやろ。


 さぁ、後は家の中の確認やな!

 楽しみやなぁキッチン。少し広めのキッチンだったら良いなぁ!



「……おい、マイ」


「ん、どうしたん?」



 そんなウキウキ気分で不動産屋さんに家の中を案内されている時に、ノーランに腕を引かれた。

 皆は暖炉がどうのこうのと楽しそうである。



「……この家、其処彼処に探知の魔道具置かれてるぞ」


「……探知?」


「要は、住んでる奴を監視するヤツ」


「えっ!?」


「んで、魔力源は……あの不動産屋のおっさん」



 ノーランの指差す先の不動産屋さんは、振り返って不思議そうに首を傾げる。

 うん。ノーランの声、聞こえてたんやねぇ……装ってても、その滝の様な汗は誤魔化せないよ?



「ディル〜ルシファ〜その不動産屋さん確保お!!!」


「にゃん!」


「ごるっ!」


「ひぎゃあああっ!!!」



 ちょっと話を聞けば、英雄の私生活と最近話題のノーランを知りたい人は多く、どんな内容でもちょっとしたお金になるらしい。



 不動産屋の首根っこ掴んで引きずりながら、ノーランが≪心眼≫使って魔道具を発見、回収を繰り返す。……全部で20個はあるな、これ。

 うん。そりゃこんだけ買ったらお金無くなるわ!!!



 私達は、ギルドが管理、運営してる詰所(荒くれ者で作られた警察っぽい所)に突き出されるのと、タダ同然でこの家売るのどちらが良いか不動産屋に選ばせ……見事、我が家をタダで手に入れました!

 細々したの買い足すだけで、今日からでも暮らせるわ!



「むぅ……ノーランだけちゃんと分かって、ズルイ」


「俺もガキの頃から練習したからな。……サーリーもしたら良いだろ。コツなら教えてやる」


「……ぅ、うん!」



 ノーランより見える情報の多い≪魔力高感知≫があるサーリーなら、すぐ慣れると言われて本人はヤル気出してたよ。




 そんなこんなで長らくお世話になった猫髭亭を後にし、私達は新たな家に腰を落ち着けた。色々落ち着いたら、皆を招待してどんちゃん騒ぎをしたいと思う。



 緊急依頼の知らせは、まだ無い。

 この家で、私達が出来る準備をしていこう。






 ……それから、数日後。



 リカルドさんから連絡は無く、私達は道具の仕入れと装備を新調しながら日々を過ごしていた。



「……にゃ、ただいま〜。武器と装備出来てた!」


「えっ、めっちゃ早くない?」



 リカルドさんとの話し合いの後で持って行ったから……まだそんなやで?



「ふにゃ、新しい武器………………はにゃっ、り、リカルドが俺達の装備は優先してやってくれって言ってくれたみたい。ドンファの親方が言ってたの!」


「うわ〜、ありがたい!」



 ドンファ工房を取り仕切るドンファさんは、冒険上級者の人がこぞって依頼する鍛冶屋さん。マッチョで、私くらいの背丈の、髭もじゃなおっちゃんはドワーフである。

 彼らの種族の起源もエルフやピクシー同様ダークエルフやねんけど、魔法特化がピクシーで手先器用なのがドワーフ、そんで丁度良い真ん中がエルフだの思えば良いかな?



 ディルお気に入りの鍛冶屋さんでもあって、私とサーリーのローブもドンファさん作。淑女用も幼女用もお手の物。流石プロである。



 さあ。

 これで、私達の準備は整った。


 いつでも来い、≪名無しの軍団(ノーネーム)≫!!!





 ●マイ

 ●レベル:23


 ●MaxHP:740

 ●MaxMP:1290


 ●力10

 ●魔29

 ●守35

 ●護35

 ●早15

 ●運43


 使用MP半減

 状態異常無効(即死含)

 ???

 ???


