表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

6/149

3

 


「ふふ。お主の助けた赤子は無事に母の元に戻った故、安心するが良いよ」



 神様の言葉に安心した私は、早速異世界初心者セットに意識を集中した。



 ――――――――



(防御特化)

 特殊スキル:結界

 最大体力・最大魔力量+500、守+7、護+7

 魔力使用量50%軽減、状態異常無効(即死含)



 ――――――――



 ふむふむ。

 攻撃力系UPは無いけど、即死無効がある。これは凄い嬉しい!


 ……ほんまに2人、そっちでええの?

 こっちの方が……ま、まぁ本人らがええんならいっか。


 ……この、特殊スキルっていうのがスキルポイント使うやつ?

 


 ――――――――



 特殊スキル


 生まれつき持っているスキル

 個人で色々違う

 使用ポイントはずっと変わらず10段階でMax



 特殊スキル:結界

 5pから。計50pでMax

 自身、又は任意の人物や物体を中心に物理・魔法攻撃を無効化する結界を展開

 少しの痛みも感じたくない人向け

 特殊スキルレベルUPによって結界の範囲拡大、強度も上がる

 単体・複数・広範囲とMP使用量で選択可能



 ――――――――



「………………わお。」


 なんて優しい解説。

 いや〜素晴らしいわ。


 だって「少しの痛みも感じたくない人向け」ってなってる。



「…………一択やんこれ」



 残り物には福がある。

 私、≪防御特化≫で良かった!



「ふふ。皆選べたか。それならこの場でスキルポイント振り分けを行うと良いよ。気になる事があるならワシに直接聞けるしのぅ」




 神様のこの言葉に、私達はお言葉に甘えてそれぞれスキルポイント振り分けに没頭する事に。






 ―30分後―






「……取り敢えず、これで良いかな?」



 選ぶだけでちょっと楽しくなっちゃった。



 ――――――――



≪特殊スキル≫

 結界Max50p使用


 鑑定Max10p使用


 鷹の目Max10p使用


 アイテムボックスMax20p使用


 薬師Max20p使用


≪魔法スキル≫

 聖魔法Max80p使用


 火魔法1p使用


 水魔法1p使用


≪武器スキル≫

 異世界武器:銃(魔力を弾丸に)1段階2p使用


 計194p

 余り6p


 ――――――――



 選んだ武器スキルに合わせて初期武器支給してくれるって神様の言葉に、私は乙女の夢(?)が詰まった銃を選択。

 余ったポイントは、いつでも場所問わず振り分け可能らしいからもしもの時用に少し余らせておいた。



 使える魔法属性は生まれ持ったもので、普通は1つ。多くても3つらしい。


 私はご覧の通り3つ。やったね!

 しかも回復魔法が使える聖魔法に適性有りで、とても有り難い。即座にMax。


 魔法スキルは特殊スキルと違って1pずつ追加出来て、一定数に達すると新しい上位魔法が使える様になる。



 私の適性は、火と水と聖。

 1pから使える魔法もあるから本当に助かる。


 ……アラサーのおばちゃんやけど、せっかくの異世界だから私も楽しく冒険とか観光したい。

 魔法は日常・ダンジョン生活(あるねんて、ダンジョン!)でもよく使うって神様も言ってたし、念の為に野宿用の火とか飲み水問題が怖くない様にしてみた。



 ちなみに、≪鑑定≫は野草や鉱石などの採取した物の毒の有り無しや目利きに必要だからMaxに。


 ≪アイテムボックス≫は、まあ言わなくても分かるでしょう。ゲームの定番!

 Maxにしたら容量ほぼ無限大で時間停止付きになるって神様に言われて、速攻ポイント振り分けました。


 ≪薬師≫は……まずレシピを手に入れないといけないけど、ポーションとか作ると通常より回復量増加したり一定時間防御力UPとかの特殊効果が発生するらしい。

 Maxだと、確率大幅UPなんやって!


 1人でいきなり冒険者生活は怖いから……最初はどっかの、信用出来る道具屋さんに弟子入りしたりして、薬草煎じてポーション作って売ったら……しばらく生活出来るかなぁ。将来の事も考えて、貯金もしたいし。



 ……恋人いない歴=年齢の私にも、きっと……異世界なら私好みの()()()()()優しい旦那様が………………見つかるかなぁ諏◯部さん並みのナイス・ボイス(知らんよby幼女な神様)


 あ、≪鷹の目≫は純粋なステータスUP用のスキルの1つで、Maxなら数キロ先の木の葉っぱ数えられるくらい目が良くなるんやって!

 普段と戦闘時と切り替え出来るみたいやから、便利やね。



 異世界のいざこざはヤル気に満ち溢れた若者に任せて、第二の人生満喫予定の私が居ました。






 しかし、ここで問題が。






 それはヘタレ男子高校生こと相良(さがら)翔太(しょうた)が、()()やのに聖魔法持ちでは無かった事。



「回復魔法使えんの、おばっ…あんただけなんだから一緒に行くの当然だろ!?」



 ……ふん。私がじろりと睨めば言い直すあたり、やはりヘタレな意気がり男子高校生やな。


 ようやく存在を認識出来た翔太(ヘタレ)は……ひょろりと背も高く、茶髪でヤンチャなイケメン顔。今時って感じのモテ男さんみたいやけど……それが、どうした。


 イケメンなら、我儘許されると思ってんの?

 ……それは(居るか知らんけど)取り巻き連中の女の子達に言えば?


 私はゴリラまではいかない、適度なマッチョさんの方が漢らしくて素敵やと思うから。ひょろりなヘタレは嫌っす。



 そう……例えば。

 諏◯部さんが声担当していた、アー◯ャーみたいなマッチョさん!!!

(生暖かい幼女な神様の微笑みがあった事に、彼女は気付かなかった)



 ……あ、話が逸れた。



 真面目に話を聞けば、萌ちゃんは魔法特化で火・水・風・土・闇魔法は取得可能だったけど、聖魔法だけ適性が無かったらしい。


 そして翔太(ヘタレ)は火・風の2つのみ。

 パーティーに必須の回復役が居ないから付いて来い、が翔太(ヘタレ)の言い分。









 えっと。だから何?


「そんなの、これから新しく仲間に加えたら良いだけじゃない?」



 神様だって異世界の住人と協力してって、確か言ってたし。

 私は神様お墨付きで自由旅行許可出てるし。


 私のツッコミに、幼女姿の神様は微笑みながら翔太(ヘタレ)に近付いていった。



「ショータよ。マイの言う通り、お主のこれからの旅はリヴァイヴァルに住まう者達の協力を取り付ける事から始めなければならん。……心配せんでも、回復魔法が無くとも暫くは大丈夫。その為の初心者セットだからのぅ」


 それでも納得しない翔太(ヘタレ)に……それなら、と私は言いたかった事を言う事にした。



「……私、まだヘタレ(あなた)を許したわけじゃないの。信号待ちで人が多いのにふざけて走ってくれたお陰で危うく私は大事故で死ぬ所だったのよ? ……私に対しての謝罪もまだ無い、そんな奴と、命預けて一緒に旅なんて私には無理よ」


「そ、それはっ……萌がさっき謝っただろ!?」


「あら。直接私にぶつかったのは翔太(あなた)で、あの奥さんに突っ込んだのも翔太(あなた)だったわよね? …………女の子に責任なすりつけるなんて、最低ねぇ?」



 私が冷たく突っぱねると、彼は唇を噛み締めながら俯いてしまった。

 萌ちゃんは苦笑しながら彼の背中を撫でて、申し訳なさそうに私に一度お辞儀してくれた。


 ……萌ちゃんには悪いけど、私の精神安寧にそこの翔太(ヘタレ)はいらんのですよ。


 俯くだけで謝ろうとしない時点で、私の中ではアウトや。



「それじゃあ神様。私は1人別行動で!」


「っ勝手に決めんなよ!」


「翔太、もうやめなって……」


「なんだよっ、いい歳したババアが過ぎた事ぐちゃぐちゃ言うか」


「ぁあん!?」


「「ひぃ!」」



 おそらく鬼になった私の顔を見て、怯える高校生2人。


 ……ふん。女性に対しての口の利き方がなってないなぁ。


 翔太(ヘタレ)……次言ったら、つぶしてやる(何処を!?)



「……それじゃ、神様。私は彼等とは違う場所……そうね、材料(ポーション用)とか集めてから町に行きたいから、色々生えてそうな山とか森に降ろして下さい。それに地図と……数日分の食料とかも貰えたら嬉しいんですけど」


「ふふ、良いよ。食材はお主らの世界と殆ど同じだから安心して食べるといい。まあ、気になったら鑑定スキルで確認してから食べたら良いからのぅ」


「分かりました。それじゃ、お世話になりました!」






 ぺこり、としっかりお辞儀をして。


 次に頭を上げたら、目の前に猫の目みたいな模様の入ったまん丸のお月様と夜空。



「へ?」



 え、え、嘘、私の体、何かふわふわ浮かんでる!?


 下を見たら、鬱蒼と生い茂る木、木、木!!!


 何とか普通に立った姿でゆっくり降りてくれてるけど、このままだと真っ暗闇の森の中に放置になりますが!?



『ショータの奴が面倒だったからのぅ。希望していた素材が群生している森にさっさと送ってやったぞ〜』



 頭の中に、天の声のごとく響く愛らしい幼女の声!

 そうなんですね神様、空気読んでくれて嬉しいです!

 嬉しいんですが!



 いきなり夜の森って、初心者には厳しくないですか!?(涙)



『ふふ、今その森ほど安全な場所は無いぞ?』


「はい!?」



 どう言う事か聞く前に、私は何か、強烈な気配を感じて後ろに振り返った。




 そしてこの夜の森の中、一本だけ抜きん出た大木の天辺から……私は、視線を逸らせなくなった。


 金色の月に照らされた、背の高い男性が()()()()()()揺らしながら立っていたから。






やっと次回、ヒーロー登場です!



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