 装備

 マジック・ピストル

 聖女のローブ

 聖女の髪飾り

 聖女のブーツ

 聖女の手袋

 闇龍?のイヤリング(ルシファーの鱗と白い貝殻を使用)


 ――――――――


 ●サーリー

 ●レベル:17


 ●MaxHP:180

 ●MaxMP:1850


 ●力1

 ●魔66(+10)

 ●守1

 ●護37

 ●早15

 ●運56


 魔力高感知(これの副産物により、精霊目視可能・使用MP半減)

 精霊の愛し子(5体の精霊に愛されている為、特別スキルボーナス+50p・ステータス運+50)

 夢視

 ???

 ???


 装備

 千年龍の杖(ルシファーのお母さんの角を使用)

 闇龍?のローブ(龍の巣にて採取した鱗を使用)

 黒魔女のとんがり帽子

 闇龍?のブーツ(龍の巣にて採取した鱗を使用)

 黒魔女の手袋

 闇龍?のイヤリング(ルシファーの鱗と赤い貝殻を使用)


 ――――――――


 ●ディルムッド

 ●レベル:69


 ●MaxHP:1950

 ●MaxMP:800


 ●力90(+70)

 ●魔53

 ●守81(+20)

 ●護53

 ●早83

 ●運64


 精霊の双子(初期ステータス・スキルポイント優遇)

 ???

 ???


 装備

 ●千年龍の聖槍(ルシファーのお母さんの角を使用)

 強欲のプラチナメイル

 闇龍?のブーツ(龍の巣にて採取した鱗を使用)

 剛力の腕輪

 闇龍?のブレスレット(ルシファーの鱗と青い貝殻を使用)


 ――――――――


 ●ノーラン

 ●レベル:72


 ●MaxHP:1600

 ●MaxMP:1240/600


 ●力90(+10)

 ●魔80

 ●守64

 ●護67

 ●早96(+10)

 ●運55


 薬物耐性・強

 火龍の呪印

 ???

 ???


 装備

 呪われた血塗れの剣(条件を満たせば呪解除)

 暗殺者の短刀・改

 闇龍?のスケイルアーマー(龍の巣にて採取した鱗を使用)

 闇龍?のブーツ(龍の巣にて採取した鱗を使用)

 ハヤブサの腕輪

 闇龍?のブレスレット(ルシファーの鱗と緑の貝殻を使用)


 ――――――――



こんな感じです。

ディルの武器は多いので、今回新調したのだけ。戦う時はいつも通りの二刀流です。……本編に出るか分からないですけど、ディルの持ってる武器、全部知りたい人いますかね?

あと自身が精霊の双子という事を思い出した事で、優遇されていた初期ステータスのボーナス分の一部が上乗せされました。地味にプラスされてます。


勇者様御一行で噂になった事で、新参者のマイの事情は一部にバレてるっぽいです。黒髪黒目の賢者ちゃん居ましたしね。装備でモロバレです。


実はルシファー、お母さんがアレなので正確には闇龍ではありません。普通の闇龍は黒い角2本ですが、ルシファーはちっこい乳白色の角が4本。お母さんと一緒。

なので装備品の名前にハテナ入ってます。鍛冶屋のおっちゃんは新素材にウハウハでした。


ノーランのMPは常時半分あったら良い方。最低1日1本、上級エーテル飲んでます。本当ならMP1000回復する所、薬物耐性・強によって半分の500しか回復しません。

なので毎日10万ギル…マイが知ったら泣くと思う。


ノーランは幼少期の修行時代、安い下級・中級ポーション&エーテルをたくさん飲んだせいで抗体が出来て、中級エーテルでも50回復したら良い方っていう裏話があります。もう上級しか、受け付けない体。悲しいね、金食い虫。






ハテナ部分のステータスは、現在のマイ達にも何故だか読み取れません。その事に疑問もありません。何故でしょうね?

ノーランは、気付いています。でもしゃーないやっちゃ、と様子見てます。心配ならちゃんと顔出せ、と呆れ気味です。

それでも愉快な仲間達には何も言わず、兄貴は待ってあげてます。愛です、愛。


いつか本文中に分かります。

スキルの方はまたいつか。




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